芸者の行く末は?定年や芸者のセカンドキャリアを解説

芸者はお座敷でおもてなしをするプロフェッショナルでもあり、芸事に精通したその道のプロフェッショナルでもあります。

そんな芸者さんたちのセカンドキャリアはどんなものがあるのでしょうか。今回は、芸者を引退したあとの道について解説していきます。

目次

芸者には定年がない

芸者の世界には、定年はありません。芸者は年齢に関係なく続けることができる仕事です。

芸者に年齢制限はなく生涯続けることができる

芸者には、他の多くの職業に見られる「定年」という概念はありません。芸者になるには大変な努力が必要で、長い時間をかけて修行をします。

経験が魅力となる世界でもあるため、年齢に関わらず生涯にわたって自分の技を磨くことができるのが芸者の大きな魅力のひとつです。

特に、三味線や舞踊、琴などの伝統的な技術、そして、茶道などの所作を極めている芸者は、年齢を重ねるごとにその熟練度が増していきます。

芸者の世界において、歳を重ねることはなんの制約にもならないのです。制約にならないばかりではなく、ベテランの芸者の技術は素晴らしく、活躍の場はむしろ広がっていきます。

ベテランの芸者には、若手の芸者が持つ初々しい魅力とはまた異なる、熟練した芸の魅力があります。

時間をかけて磨かれた伝統芸能は、日本国内だけでなく海外でも高く評価されており、年齢を重ねた芸者が舞台に立つことは決して珍しくありません。

芸者を引退したあとのセカンドキャリア

芸者は定年はありませんが、ライフイベントを機に引退して新しい道を進む方もいらっしゃいます。

どのようなセカンドキャリアがあるのでしょうか。

芸の名取になる

芸者を引退した後に「芸の名取」として活躍できます。

名取とは、芸の師範として後進にその技術を教える立場のことであり、芸者として長年培った技術や知識、心得を次世代へ伝えていくという役割です。

芸事の名取になることは、芸者の引退後のセカンドキャリアの中でも特に重要なポジションとされています。名取は、技術だけでなく精神や伝統文化の背景も伝えるというものです。

心構えや礼儀作法、さらには演者としての美学や精神性を伝えるという重要な役割です。名取は特定の流派や師匠からの認定を受けるものであるため、芸者としての長年の修行が実績となって認められるというものでもあります。

着付けのレッスン

芸者は着物でお座敷に上がるため着付けなどの着物の知識が豊富です。

日本人だけでなく、外国人からも人気の着物着付け教室は需要もありますし、日本の伝統文化である着物を次世代に継承するというやりがいも感じられる職業です。

「和の学び舎 藍」という教室では、元芸者の先生が着付けや三味線のレッスンをしています。こちらの教室はオンラインにも対応しています。

また、着付けのレッスンはただ着物の着方を教えるというものにとどまらず、日本の伝統文化や礼儀作法、着物を着る時の美しい所作も含まれています。最近では、着物を着る機会が少なくなっています。

その一方で、特に成人式や結婚式など特別な場で必要となる着物の着付け技術は非常に重宝されるものです。

着物の着こなしや所作に関する知識を持つ芸者だからこその着付け教室は現代の需要にマッチした職業といえます。

着物のデザイナー

芸者は着物の深い知識を持っており、美しい着方や所作を心得ているため、着物のデザイナーとして活躍する方もいらっしゃいます。

芸者として「魅せること」を常に意識していた芸者は、着物の色使いや模様に対する感覚やセンスも磨かれています。そのため、四季折々の自然や、日本の文化を反映しつつ新しさもある繊細なデザインを手がけることができます。

また、芸者として日常的に着物を着ていた経験から、動きやすさや着心地を重視した実用的な着物の提案も可能です。着物だけでなく、様々な伝統芸能に精通した芸者特有の美的感覚を活かしてデザイナーとして活躍する場を開くことができます。

