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近年、海外でも注目されている金継ぎ。
壊れた器を直すだけでなく、金で美しく装飾することから「アート」としても人気です。
都内を中心に金継ぎ体験ができる場所も増えているので、外国人のお客様のおもてなしとしてもおすすめですよ。
そして「金継ぎの歴史」についても話せると、会話が弾むだけでなく日本特有の美意識や精神を知ってもらうキッカケにもなります。
今回は、400年以上ある金継ぎの歴史を深堀りして解説するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
金継ぎの起源は?
実は、金継ぎの歴史についての文献や記録などは少ないのですが、はじまりをたどると紀元前から源流が存在したと考えられています。
それでは、金継ぎの起源をみていきましょう。
金継ぎとは?中国が発祥?なぜ金を使うのか
まず、金継ぎとはどのようなものかをあらためて紹介します。
金継ぎとは、割れた器などを「漆(うるし)」と「金粉」を使って修繕する技法です。
漆(うるし)は木の樹液を精製したもので、古くから接着剤として使われてきました。
漆の接着力はとても強く、一度くっつくとほぼ取れないともいわれています。
実は中国にも同じように漆を使った修繕の技法が存在していたようですが、漆と金粉を使った金継ぎは日本が発祥です。
金継ぎで金を使う理由は、接着した部分を美しく装飾するためで、以下のように楽しむことも日本ならではといえるでしょう。
「割れて修復した痕を「景色」と呼ぶのですが、昔の茶人はこれを「川の流れ」などと呼び、そこに、日本ならではの侘び寂びの美を見たのです。」
(引用元:「震災で注目を浴びる日本の伝統技術「金継ぎ(きんつぎ)」とは? 【ひでたけのやじうま好奇心】 – ニッポン放送 NEWS ONLINE」)
不完全さを芸術として楽しむという文化は、海外にはない日本人特有のものです。
そして金継ぎが現代でも人気なことから、不完全な部分に美しさを感じる「侘び寂び(わびさび)」の感性は、日本人の中に変わらずあることがわかります。
縄文時代|金継ぎの起源「漆」によるお直し
金継ぎが生まれる前から、日本では「漆(うるし)」による修繕をしていたことが分かっています。
先述のとおり、漆は樹液を精製した接着剤の役割をするもので、なんと縄文時代から漆による修繕はおこなわれていたというから驚きです。
ただし縄文時代では、金粉は使わず漆のみで修繕しており、漆で修繕された槍なども見つかっています。
金粉を使った「金継ぎ」が出現するのはまだ先のことですが、漆によるお直しだけでみると数千年の歴史があるということなので、歴史の長さに驚きますよね。
室町時代|金継ぎの誕生!漆に金粉を蒔くように
金継ぎが生まれた正確な時期は分かっていませんが、金継ぎされている茶器が多数見つかっていることから茶道が広まった室町時代という説が有力です。
当時の茶器は高価なものであったため、割れてしまっても継ぎあわせ、なるべく長く使うために工夫したのでしょう。
中には、茶器をわざと割って金継ぎをした茶人もいたそうで、もともとは「修繕」だけを目的としていた金継ぎが、徐々に「芸術」として広まっていったことがわかります。
そして戦国時代に入ると、金継ぎの存在はより大きなものへと進化していきます。
戦国時代~江戸時代|金継ぎの全盛期をむかえる
室町時代に生まれた金継ぎは、戦国時代から江戸時代にかけて全盛期をむかえます。
なんと金継ぎのおかげで命を救われた人もいた、というから驚きです。
それでは、戦国時代から江戸時代の金継ぎの活躍ぶりをみていきましょう。
金継ぎから派生した「呼び継ぎ」も誕生する
金継ぎが繫栄したことで、派生した「呼び継ぎ」も誕生しました。
呼び継ぎとは、壊れた器にまったく違う器の破片を継ぎ合わせて修繕をする技法です。
▼呼び継ぎされた茶碗
画像引用元:「白洲式“見る眼の育て方”第34話 – Esquire」
もともと金継ぎは「壊れたものを美しく修繕する」ことが目的ですが、呼び継ぎでは「まったく別の美術品に生まれ変わらせる」という、いわばパッチワークのようなものです。
素材や色、柄の違う破片を継ぎあわせて仕上げるので、金継ぎよりもさらに芸術色が強い修繕技法ですね。
現代でも、呼び継ぎの体験プランを用意している教室はいくつかあるので「より創造性を発揮して器を修繕したい」という方はぜひ検討してみてください。
金継ぎで命拾いする者もいた?
