

モテナス日本の侍・殺陣体験
- オーダーメイドだから場所を選ばない
- 厳選された講師による英語での丁寧な対応
- チームビルディングや企業研修の対応も可能
\まずは、お気軽にご相談ください!/
武士道とは、高い精神性を表す日本の伝統のひとつです。
戦いの場に身を置いた武士が武士道の始まりですが、時代の流れと共に強さや戦術ではなく、礼儀や作法などがより色濃くなりました。
この記事では武士道について解説していきます。
武士道とは

「武士道ってなに?」
と尋ねられてパッと答えるのは難しいですよね。ですが、日本人であれば多くの人がなんとなく「こんな感じかな」という武士道のイメージがあるでしょう。
この記事では、武士道について解説していきます。
実は、武士道は古くて堅苦しい考え方でもなければ、武士と呼ばれる過去に活躍した人々だけの価値観でもないのです。
武士道は日本独特のもの
武士道は武士階級において形成された独特の価値観や倫理観を持つ概念です。
武士という身分が存在した時代には、武士には戦いの場における強さだけでなく社会的な規範に従い誇りを持って行動するという高い精神性が求められました。
その結果、戦での戦闘能力を超えた、倫理や道徳を含んだ武士道という文化が生まれます。
武士道の特徴は、義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義などの高い精神性に基づくものです。
戦場での強さだけでなく、日常生活や社会における立ち居振る舞いにもこの精神性が求められました。
武士道のはじまり
武士道は、平安時代後期から鎌倉時代にかけて、武士階級の台頭とともに形成されました。
戦国時代の武士道は、戦場での倫理や戦術的な行動規範が中心となっていました。この時代には、強さや戦闘能力がとても重要だったのです。
しかし、時代が進むにつれ、武士道は単なる軍事的な倫理を超え、社会全体に広がる精神的な規範としての地位を確立していきます。そして、江戸時代に入ると激しい戦乱が終わり、武士が命をかけて戦う必要はほぼなくなりました。
こうして、武士の間では戦闘能力より、武士道の精神が重要視され洗練されていきます。太平の世にあっては、戦いの技術や強さより、武士としての精神的な鍛錬や社会的な役割に重点が置かれるようになったのです。
時代の移り変わりとともに、武士道が精神的・道徳的な指針としての役割を果たし、武士のみならず、庶民にも影響を与える存在となっていきました。
武士道の由来
武士道という言葉が最初に使われたのは、江戸時代初期の「甲陽軍鑑」であるとされています。
この甲陽軍鑑は、武田家の家臣である春日虎綱の口述記です。この書物での武士道は多くの人がイメージする高い精神性を主とする武士道とは少々異なる内容となっています。
例えば、自分を高く評価してくれる主君に出会うまでは浪人してもいいとされていたり、「卑怯の謗りを受けてでも戦いに勝つことこそが肝要」とされていたり、極めて現実的な内容が多くなっています。
その後、武士道は「弱い者を助ける」「家名を守る」「名誉を重んじる」といったものに変化していき、現代でも知られる精神性の高い独特の文化として発展します。
武道と武士道の違い
武道と武士道は似ているように見えますが、実は違うもので、武道は主に戦闘技術や身体的な鍛錬のこと。
剣術、弓術、柔術など、実践的な技術のことで、その武の道を武道といいます。この「道」とは、それぞれの分野における心得や技術、歴史のこと。武に限らず「道」と名のつく伝統文化はたくさんあります。
そして、武士とは武道を極めた人のことを指します。
武士道では、戦闘技術にとどまらず、義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義などの道徳的な行動しているや高い精神性に重きを置いています。
武士道は、武士が日常生活でどういった行動をとるべきか、そして、社会においてどう生きるべきか、どのように自分を鍛錬するべきかといった規範や志を意味しています。
武士道の精神

