【海外からも注目!】四季折々の日本の祭りの特徴と歴史 ー 英文事例あり

Mayumi Folio
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日本各地で開催されるお祭り。

自然崇拝、祖霊信仰、神道に仏教そして地域活性のためのお祭りまで、日本のお祭りは全国でその数、数十万あるといわれています。

その中でも農耕民族である日本人にとって季節にそった大切な祭事。

現在もなお、厳かに引き継がれています。

日本のお祭りを体験する魅力とは、普段見られない日本の歴史に直接ふれることではないでしょうか?

今回はそんな古今東西、四季折々の日本のお祭りと、

外国人をお祭りにご案内するときにつかえる便利な英文フレーズをご紹介いたします。

日本のお祭り

日本のお祭り

日本人は古来より自然を敬い,恐れ、その中に神々の姿をみつめました。

日本には八百万の神があるとされる国です。

自然とともに暮らし農耕民族として暮らしてきた我が国のご先祖様。

どんな時にでも万物に魂の存在をみいだし、八百万の神々に祈りを捧げてきました。

春は太陽への喜びと豊作を願う種まき、夏は厄よけ、秋は実りに感謝して、冬は静まった大地が息吹くよう祈りを捧げる。

それが儀式となり、祭りとなって日本人の暮らしの中でなくてはならないものとなりました。

いく世代を超えて有形、無形を問わず神々との対話をする形として現在まで受け継がれています。

江戸時代にはいることには、神事や祈祷という側面よりも人々の娯楽として祭りがたのしまれるようになりました。

獅子舞や花火、暴れ神輿など派手名盛り上がりをみせる祭りに人気があつまります。

神仏分離令が明治時代に出され、一度さまざまな祭りは禁止されてしまいます。

しかし終戦後に日本文化や日本の祭典をよみがえらせようとする働きが全国で盛んになり、江戸時代のように日本全土で特徴的な祭りが催されるようになりました。

日本のお祭りと一口にいっても多種多様にあり、その魅力はご当地に訪れた人だけが味わえます。

日本のお祭りの起源

日本のお祭りの起源は、有名な天の岩戸の伝説と言われています。

天の岩戸の伝説とは、

日本をお造りになられた神さまイザナギノミコト。

その左目から生まれた長女であられるのは太陽神アマテラスオオミカミです。

太陽神アマテラスオオミカミには、右目から産まれた妹ツキヨミノミコトと鼻から産まれたスサノオノミコトという弟がいました。

弟のスサノオノミコトは、高天原に住む姉を尋ねて天の国に上りました。

神々の住まわれる高天原についたスサノオノミコトは、せっかく実った稲穂や豆の畑を馬でめちゃくちゃにし、馬をなげ屋根に大穴をあけ、神殿を汚しに汚し、その暴れぶりは誰も止めることができませんでした。

それをみた姉のアマテラスオオミカミは、嘆き悲しみ、天の岩戸といわれる大きな岩穴に閉じこもられてしまったのです。

アマテラスオオミカミは太陽の女神。

彼女の姿が隠れてしまえば世界は暗黒につつまれてしまいます。

あらゆるところから怪しい恐ろしい物があつまり、善良なものたちも悪い心に惹かれて行きました。

それをみた神々が、アマテラスオオミカミを岩戸から出すために天安河原にあつまりご相談をなさいました。

ではまず始めに今の鶏である長鳴き鶏を、なかせてみました。

長鳴き鶏の声には太陽の神様を呼ぶ力があると考えられていたからです。

しかし、扉は開きません。

そこで神々は大きな火をおこし、神様たちがあつまってお酒にごちそう、音楽にアメノウズメノミコトが舞を舞います。

みんなで大騒ぎをしました。

あまりに楽しそうな様子に我慢できなくなったアマテラスオオミカミは、そっと岩戸のスキマから外の様子をうかがいます。

そして、力持ちの神様オモイカネノカミが岩戸を開き、アマテラスオオミカミは外にでることになりました。

スサノオノミコトはその後、反省され、出雲にでかけヤマタノオロチを退治したと言われています。

この、天の岩戸の伝説が現在の祭りの起源とされています。

天岩戸神社:

日本のお祭りと季節

日本のお祭りは、四季がとても重要になっています。

農耕民族の日本人は季節の節目節目をとても重要にしていて、春夏秋冬それぞれのお祭りには意味があります。

ここでは四季折々で行われる日本全国のお祭りをご紹介します。

春のお祭り

春は始まりの季節。

種をまき、稲を植え、ここから一年間かけて育つ命の芽吹きの季節。

小さな種が無事秋に豊饒の実りを与えてくれるよう、五穀豊穣の祈りを込めて植えます。

この祈りの形が祭りとなって、田植え祭りが全国にその姿をみることができます。

千葉県の香取神宮で行われる「香取神宮お田植え祭」では、日本古来より行われている日本の田植えの風景をみることができます。

鎌、鍬、鋤や牛で田植え前の田を耕す風景の再現である耕田式と、早乙女手代が田植え歌を歌いながら苗を植える姿が見られます。

満開の桜の中、日本の原風景を見ることができるので、伝統的な日本の春を体験することができます。

香取神宮の御田植祭:

そして現在主流の春のお祭りといえば、桜の花の会時期に全国的にかいさいされる桜祭り。

桜の花を愛でながら、さまざまな催し物が開催され屋台やこの時期だけの軽食を楽しむことができます。

青森県の「弘前さくらまつり」では、毎年200万人の来場者がある日本最大の桜祭りの一つとされています。

弘前さくらまつり:

夏のお祭り

日本の夏はとても蒸し暑く、昔から疫病がはやり、日照りや台風によって人々にさまざまな災いが多く降り掛かる時期でもあります。

この季節のお祭りは疫病退散や神々の怒りによる自然災害を鎮めるためのお祭りが全国各地にあります。

疫病退散のための代表的なお祭りとして、京都の祇園祭と大阪の天神祭りがあります。

自然災害の台風や洪水、そして病害虫の被害。

代表的な虫送りのお祭りとして青森のねぶた祭があげられます。

津軽地方にある、精霊送りと七夕祭りと人形、そして虫送りの行事が一体化したのがねぶた祭といわれています。

ねぶた祭:

そして日本人の祖例信仰と仏教の思想がまざり、八月はお盆のための盆踊りや花火大会が開催されます。

京都の「五山送り火」は夏の終わりの風物詩。

五山送り火のおまつりはお盆の精霊を送る伝統行事で、京都を囲む山々に炎で文字が書かれます。

東山に「大」、松ヶ崎に「妙」、西加茂に船の形、大北山に左大文字、そして最後に嵯峨に鳥居の形がともります。

五山送り火:

秋のお祭り

秋のお祭りは豊饒を祝うお祭りが多く開催されます。

特に重要なのは新嘗祭で、今年も無事に大地の実りを収穫できた喜びとお礼を神々にささげます。

11月23日の勤労感謝の日はこの新嘗祭を行う日が、農作業以外のすべての勤労をする人に対しての祝日になりました。

この新嘗祭のもっとも厳格な祭りは伊勢神宮で行われる「神嘗祭」です。

佐賀県の「唐津くんち」は、ユネスコ無形文化財にもしていされている曳山祭りの一つ。

くんち は九州北部で秋祭りの意味があります。

エンヤ!エンヤ!というかけ声とともに大迫力の美しい曳山が旧城下町を巡ります。

唐津くんち:

そして秋には激しいお祭りも全国で開催されています。

代表的なのは姫路市松原八幡神社の秋祭り「灘のけんか祭り」

神輿を激しくぶつかり合いをするお祭りで、3基の神輿がこわれるのもおかまいなしにぶつけ合われます。

そして7基の絢爛豪華な屋台の練り合わせがあり、最終日には3基の神輿7基の屋台が登場してそれぞれぶつかりあいます。

灘のけんか祭り:

冬のお祭り

農閑期の冬は厳しい寒さに耐え魂や心を充実させる季節でもあります。

汚れを払い、一年の煩悩を落とす行事が行われるようになりました。

このみそぎが祭りの形になって、現在につたわります。

代表的なのは、岡山県で行われる「はだか祭り」です。

国の重要無形民俗文化財に指定されている西大寺会陽 はだか祭り。

毎年10000人のまわしをしめた厄年の裸の男たちが、本堂の御福窓投下される 二本の宝木をめぐって争奪戦をくりひろげます。

この宝木をみごと手にした人は福男となり、福が得られるといわれています。

西大寺会陽 はだか祭り:

北海道のさっぽろ雪祭りは神事ではなく、地域のお祭りですが、いまでは伝統的なおまつりとして冬の年中行事として定着しています。

大きな物は4,5階建てのビルとおなじたかさになる大雪像は目玉になり訪れる人を圧巻します。

札幌雪祭り;

お祭りについて説明するときに使える英文フレーズ

では日本のお祭りについて外国人のお客様をご案内する際、知っておくと便利なフレーズをご紹介します。

• 日本三大祭りとは京都の祇園祭、大阪の天神祭、東京の神田祭りです。

The three major festivals in Japan are Kyoto’s Gion Festival, Osaka’s Tenjin Festival, and Tokyo’s Kanda Festival.

• 祇園祭は7月の間1ヶ月の間多彩な祭事が行われるお祭りです。

そのなかでも17日と24日の山鉾巡行、そしてそれぞれの宵山には大勢の人々が訪れ、京のまちは祭りの熱気に包まれます。

The Gion Festival is a month-long festival that takes place in July. Among them, the Yamahoko parade on the 17th and 24th, and the Yoiyama parade on each day attract many people, and the city of Kyoto is filled with the excitement of the festival.

• 大阪の天神祭のみどころは100艘の船が川を進み、水面を彩るかがり火の美しさです。

日が暮れることに大阪の街はとても幻想的な雰囲気が漂い、クライマックスには花火が打ち上がります。

The highlight of Osaka’s Tenjin Festival is the beauty of the bonfires that color the surface of the river as 100 boats sail by. As the sun goes down, the city of Osaka has a fantastic atmosphere, and the climax of the festival is the fireworks.

• 日本三大祭りの一つ神田祭りは平安時代の衣装を身にまとった500人あまりの行列が秋葉原や丸の内のオフィス街を通ります。

現在の東京の姿の中にあらわれる平安装束の人々は非日常的な魅力にあふれています。

The Kanda Festival, one of the three major festivals in Japan, is a procession of about 500 people dressed in Heian period costumes through the office districts of Akihabara and Marunouchi. The people dressed in Heian period costumes are an extraordinary sight in today’s Tokyo.

• 「祭」の語源は「祀る」という動詞で、神々にお供え物をするという意味がありました。

The word “matsuri” comes from the verb “to enshrine,” which means to make an offering to the gods.

• 古代日本では、五穀豊穣や厄よけ祈願などの祈りを込めて人々の暮らしに寄り添っていました。

In ancient Japan, it was a part of people’s daily lives with prayers for a good harvest and protection from bad luck.

• 農耕民族である日本人は四季をとても重視していて、日本各地で特色のあるお祭りが四季折々に開催されています。

As an agrarian people, the Japanese place great importance on the four seasons, and festivals with special characteristics are held throughout Japan in each of the four seasons.

• 神輿とは普段神社にいる神霊が一時的に鎮まるとされている輿です。

A mikoshi is a palanquin in which the spirits of the gods that normally reside in the shrine are supposed to temporarily reside.

• 日本のお祭りには出店とよばれる小さな店がたくさん出ます。

簡単なたべものから楽しいゲームなどがあり、もう一つの日本の祭りの楽しみかたです。

At Japanese festivals, there are many small stores called stalls. These stalls offer everything from simple food to fun games, and are another way to enjoy Japanese festivals.

まとめ

古来より日本では、自然の中に宿る神々に祈りを捧げ日々の暮らしを大切にしてきました。

日本のお祭りは多種多様で、日本独自の伝統文化が現在もそのまま体験できるとして訪日外国人からも注目をあつめています。

お祭りは民族につたわる魂の記憶。

美しい日本の伝統が現代によみがえります。

その非日常性の持つ神々しさは実際に肌で体験しないことには味わえません。

訪日外国人の方にもぜひ体験していただきたい特別な日本伝統文化です。