金継ぎの活躍ぶりがわかるものとして「金継ぎで命を救われた人がいた」というエピソードも紹介します。
金継ぎで命を救われた人物とは、戦国時代の武将「豊臣秀吉」の家来でした。
ある日、家来は秀吉の愛用していた茶碗を壊してしまいます。
この頃は将軍の茶碗を壊すだけで、手討ちにされてしまう時代です。
そんな時、家来の命を救ったのが金継ぎでした。
金継ぎで器を修繕したことで秀吉の怒りは静まり、手討ちを逃れることができたのです。
いわば「接着剤で器を直しただけで良しとされる」なんて信じがたい話ではありますが、金継ぎの美しさが当時も評価されていたことがわかるエピソードでもありますね。
現代における金継ぎとは
金継ぎは江戸時代頃に全盛期をむかえますが、明治時代以降は少しずつ役割が変化しつつあります。
とくに現代では、器は壊れても安く簡単に買い換えることができるものになったからです。
それでもなお、日本で金継ぎが受け継がれているのはなぜでしょうか?
最後に、現代における金継ぎの立ち位置や海外からの評価を紹介します。
震災で壊れた器をつなぐ金継ぎ
現代における金継ぎを語るうえで外せないのが、震災での金継ぎの役割でしょう。
東日本大震災をはじめ、日本はいくつかの大きな震災を経験しています。
その際、思い出の器や美術品が壊れてしまった方も多くいました。
そんなとき、思い出の品々を可能な限り美しく修繕したのが金継ぎです。
先人たちが生み出した金継ぎという技法が、現代の日本人の心の傷を癒す手段になったのです。
参考サイト:「震災で注目を浴びる日本の伝統技術「金継ぎ(きんつぎ)」とは? 【ひでたけのやじうま好奇心】 – ニッポン放送 NEWS ONLINE」
ステイホーム期間で金継ぎが人気に
震災以外で金継ぎに注目が集まったのが、コロナウイルス拡大によるステイホーム期間でした。
ステイホーム期間には、年代を問わず自分たちの生活を見直す人が増えましたよね。
自宅の品々を見直す中で「壊れてしまった器だけれど、思い出があるから捨てられない」「割れているけれど、大切な形見だから取っておきたい」といった人も多かったようです。
実は「全国金継ぎ認知度調査」の結果によると、壊れているけれど思い入れがあって捨てられない器がある人は約40%いるとされています。(2021年5月実施アンケート「全国金継ぎ認知度調査2021」より)
このステイホーム期間中の生活の見直しによって、金継ぎが再注目され、とくに若い層が金継ぎに興味をもつようになりました。
中には、金継ぎした器の写真をSNSにアップする芸能人やモデルもおり、金継ぎは「オシャレなもの」という立ち位置を確立しつつあります。
海外でも金継ぎの魅力が受け入れられブームに
金継ぎは、海外でも人気が高まっています。
その証拠に、金継ぎを自分でできるキットを販売する会社「株式会社つぐつぐ」では、金継ぎキットの売り上げの20%以上が海外からの注文なのだそうです。
参考サイト:「金継ぎ(きんつぎ)の再ブームで、2022年の陶器ゴミが、ゼロになりました。 | 株式会社つぐつぐのプレスリリース」
金継ぎが人気になった理由は「壊れたものを美しく修復して大切に使いつづける」という、日本人ならではの精神が注目されているからです。
というのも、西洋では「壊れた器は縁起が悪い」という考えが一般的で、日本特有の金継ぎで修復した跡さえも「器の歴史」とする考え方が、海外の方にとって新鮮で魅力的に映るのです。
また、近年ではSDGsの影響もあり「エコ」に注目する外国人も増えました。
壊れた器も継ぎあわせて大切に使う、という行動が環境への配慮に繋がることも評価されています。
今も昔も変わらない「大切にしたい」を繋ぐ金継ぎ
金継ぎは、室町時代からつづく日本の修繕技法であり芸術です。
400年以上も金継ぎが受け継がれてきたことから「思い出のある器を、できるだけ長く大切に使いたい」という想いは、今も昔も変わらないことがわかります。
海外からも注目されている金継ぎは、モテナス日本でもオーダーメイドで体験プランをご用意できます。
通訳やコーディネーターの手配も可能ですので、外国人のお客様でも言語面で不安を感じず金継ぎ体験が受けられますよ。
「侘び寂び」を感じてもらえる金継ぎ体験を検討している方は、お気軽にモテナス日本へご相談ください。
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金継ぎが外国人に人気!やり方や体験できる施設を解説 | 外国人向け伝統文化体験|モテナス日本
▼参考サイト
金継ぎとは | 意外と知らない金継ぎの歴史と器の修理技法の違い
【日本の伝統技法】「金継ぎ」とは?その歴史や魅力を徹底解説 – 金・貴金属ブランド買取のおたからや
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