【大切なお客様】極上のサービスと外国人にも喜ばれる最高のおもてなし

Mayumi Folio
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コロナウィルスによるパンデミックが世界で収束を見せる中、人々がまた旅をしたいと世界を動き始めています。

そんな中、世界の訪れたい国No1として日本が選ばれました。

日本へ今ふたたび、世界中から期待が高まっています。

長い間、閉じられていたロックダウンの後としてこの高評価はとてもうれしいですよね。

ここには日本という国へのあこがれに加え、日本人の持つ他者への丁寧な対応への評価でもあるでしょう。

だからこそ、今もう一度日本の最高のおもてなしについて考える時なのかもしれません。

心を込めたサービスや極上のおもてなし接遇は、どんなお客様に対してもとても心地の良い時間をお届けできます。

特に今回考えたいのは外国人の大切なお客様へ、より一層充実したサービスと極上のおもてなしについて考えるには一体どういった事を大切にしていけばいいの?

といったポイント。

ここでは

• 極上のサービスって何かしら?どう考えて行けばいい?

• 超富裕層が来日するんだけど気をつけることとは?

• 国賓や重要人物、VIPの方々へのおもてなしはどうする?

• おもてなしの祖、茶道からおもてなしについて学びもっと深く考えたい!

といったことを中心に、極上のサービスと最高のおもてなしについて。

どのようなポイントに気をつければいいのか例を見ながら考えていきましょう!

極上のサービスとは

サービスとは

サービスとは、おもてなしやホスピタリティとはまた違った意味があります。

サービスの語源は、英語のService。

日本語訳は、奉仕、使える、従事する、にあたります。

オックスフォード英語辞書では「 The action of helping or doing work for someone. 」(誰かの手助けをしたり誰かのために仕事をしたりするという行為)という記述が筆頭に挙げられています。

日本語表現辞書によると、« 誰かのために何かを行うこと、他者の助けになること。

無形の財や価値あるいは労役などを提供すること。

  • 奉仕
  • 用役
  • 尽力
  • 提供

 となっています。

ここからも解るように、あくまでサービスとは、お客様が主体です。

経済用語としてのサービスは、無形の財。

顧客に便利性や満足を与える非物質的な価値である、とされます。

ですから、求められていない過剰なサービスや、サービスをしていることをこれ見よがしに見せつけるような接客は、極上のサービスとは言えません。

どんなに尽くしたとしても、お客様が求めていない物を提供しつづけるのはサービスにならないということです。

そうしたことから考えてみると極上のサービスとは、

• お客様の顕在している“Needsニーズ ”を的確に提供

• さらにお客様の見えない潜在されている“Needsニーズ”も満たしてゆく。

そんな従事行為といえます。

では早速具体的な例とともに、極上のサービスについて一つ一つひも解いてみましょう。

サービスの基本。お客様の“Needs (ニーズ)”の理解

“Needs (ニーズ)”とは?サービスを考える時に大切な、お客様が何を必要としているのか、なにを求めているのか。

ということになります。

サービスを考えた時に、まずこの“Needs (ニーズ)”に焦点を当てて考えていきましょう。

よりよいサービスを考える時の“Needs (ニーズ)”には2つの意味があります。

  • すでに本人が理解して表現している欲求
  • まだ本人にも自覚できていない欲求

が、あるとされています。

たとえば、「忙しい外国人の社長が日本に来日された。しかも何度も日本に訪れている」とします。

彼は“折角日本に来たからには、少しは日本を楽しみたい”と、仰っていました。

これが、上記にある 1の顧客(社長)が理解して表現している“Needs (ニーズ)”。

そして秘書の方からの情報やズーム会議などでお会いした際に、社長はなんだか疲れているように見えました。

彼には、“毎日忙しく、日頃から疲れているからリラックスして楽しみたい”と漠然と感じていらっしゃる模様。

ここから考えれるのは、2の顧客(社長)が自覚できていない“Needs (ニーズ)”になります。

では、この2つの“Needs (ニーズ)”をもつ彼に、サービスを提供すると考えるのなら、どういった点を考えていけばいいのでしょう?

