日本と海外の温泉文化の違いとは?外国人が驚く日本の魅力を解説

世界にはいろいろな温泉がありますが、 その楽しみ方や雰囲気は国によって驚くほど違います。だからこそ、外国人ゲストが日本の温泉に魅力を感じる瞬間はとても特別です。

筆者はこれまでにタイやフィリピン、ニュージーランドの温泉に入り、その違いを肌で感じてきました。

この記事では、海外と日本の温泉文化の違いをやさしく紹介しながら、 日本の温泉を、もっと楽しく深く知るきっかけになりますよう、外国人が戸惑うポイントや、おもてなしに役立つ視点をお伝えします。

目次

海外の温泉と日本の温泉、その違いとは!?

温泉マーク

世界には多くの温泉がありますが、「温泉はどこも同じ」というわけではありません。実は、温泉がどのように使われ、どんな時間を過ごす場所なのかは、国によって大きく異なります

この「目的と過ごし方の違い」を知ると、なぜ日本の温泉が多くの外国人を魅了するのか、そのヒントが見えてきます。

海外の温泉はレジャー中心

海外の温泉は、日本のように静かに浸かる場所というより、水着で楽しむレジャー施設に近い感覚で親しまれています。家族や友人と一緒に入る混浴スタイルが一般的で、プール感覚で遊んだり、おしゃべりを楽しんだりと、にぎやかな雰囲気が特徴です。

お湯の温度も日本ほど高くなく、長時間でも入りやすいぬるめの温度設定が多い傾向にあります。そのため、温泉は癒しの時間というより社交・余暇・リフレッシュを兼ねたアクティビティとして楽しまれています。

国によって泉質やスタイルはさまざまですが、水着で気軽に楽しむレジャーの一部という点は、多くの海外の温泉で共通しています。

日本の温泉は癒しと文化の場

日本の温泉の1番の特徴は、「裸で入ることが当たり前」という点です。男女別の浴場が主流で、静かに湯を楽しむ文化が根づいています。

お湯の成分や手触り、香りを味わう泉質へのこだわりも日本ならでは。季節の移ろいや山・海の景色を眺めながら温泉に浸かる風情を楽しむ時間は、海外ではあまり見られない特別な体験です。

さらに、日本には入浴前のかけ湯や、湯船で静かに過ごす、湯船にタオルは入れないといった温泉マナーがあり、みんなが気持ちよく入浴できるようにという思いやりが大切にされています。

海外の温泉がレジャー感や社交の場として使われることが多いのに対し、日本では温泉は心と体を静かに整える場所として親しまれています。

海外の温泉を訪れて感じた、日本との違い

実際にタイやフィリピン、ニュージーランドで温泉に入ってみると、温泉がどんな場所として親しまれているか、日本とは違うことに気づきました。それぞれの国に、それぞれの楽しみ方があり、温泉は旅先の文化を感じる手がかりにもなります。

ここからは、実際に訪れた温泉での体験を、国ごとのエピソードとともに紹介します。

タイ|サンカムペーン温泉体験

タイ北部のサンカムペーン温泉の温泉卵のモニュメント

タイ北部チェンマイ郊外のサンカムペーン温泉では、貸切の個室で入浴しました。
空の浴槽に、熱い温泉と水の蛇口から自分でお湯を張って温度を調整するスタイルで、日本の温泉とはひと味違う体験です。

お湯は透明でほのかに硫黄の香りがあり、旅の疲れがすっと抜けていくような心地よさ。
外には足湯や水着で入る温水プールもあり、のんびり楽しめる温泉地でした。

この温泉の面白かったところは、日本の温泉と同じで温泉卵が作れるところです。温泉卵にちなんだオブジェもありました。

フィリピン|アシン温泉体験

フィリピン北部のアシン温泉の貸切露天風呂

フィリピンの北部バギオから40分ほどのところにあるアシン温泉では、屋外の貸切風呂に水着で入りました。
バスタブの底から温泉が湧き出る仕組みで、透明で少しとろみのある硫黄のような香りが漂うお湯はとても気持ちよく、周りの山々を見ながらゆったり入る温泉は旅の中の休息のひとときとなりました。

温度調整は管理のおじさんが行ってくれ、地元らしい温かさも印象的。
敷地内には温泉プールやBBQエリアもあり、家族や友人とにぎやかに過ごせるレジャー施設のような雰囲気でした。

管理人のおじさんが、写真を撮ってくれたり、温度を気にかけてくれたり、とってもフレンドリーでした!