武士道の精神とはどのようなものでしょうか。
元々は武士階級の人々の価値基準であった武士道ですが、今では日本人にとっての常識の基礎になってるものもあります。
武士道の倫理と道徳感
武士道の倫理感や道徳観は、戦場での勇敢さや強さに基づくものだけではありません。
日常生活や社会的な責任においての倫理観と道徳感だと言えるでしょう。
例えば武士には、「自分の行動で家名や主君に恥をかかせない」という考え方がありました。
そのため、言動には常に慎重であることが求められました。自分自身を律することで名誉を保つこと。そして、自分と家の名誉を守ることが求められます。
武士道では主君に対する忠誠心を重視しており、忠義は非常に重要視されます。武士は、いかなる状況においても自らが仕える主君に忠誠を尽くし、その命令には時に命を賭してもを守り抜いたのです。
武士道とは”恥”を知ること
日本の文化は「恥の文化」であると言われることがありますが、武士道においての「恥」とは、自分自身が恥じるような行動を取らないように常に心掛けることいえるでしょう。
それが、名誉を重んじることに繋がっているのです。
この「恥を知る」という独特の精神は、礼儀やマナー、他者に対しての礼節の根幹を成すものとなります。そのため、武士は時に、自らの名誉を守るために命をかけることもあったわけです。
もちろん、現代では命をかけることは推奨されませんが、自分自身が「恥ずかしいことをしないように」という考え方を持って行動する人は少なくないのではないでしょうか。
親を大切にするのも武士道
武士道では、家族を大切にすることも重視されます。特に、親への孝行は武士道の重要な価値観のひとつです。
親や祖先に対する感謝の念を持ち、家族と家の名誉を守ることが重要視されました。親への忠義や感謝は、自分の役割を果たすための基盤でもあるのです。
親を敬い、その教えを守ることは、武士が社会的にも道徳的にも大切にされる精神ということです。
また、家の名誉という考え方は、現代では薄れつつある感覚かもしれません。ですが、親や家族を大切にするという精神は今でも多くの日本人に受け継がれています。
弱きを助ける精神
武士道では、強い者が弱い者を助けるという精神も含まれています。
武士は武装しており戦う力を持っていました。ですが、その力は決して私利私欲のために乱用してはならず、弱者や主君を守るために使うことが求められました。
「弱者を助ける」精神は、現代においても日本社会の中に根強く残っています。
混乱や災害時の助け合いの精神は今でも日本人の中に受け継がれています。
新渡戸稲造の「武士道」

「武士道」と言えば新渡戸稲造と答える方もいらっしゃるでしょう。
新渡戸稲造は日本の教育者で思想家、国際連盟事務次長を務めたこともあり、以前は5000円札の肖像画にも使われていた人物です。
その新渡戸稲造の代表作が「武士道」です。
武士道は英語で書かれた
5000円札の人として知られる新渡戸稲造の著書といえば『武士道(Bushido: The Soul of Japan)』です。
武士道は、実は英語で書かれた書物なのです。
新渡戸稲造は英語が堪能な人物でした。武士道は非常に流暢な英語で書かれ、1900年に発表されました。
この著書は、武士道の精神を伝えるという内容ですが、日本人に対してではなく、西洋の人々に武士道という日本独特の文化を解説したものです。
武士道の中で新渡戸稲造は、武士道は7つの「徳」で解説しています。
- 義
- 仁
- 勇
- 礼
- 誠
- 名誉
- 忠義
そして、この7つの徳をキリスト教と比較したのが武士道です。武士道の中で新渡戸稲造は
「個人は国家の為、もしくはその正当な権威を掌握するもののために生き、また死なねばならなかった」と書いており、日清戦争・日露戦争という当時の時代背景の影響があったものと思われます。
武士道は英語でも「Bushido」

武士道は海外でも知られる日本の文化ですが、武士道は英訳してもそのまま「Bushido」です。
英和辞書でもBushidoは「日本の伝統的な作法」であると説明されています。
外国の方に伝えられるのか
武士道という日本人でも解りにくい精神性を外国の方に伝えるのは難しいでしょう。
しかし、武士道は外国でも広く知られています。武士道という日本独自の文化は、普遍的な人としての正しいあり方でもあり、その価値観は多くの人々から共感を得ています。ひと言で説明するのは難しい武士道という文化ですが、外国の方に伝えることは不可能ではないのです。
サムライと武士道
武士道は、サムライ(侍)と密接に関連しています。
武士とサムライは似ているようですが、実は少しだけ違います。武士は刀などの武器を持って戦いの場に行く人のことを指しています。そして、サムライは、高貴な人に仕える武士のこと。
よく時代劇などで「お侍様」といいますが、サムライは武士の中でも地位が高い人のことです。
武士やサムライという言葉は海外でも広く浸透しており、刀を持つ勇ましい姿や、その勇敢さ、そして武士道の忠誠心、名誉を重んじる姿勢は映画などでも強調して描かれています。
武士道は、当時のサムライが示した勇気や忠義、礼節であり、社会における模範でもありました。このため、武士道とサムライは切っても切れない関係にあるのです。
外国ではサムライと武士道はセットで語られることも多く、武士道が世界に伝えられる一因となっています。
現代においても武士道から学ぶことがある