まず、理解して表現している“Needs (ニーズ)”»である、“日本を感じるような体験”を考えてみます。

おそらく彼は、何度も来日されているので、ありきたりな日本文化体験では満足されないでしょう。

そこでポイントして考えられることは、

• 特別感のある日本文化体験。

• 本物でありながら、おもいきり楽しめること。

があげられます。

さらにお客様に提供できる具体的名サービスを考えるヒントとして、2の自覚できていない“Needs (ニーズ)”である、“毎日忙しく、日頃から疲れているからリラックスして楽しみたい”。

があります。この部分を考えてみると、

• とても忙しい人である。

• 身分があるのでプライバシーは守られたい。

という彼の内在的な要求が見えてきます。

このポイントを解決できるサービスを考えてみます。

例えば、

• 仕事の後、宿泊先のホテルの一室を貸し切って、プライベート空間をご用意する。

仕事の後、宿泊先なので特別にお時間を作っていただく必要もなく、さらに移動するストレスや疲れも軽減できます。

そしてプライベートな空間でプライバシーも守られるので、一時でもリラックスした解放感を差し上げられます。

ですから、

お客様の“日本を楽しみたい”という自覚している要求について、この“プライベート空間とつかの間の時間”で思う存分に楽しんでいただける日本文化体験をご用意すること。

といったように、考えられますよね。

この例は実際お忙しい社長様を極上のおもてなしで接待させていただいたときに楽しんでいただいた事例です。

極上のサービスを考えるときは、このように“相手の目に見えるNeedsにだけ答える”のではなく、“隠れた“Needs ”を知る事“でより的確なサービスをお届けする事ができます。

的確なサービスをご用意するために大切な事前のリサーチ

VIPのお客様は一般のお客様に比べ、事前の情報が用意できることが多いので、かならずお客様の情報を事前に確認しておきましょう。

例えば、

• 年齢や性別

• 可能であれば宗教観(イスラム教やユダヤ教の方にとっては食事の制限などがおおいため)

• 趣味や嗜好、意識していること(ベジタリアンなど)

• お好きな食べ物、あるいは嫌いな食べ物、アレルギーの有無

• 日本に何回ぐらい来たことがあるのか、日本語の理解はあるのか。

• 家族構成

• 経歴、学歴、年商など

• お酒は嗜まれるのかどうか。

など、解る範囲でいいので事前にリサーチできれば、ご用意できるサービスの内容も的確になっていきます。

といっても情報だけに頼るのも考えものです。

特に長旅の中、お客様も普段とは求めているものが違うという場合もあります。

時差ぼけがひどいのに、予定に組み込まれている、ということで観光名所をつれ回してしまえばひどく疲労させてしまうでしょう。

普段は食が旺盛な方でも環境が違うので食欲がわかないこともたまにはあるでしょう。

相手は旅先である。

ということもふまえて接することが大切になります。

かならず目の前にいるお客様が今何を必要としているのか観察しましょう。

いつも臨機応変に察していく対応が必要になります。

“あなただから”の特別感

VIP のお客様のなかには、“自分は特別な存在なのだ”という感覚を大切にしている方もいらっしゃいます。

“大勢の中の一人ではなく、個としての特別な自分。”