YouTuberとしても活躍されている、松﨑陸さんは京藍染や和裁などで着物の新しいデザインをしている元芸者さんです。

渡米して活躍する芸者さんも

芸者を引退後に渡米して活躍するという道もあります。芸者としての経験や知識を活かして精力的に活動しつつ、ブログで情報発信をしている元芸者さんがいらっしゃいます。

海外では日本文化への関心が高く、着物などの日本の伝統的なスタイルはとても人気があります。元芸者という経験を武器にして日本文化のアンバサダー的な役割を果たすこともできそうです。

元芸者の今井茜さんは、芸者を引退してからニューヨークに渡米して着付け教室などをされていました。

モデルやイベントに出演

芸者さんは長い修行を経てお座敷に上がり、芸者として芸を磨いた経験があるため、美しい所作や立ち居振る舞いが身についています。

また、人から見られ、自らの容姿を磨く努力をしてこられた方達ですので、モデルになったり、イベントに参加するといった活躍の場があります。

実際に、芸者を引退した後にモデルやイベント出演などの仕事をメインに活躍する方もいらっしゃいます。

着物を着こなして、美しい所作を魅せる芸者は、日本の伝統美を象徴する存在として、ファッションショーや写真撮影、広告キャンペーンに起用されることもあります。

元芸妓の岩崎究香さんは、大手企業のコマーシャルにも出演されていましたし、紗月さんという元芸妓さんは、NHK BSドキュメンタリー番組で特集されていました。

会社員として働く

芸者を引退した後、一般の会社員として働くという選択をするケースもあります。

例えば、芸者の世界で培った礼儀や所作、そして高度なコミュニケーション能力は、会社員としてのキャリアにおいても非常に役立つスキルと言えるでしょう。

芸者として、様々なお客様をもてなしてきた経験があるため、コミュニケーション能力が高く、顧客の要望に瞬時に応じる柔軟さは、ビジネスシーンでも重宝されます。

このような芸者としての「ホスピタリティ」や「接客のプロ意識」は商談や交渉の場面で活かすことができる能力です。

相手の心を掴む会話術や、気配りといった能力は高く評価され、営業やサービス業などの分野では特に強みとなるでしょう。

芸者は結婚したら引退?

芸者は結婚した場合、仕事を続けることができるのでしょうか。

芸者は結婚したら引退というイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、結婚しても続けられる仕事です。

結婚しても芸者を続けられる

結婚後も芸者を続けている人は多くいます。

もちろん、結婚を機に引退して別のお仕事を選ばれる方もいるようですが、結婚したから芸者を引退しなくてはならない決まりはなく、結婚後も芸者としてお座敷にあがって活躍している方もいらっしゃいます。

独身だけができる仕事ではなく、結婚してお子さんがいらっしゃる芸者さんもお座敷で活躍しています。

京都の芸妓さんは引退するの?

京都の芸妓さんに関しては、今でも結婚したら引退するというのが一般的なルールのようです。結婚=寿ということで、引退となるそうです。

ただし、これは京都のみの慣習で、それ以外の地域では結婚=引退ではありません。京都以外の地域では、結婚しても芸者を続けられるのです。

芸妓さんの世界では、ずっと以前は「水揚げ」というしきたりがあったのですが、もちろん、今は残っていません。芸妓さんも自分の好きな相手と普通に結婚します。

まとめ

芸者は、年齢や結婚にとらわれることなく、生涯にわたって続けることができる仕事です。芸事に精通しており、着物に関する知識も豊富でコミュニケーション能力が高い芸事さんは、引退後も多方面で活躍しています。

名取となって伝統芸能を継承する道や着物の着付けのレッスンやデザイナーとして活躍できますし、会社員としてもコミュニケーション能力を活かして新しいキャリアに挑戦することもできます。

芸者を引退したあとのセカンドキャリアの選択肢はとても広く、芸者としての経験をあらゆる場面で活かすことができます。

芸者というのもキャリアは、日本文化の継承や発信をする上でとても貴重です。モテナス日本では本物の芸者さんを呼んで踊りを披露していただくイベントの企画運営をおこなっています。

海外からやってくる富裕層のゲストやVIPを伝統文化でおもてなししたいという方はぜひ一度モテナス日本にご相談ください!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次