ニュージーランド|ロトルアの温泉河原体験

ニュージーランド・ロトルアにある源泉が流れる川

ニュージーランドではいくつか温泉に入りましたが、印象的だったのがロトルア近郊にある無料の温泉が流れる川です。川の一部がそのまま温泉になっていて、場所によって温度が違うのが特徴的でした。自分に合う温度と深さの場所を探しながら入るといったちょっと「冒険」のような楽しさがあります。

地元の人らしき家族も多く、川遊びと温泉が一緒になったような、にぎやかで完全にレジャーの雰囲気。周りは緑に囲まれていて、自然の中で楽しむニュージーランドらしい温泉体験でした。

温かい川にそのまま水着で入るというスタイルがとても新鮮で、自然の温泉ならではの特別な体験になりました。めったに出会えない時間で、今でも印象に残っています。

世界の有名温泉からみる海外の温泉文化

海外の温泉は、国が変わると楽しみ方も雰囲気もまったく異なります。自然の力をそのまま味わう場所、家族でにぎやかに過ごす場所、旅人が集まる社交の場など、温泉はその国の文化や暮らしを映し出す存在でもあります。

ここでは、世界の代表的な温泉地を例に、日本とはひと味違う「海外ならではの温泉文化」を見ていきます。

アイスランド|大自然と社交の温泉文化

アイスランドのブルーラグーン温泉

アイスランドの温泉といえば、世界的に有名なブルーラグーン。乳白色の地熱温泉が広がる光景はまるで別世界で、温泉というより「自然のスパリゾート」といった雰囲気です。

水着で入るのが一般的で、広い温泉の中を歩き回りながら、友人同士で会話を楽しむ人や、ドリンク片手にくつろぐ人の姿も見られます。温泉が社交の場になっているのは、日本との大きな違いです。

とろみのあるシリカ成分のお湯は肌触りがよく、顔に塗るシリカ泥パックも人気の一つで、大自然とリゾート感が一体になった海外らしい温泉文化を象徴する場所です。

台湾|家族で楽しむ温泉スタイル

台湾の北投温泉の地熱谷

台湾には温泉地が多く、とくに台北近くの北投温泉は観光客にも人気のスポットです。日本統治時代に温泉文化が広まり、今もその名残として日本式の浴場もありますが、現地ではよりカジュアルに楽しむスタイルが主流です。

施設には大浴場だけでなく、水着を着て入る温泉プールが充実しており、家族や友人と一緒ににぎやかに過ごす姿がよく見られます。温泉というより「休日のレジャー」として親しまれているのが特徴です。

一方で、乳白色のお湯や硫黄の香りなど温泉らしい風情もあり、日本に近い文化と台湾らしい明るさが混ざり合った、独特の温泉体験が楽しめます。

ペルー|地熱と先住民文化の温泉

ペルー、ウルバンバの風景

ペルーにはアンデス山脈の地熱を活かした温泉が多く、代表的なアグアスカリエンテスやウルバンバ周辺(マチュピチュ村)の温泉地では、自然の力をそのまま感じられる素朴な温泉が今も親しまれています。

浴場は水着で入る屋外プールのような場所が多く、温度もぬるめでのんびり長く過ごすスタイル。地元の人々が夕方に集まり、家族や友人と会話を楽しむ姿が見られるなど、温泉がコミュニティの場として機能しているのが特徴です。

周囲には雄大な山々が広がり、先住民文化の気配が残る独特の空気の中で入浴する体験は、日本の温泉とはまた違った、南米ならではの魅力があります。

日本人にとっての日常の癒しとしての温泉

温泉と桶と手ぬぐい

日本では温泉は、日常の中で自然に選ばれる癒しの時間として親しまれてきました。特別な行事だけでなく、「疲れたからちょっと行こう」と思えるほど身近な存在です。

子ども時代から親しむ温泉習慣

週末に家族で訪れたり、旅行の定番コースだったりと、子どもの頃から温泉は生活の一部という人もたくさんいます。大浴場の開放感や湯上がりの心地よさが、温泉=癒しという感覚を自然に育てています。