そんな感覚をくすぐるようなサービスはVIPの方にとって大変居心地がいい接客になるでしょう。

個々で事例をお話ししますね。

ある中国の大富豪の奥様方が某有名宝石店の招待で日本にやってきました。

存分に贅沢におもてなしをしてほしい。

というご相談をいただきました。

とにかく贅を尽くした物や事がお好きな方々でしたし、普段の生活の中でもよほどの物ではない限りご満足していただけません。

そこで、着物を実際にきていただいての茶道体験をご用意させていただきました。

もちろんただの着物ではありません。

中国では日本の大河ドラマも大人気です。

その当時、“大奥”が放映されていて、中国でも大変人気がりました。

そこで、大奥風の贅を尽くした着物をご用意させていただいて、実際にお召しになっていただきました。

中国の方は写真撮影がお好きな方が多いということもあり、みなさまたのしく撮影会をされ大満足のご様子。

そして、一つ何百万円とする茶器をご覧になっていただき、茶道体験をしていただきました。

皆様本当に満足され、その後の商談にも花が咲いていました。

このように、特に特別な、あなただからこそできる。

という体験をご用意するのも特別感を演出する大切なキーワードになります。

着物体験の過去記事はこちらになります。

大奥に変身!着物体験で外国人富裕層をおもてなし

国際プロトコールについて

国賓などの公のVIP のお客様だけに対する事ではなく、外国人の重要なお客様のために、国際プロトコールを事前に調べておく事は大切です。

国際プロトコールとは、世界共通の大切な礼儀作法を知っている上でのサービスができることは、お互いにとって大変重要になります。

国際プロトコールはとても細かく、多くの決まりがあります。

しかしすべては無理だとしても、その中でも大切な5つのプロトコールだけでも身につけておくのは大切なことになります。

国際プロトコールとは、国家間の外交の礼儀。

文化や風習が違うもの同士が心地よくともに時間をすごせるための、文化や風趣を超えたマナーです。

プロトコールを身につけたもの同士の交流ということは,お互いに安心感がうまれます。

特に国賓やVIPのお客様にとって、国際プロトコールが前提にあるのは当たり前のこと。

そういった方々のプライベート時間のおもてなしを考える時も国際プロトコールは大切になります。

では、ここで国際プロトコール5原則を確認しておきましょう。

1 Local customs respected 異文化の尊重

相手の文化、風習、宗教、習慣を尊重すること。

相手の立場や文化の違いを尊重し、国の大小、人種にかかわらず全て平等に扱いましょう。

一人一人を尊重し、分け隔てのない対応を心がけましょう。

そして自国の文化や精神も正しく理解しておきましょう。

2 Rank conscious 序列重視

公式行事などでは序列があり、席次が定まっています。

出席者に対する敬意表現として、並び順、 入場順、挨拶など、全ての場面で序列が重視されます。

3 Right on the first 右上位

乗り物から席順、国旗の掲揚からエスコートの順番など、全てにおいて右側が上位になります。

4 Reciprocation 返礼 相互主義

からなず返礼をすること。

交流関係は必ず相互関係であること。

接待をうけたのなら、必ず接待の場を設けて同等のお返しをします。

5 Lady first レディー ファースト

宗教的な制限をのぞく全ての状況において、女性が優先される。

建物の出入り、乗り物の乗り降りなど。

とくに、1にあげたLocal customs respected 異文化の尊重はとても大切です。

どんな時にでも相手の文化や風習を尊重した対応を心がけましょう。

国際プロトコールについての詳しい記事はこちらになります。

プロトコール5原則とは? 知っておきたいルールとマナー

最高のおもてなしとは

おもてなしとは

おもてなしは、サービスとはまた違った、“相手への心遣い”になります。

おもてなしに重要なのは“まごころ”です。

つまり、表裏のない “心” でお客様をお迎えすることです。

おもてなしは、相手の想定をこえるような気遣いや心遣い。

サービスは、お客様自身から発される要求を充たしてゆく、と考えればいいのですが、

おもてなしは、さらにその先の“お客様が想定しないような気持ちへの接し方”になります。

お客様が想定するサービスのさらに上のせした、いわばサプライズのような心配りや優しさです。

想定外の気遣いに大切なのは、“相手が何をしたらよろこぶのか?”そして、“自分は相手にとって何ができるのか?”というような、相手を思慮する気持ちが必要になります。

こちらのリンクはおもてなしについての詳しい過去記事です。

外国人への日本のおもてなしについて徹底分析!!エピソードやサービス事例など50の事例

極上のおもてなしを考える

例えば、先ほどの忙しい外国人の社長様。

彼のNeedsに答えられるようなサービスをご提案いたしました。

さらに、ここにおもてなしの心で接遇する,と考えるにはどうしたらいいのでしょう?

では、社長の立場にまず注目してみましょう。

• お忙しい方で日中時間がとれない。

• 社長という立場。

プライベートがまもられるのは大切。

• 外国人であるということ。

• とにかく心置きなく楽しんでいただきたい。

• 良質で本物の日本文化体験

このような点を“察する”ことで、サービスをつつむ具体的な « おもてなし »が見えてくるのではないでしょうか?