武士道は決して、古くて堅苦しい考え方ではありません。
もちろん、現代の社会に合わない部分もありますが、普遍的な人としての規範という部分も多くあります。
武士道の徳目
武士道の徳目は、新渡戸稲造の武士道でも語られた7つの徳(義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義)とされています。
義(ぎ) | 常に正しく、公正であること。私利私欲ではなく、社会の利益や正しい行いであるかを考えて判断し、それに基づいて行動すること |
勇(ゆう) | 正しい目的のために必要な勇気を持ち、恐れないこと |
仁(じん) | 慈悲と思いやりの心を持って他者に接すること。弱い者に対する優しさや配慮。強さだけでなく、優しくあること。 |
礼(れい) | 常に礼儀を重んじ、他者を尊重すること。礼とは、秩序を維持するためのもので現代風に言えばマナーのこと。他者を尊重することが自らの品位を保つことであるという考え方。 |
誠(せい) | 嘘をつかず誠実であること。そして、自分の言葉や行動に責任を持つこと誠実さは、武士の信頼性の基盤でもある |
名誉(めいよ) | 常に、誇りを忘れず気高くあること、自分自身の行動に対して責任を持ち、名誉を守ること。 |
忠義(ちゅうぎ) | 主君や家族、組織に対する忠誠心を持つこと。武士にとっては、忠義を最も重要な徳目の一つで、特に主君に対して絶対的な忠誠を尽くすことが求められました。 |
このように、嘘をつかないことや、思いやりをもつこと、他者を尊重することが武士道の精神です。
これは、現代の社会でのビジネス、教育、スポーツなど、さまざまな分野で人々の行動規範となりうるものです。
武士道と”道”について
武士道以外にも、茶道や華道、書道など「道」という言葉がつくものがあります。
道とは特定の分野における技術や精神などのことですが、武士道における道とは、戦いの技術より生き方や精神的な鍛錬という意味合いが強いと言えるでしょう。
武士が日々の生活や行動を通じて自己を磨き、自己の内面を鍛えるためのもの。
この「道」という概念は、現代においても何かを極めるための指針として受け継がれています。
性別や年齢を問わず役立つ”道”
武士道の精神は、性別や年齢、育った国を問わず、誰でも自分自身に取り入れられるものです。
武士道が教える価値観や徳目は、自己を律することや、他者を尊重することなどがあり、現代の社会においても役立ちます。また、武士道では名誉を守ることも重要とされており、これは「自分自身を大切にする」という考え方にも繋がります。
礼儀や誠実さは人として持っているべきものですし、ビジネスやスポーツなどで困難に立ち向かう勇気は現代でも賞賛されます。
他者を思いやることや尊重すること、嘘つかないことも人としての正しい姿と言えるでしょう。
このように、武士道における「道」は、私たちがどのような立場にあっても自己を高めるものとなります。
まとめ

武士道は、日本独自の倫理観や精神的な価値観です。
主に、江戸時代の武士の生き方を通じて形成された文化です。
武士道の精神は、義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義という7つの徳目に根ざしており、行動規範として日本社会全体に影響を与えています。
この武士道は、新渡戸稲造の著作を通じて、武士道の精神は海外にも広く知られるようになりました。
現代においても武士道から学ぶべきことは多く、その徳目や精神は、自己を高め、他者と協力し、より良い社会を築くための指針となります。
武士道は、単なる歴史的な価値観にとどまりません。
現代の社会に生きる私たちにとっても役立つ教えであり、他者と共生する上でも重要な価値感といえるでしょう。

カメラとピアノが趣味のライターです。某有名バンドの大ファンで遠征がてら観光するのが好き…地方の工芸品や歴史にも興味があります。
自宅ではゴールデンレトリバーとインコ、猫に囲まれてコーヒーを片手に執筆しています。様々な角度から日本の魅力をお伝えします。