たとえば、お客様に対して“察した”ことから、先ほどの宿泊先にご用意したプライベート空間で体験できる日本文化を選ぶ事ができます。

なので、今回の時間、状況、すべてにおいてふさわしい“ 芸者遊び”をご用意してみましょう。

芸子遊びが持つ日本文化体験のメリット10

 

  • 厳しい修行を積んだ芸者のみごとな日本舞踊
  • 日本伝統芸能である邦楽の音楽
  • 芸者のプロフェッショナルなおもてなし技術
  • 全体で醸し出される和の雰囲気
  • お酒の席での楽しい日本伝統遊戯が楽しめる
  • 日本舞踏を鑑賞する際に生まれる場の静けさと、芸子遊びでの軽やかな盛り上がりがあり、退屈させることがない時間が生まれる
  • 会食の際にもご用意できるのでお食事時だけしか時間が取れない外国人のお客様にも楽しんでいただける
  • 一流のお食事とお酒もご一緒に楽しんでいただけるので、時間を気にする事なく日本文化を体験
  • どこかに移動するわけではないので、帰りの時間も人の眼も気にする事がないつかの間の自由
  • さらに伝統芸能の翻訳に長けた通訳者をご用意することで、言葉の壁によるストレスも軽減され、思い切り楽しんでいただけるようにます

おいしいお料理とお酒に日本において極上の接待技術を習得している芸子さんと時間は、疲れているお客様への一時のやすらぎをお渡しすることができるのではないでしょうか?

このように、リラックスしたい、楽しみたい!というお客様に対して、さらにどのようにしたら相手をより充たす事ができるのかを、お客様より先に察してご用意してゆく。

そんなこころが極上のおもてなしにつながるのではないでしょうか?

関連おすすめ過去サイト

【芸者を英語で説明】 日本らしい接待の楽しみ方

茶道から学ぶおもてなしの心得

日本の伝統文化の代表 茶道から学ぶおもてなしの極意

日本の伝統文化の代表格である、茶道。

祖である千利休は、数々の客人のためのおもてなしの極意をのこしてきました。

茶道の茶会、茶事ではつねに亭主がどのような道具の組み合わせにするのか、この季節のこの頃、どんな花が咲くのか。

掛け軸のえらびからお菓子や料理の用意。

その空間すべてを心地よいものになることを全力で用意します。

その日招かれるお客様によって茶室内の雰囲気もまいかいかわるので、亭主はその状況を考慮して用意します。

茶道の心得の中を観ると、茶道の中には多様性を受け入れるという側面があります。

日本文化歴史の塊で、一見作法がたくさんあって狭い価値観の世界といったネガティブな印象がありますが、茶道は他者にたいしての柔軟名心がふかくあります。

千利休の時代、時の将軍豊臣秀吉との茶事もあったことでしょう。

その上で身分を問わず庶民誰でも茶会に参加できるような茶事もあったといわれています。

茶室に入る時はどんな身分の人でも小さな茶室の入り口から刀を置いてくぐりながら入室します。

それは茶室の空間は身分もなにもない。

といった、当時で考えるとあり得ないほどの柔軟な思想なのです。

外国人という日本文化で日常を送っていない人たちに茶道のような相手に合わせる。

万人の憂いを取り除く。

といった思想はグローバル化される日本にとって日本らしい対応になって行くのではないでしょうか?

一杯のお茶をいただく。

その行為のためにその場を演出する、それが茶道になります。

一時、客人を迎えてともに過ごす時間のなかに利休の言葉はしみわたります。

一期一会

もう一つ、極上のおもてなしを考えるために心の中にとどめておきたい一期一会。

おもてなしとは、もともと茶の湯の世界の “おもてもうらもなし” という考えから生まれました。

すべての来客や接客を一期一会と考え、つねに万全な準備と最高の空間を提供してゆく茶の湯のこころ。

茶道では、すべての出会いは“一期一会”

“出会ったお互いが過ごすその時間を一生の中の一瞬として心の底から大切にしてゆきましょう。”

“お互いが心地よい時間をすごし、その後も素晴らしい関係がつづいていきますように。”と、考えられています。

ここにも、極上のおもてなしを考える上で大切なことを学びます。

接客業やサービス業、あるいは外国人の方へのイベントを企画する、という職種につかれているかたは、日々頭を悩ませ尽力されています。

何件も、何十件も、何百件もお客様に対してサービスやおもてなしについて対応されていらっしゃるのでプロとしての段取りや方法がうまれているでしょう。

しかし、接客される、サービスをされる、おもてなしをうける方にとってはそれが初めてで一度きりの出来事でもあります。

特に、外国から日本にくる。

という方の場合、人によっては一生に一度日本という地に足を運んだ。

という方も多くいらっしゃいます。

あなたがそのお客様のご担当をされるのでしたら、それは国境をこえた一期一会。

奇跡の瞬間でもあります。

相手の方の一生に一度の体験をお手伝いさせていただく。

そんな心もちも極上のおもてなしを考える時大切になるかもしれません。

千利休の利休七則

茶道の祖、千利休が残したお客様をお迎えするときに大切にするべき、心得として利休七則があります。

ここには、おもてなしの極意と茶道を主催する亭主への鉄則があげられており、おもてなしのこころの源ともいわれています。

茶道では、茶事を主催する亭主が入念な準備をととのえ、客人を茶会に迎えます。

亭主は客人のことを思い、考え、抜かりのない用意をして,お迎えします。

その場と時間を心地よく過ごしていただくことが大切なのです。

そして招かれた客人はその場にふさわしいふるまいをして、感謝を表現し楽しみます。

茶会でのおもてなしの心得、その源にある千利休の利休七則をここでご紹介します。

一則 茶は服のよきように点て

お茶は相手の状況や気持ちを考えて点てましょう。

相手にとって飲みやすい量、適度な温度を。

服のよきようにというのは美味しいと感じるだけではなく、一生懸命に点てたお茶をお客様にその気持ちも味わっていただきましょう。

という意味で、主客一体の意味があります。

二則 炭は湯の沸くように置き

準備は的確に誠実に行いましょう。要となるポイントを抑えることが大切。

炭に火をつければお湯が必ず沸くということにかぎりません。

上手な炭の継ぎ方を形式だけ飲み込むのではなく、本質をよく見極めましょう。

三則 夏は涼しく冬暖かに

もてなしは相手が心地よく感じられるようにしましょう。

季節感を大切に、自然の中に自分を溶け込ませる工夫をしましょう。

四則 花は野にあるように活け

ものの表現は本質を知って簡潔にすること。自然にそこにあるようにする。

自然をそのまま再現するのではなく野に咲く花の美しさと自然から与えられた命の尊さを表現しましょう

五則 刻限は早めに

何事も心にゆとりをもって行いましょう。

ゆとりとは時間を尊重することです。

自分がゆったりした気持ちになるだけではなく相手の時間を大切にすることにもなります。

六則 降らずとも雨の用意

どんな時も落ち着いて行動できる心の準備と実際の用意をしておきましょう。

どんな時でも適切に場に応じられる自由で素直な心をもちましょう。

七則 相客に心せよ

居合わせる人すべてが心地よく過ごせるように気を配りましょう。何事をするにも相手のことを考えましょう。

茶道のおもてなしの心得ですが、大切な客人をおもてなしするための心得として通じる部分がたくさんありますよね。

おもてなしの祖である茶道での教え。

極上のおもてなしのための神髄がここにあります。

お客様への極上のおもてなしを考えた時、大切にしたい言葉です。

主客一体 茶道に学ぶ思いやりのまごころ

茶道の中には 主客一体 という思想があります。

一座建立(いちざこんりゅう)ともいいます。

茶席は亭主と客が一体になって作り上げるもの。

ということばで、亭主は客の気持ちになって「お忙しいのにわざわざおこしいただいて本当にありがとうございます。」と、精一杯おもてなしをします。

客人は「私のためにこんなにいろいろおきをつかっていただいてありがとうございます」と礼のこころをつくします。

この両者の心が一体となってゆく。それが主客一体の思想です。

亭主のおもてなしに、客人が即座に感知して味わい、礼の心を持って味わう。

そしてその茶事は滞りなくすすむ。

よって、茶道をたしなむかたは日々お稽古をされ、感受性を磨き、茶の湯をいただく作法をまなばれています。

これは、もてなす側だけではなく、もてなされる側にも思いやりをもっておかえししなさい。

という極意ですが、ここにも日本社会の中にある美徳がみえます。

もちろん茶道の心得は外国人のかたや、茶道の心得のない人にはなかなか一朝一夕でみにつくことではありません。

しかしだれでも、文化風習をこえたとしても極上のおもてなしを受ける場では自然とそれ相応の態度を取るようにつとめます。

それはガラパーティーなどへ出席する際に客人もガラパーティーにふさわしい服装をすることやふるまいをするという事と全く同じになります。

異文化、異国間の交流で外国人だから,きっと解らないだろう。

とはじめから決めつけずまごころを存分にこめたおもてなしをご用意していきましよう!

謙遜の美学と自己の卑下

時々,丁寧な接客をするということを、自分がへりくだりすぎるということとを混ぜてしまう考えがあります。

日本には謙遜の美学があり、相手を敬い己の能力を過信せず、謙虚な態度で人に接するという日本文化独自の習慣です。

そこには、謙遜の美があり、哲学があります。

しかし、なかなか外国の方からすると理解しにくい思想でもあります。

茶道の作法の中から、謙遜について考えてみましょう。

茶道の作法の中でも有名な、お茶碗を二回半まわすという作法には、この尊敬と謙遜の意味がこめられています。

茶道では、お抹茶茶碗の一番美しい正面をお客様の前におきます。

客人はその美しい面に口をつけるのではなく、二回半回転させてから口をつける場所を正面から動かしていただきます。

この動作は、あなたを尊敬していますよ。

という亭主の気持ちを、あなたからの尊敬され恐縮です。というお返事になります。

このようにお茶碗を使う作法の中に尊敬と謙遜を表現しています。

亭主は自分の最大を持って客人を受け入れます。

受け入れられた客人は傲り高ぶらず、その尊敬を受け取り、謙遜した形で礼を尽くします。

凛として接する態度は、受ける方としてもとても清々しい気持ちになります。

そしてその気持ちに対して敬意を払う態度として謙遜という美学があらわれます。

おもてなしを考える時、卑屈になって自分がしていることに自身が無さげな対応では、相手はなんだか不安になってしまいます。

相手に敬意をもって丁寧に接することと、服従することは違います。

度を超えたサービスや過剰な接待は相手を不安にさせてしまい、「日本人はあやまってばかりいる。」「日本人はなにを考えているのか解らない。」

といった風評が一人歩きしてしまいます。

日本の正しい謙遜の美を込めたおもてなしをご用意しましょう。

憂いを想定する

 

おもてなしの心得利休七則にもあるように、“降らずとも雨の用意”があります。

これは「憂いをあらかじめ想定しておきましょう。」という言葉になります。

先に困りそうな事を取り除いておく、あるいは困りそうな状況になったときに対応できるよう準備をしておくことが大切です。

そして、どんな時も自由に落ち着いて行動できる心の準備と実際の用意をいつもすること。

例えば日本の感動されるおもてなしサービスでよく外国人が挙げられる、

「デパートで買い物をしたら、買ったものがぬれないようにビニールで紙袋をつつんでくれた。」という心配りも、

まさに“降らずとも雨の用意”に当たるのではないでしょうか?

急病人がホテルででた時に、とっさに対応していただけることの心強さや、翌日療養食を用意してくださったときの感動。

レストランで子連れのお客様がゆっくりお食事をしていただけるように、角の迷惑になりにくい席に案内される、とか、小さな塗り絵セットやお子様がたべ

やすいメニューを用意する。

といったことも、小さな子供のいる人たちにとっては大変ありがたいサービスですょね。

このように極上のおもてなしを考えるときには、やはり日本の日常で体験する、日本のおもてなし。

まごころをこめたサービスの中にもたくさんヒントが隠されています。

まとめ

極上のサービスと最高のおもてなし。

一体どんな事をすればいいのか?と漠然と悩むより先に、お客様についてどんな気持ちで接すればいいのか考える事が重要です。

相手が外国人で習慣や文化がちがっても、まごころを持った対応は誰でも気持ちがいい物です。

まごころを込めて相手の事を考える。

その心を大切にして、相手にとって最善を考え提供してゆく。

自分が提供するサービスやおもてなしで、お客様がとても喜んでくれる事はなんだかうれしいことですよね。

日本人として誇りを持って外国人のお客様をお迎えして行きましょう!

(参考:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200818/k10012572431000.html