大人になっても通うリフレッシュ空間

仕事や家事の合間に「少し休みたい」と思った時に出かけられるのも、日本の温泉文化の魅力。近場の温泉へふらっと行く習慣や、年に一度の温泉旅行など、温泉は幅広い世代の日常に寄り添っています

日本独自の魅力「温泉街」という楽しみ方

旅館や土産物屋が並ぶ温泉街ー銀山温泉

海外にも温泉はありますが、温泉街という文化は日本ならではの楽しみ方です。温泉に浸かるだけでなく、湯上がりにゆっくり歩いてみたり、地元ならではの料理や甘味を味わったり、気軽に入れる足湯に立ち寄ったりと、町全体が温泉文化を感じる舞台になります。

通りにはお土産店や食べ歩きができる店、昔ながらの温泉情緒を感じる建物が並び、夕方には旅館の灯りがともり始めます。この雰囲気は、多くの外国人にとってまるで旅情あふれる日本体験のひとつです。最近は多言語の店舗検索サービスを備える温泉街も増え、初めて訪れるゲストでも安心して散策できます。

温泉に浸かる心地よさに加えて、歩いて楽しい、食べて楽しい、眺めて楽しいという豊かな時間が広がるのは、日本の温泉旅行ならではの魅力です。

外国人ゲストを温泉に案内する際のポイント

温泉の入り口の定番、のれん

日本の温泉をより楽しんでもらうためには、事前に安心材料を伝えておくことと、ゲストに合った温泉を選ぶことがとても大切です。ほんの少し不安が減るだけで、温泉はぐっと入りやすくなり、滞在の満足度も大きく変わってきます。

ここでは、おもてなしの際に意識したいポイントをまとめました。

事前に伝えたい日本の温泉マナー

外国人が特に戸惑いやすいのが、日本独自の入浴マナー。
安心して温泉を楽しんでもらうために、次の5点は事前に説明しておくことがおすすめです。

日本式入浴マナー
  1. 温泉は裸で入る(男女別が基本)
    水着文化の国も多いため、先に伝えておくと 心の準備がしやすくなります。
  2. 体を洗ってから湯船に入る
    日本では衛生面の理由から定着している習慣で、理由を添えると納得してもらえることが多いです。
  3. 湯船では静かに過ごす
    温泉は癒しの場所であることを伝えておくと、その場の雰囲気をより心地よく感じてもらえます。
  4. 髪の長い人はまとめる
    髪が湯に触れないように束ねるのが一般的。みんなが快適に入れるよう配慮する文化です。
  5. タオルを湯船に入れない
    タオルは湯船の外で持っておくのが基本ルール。衛生面の理由から、湯の中には入れない習慣があります。

接待で失敗しない温泉選び

おもてなしや接待で温泉を案内する場合は、ゲストが安心して過ごせる環境を整えることが鍵になります。

温泉選びのポイント
  • 貸切風呂や家族風呂のある温泉
    裸に抵抗のあるゲストでも利用しやすく、プライベート空間で安心して温泉を体験できます。
  • バリアフリーや英語案内が整っている温泉
    館内の動線がわかりやすいため、初めての温泉でも安心して過ごせる点が魅力です。
  • 過度に熱すぎない温泉
    海外ではぬるめのお湯に慣れている人が多く、適温の湯を選ぶことで心地よさが一段と高まるでしょう。
  • タトゥーのあるゲストは対応施設を選ぶ
    タトゥー歓迎の温泉や貸切風呂を選ぶことで、周囲に気兼ねなく温泉体験を楽しめます。また、タトゥーシール(一時的にタトゥーを隠すシール)を利用するのも一つの選択肢です。さらに、最近は専用の湯着(ゆぎ)を用意している温泉も増えており、水着とは違う薄手の入浴衣で、タトゥーや手術跡を気にせず安心して入浴できる環境が整い始めています。

日本の温泉文化を深く味わうモテナス日本の特別体験プラン

日本の温泉は、入るだけでも心身を癒してくれる魅力があります。
しかし、せっかく外国人ゲストをご案内するなら、温泉の魅力をより深く体感できる特別な時間をつくることもできます。

モテナス日本では、泉質の違いを学ぶ温泉ツアーから、地域の食や文化と組み合わせた上質なカスタムプランまで、お客様の目的に合わせた温泉体験をご提案しています。

温泉ソムリエと巡る泉質別温泉旅

別府温泉・地獄めぐり、血の池地獄

温泉ソムリエと一緒に温泉地を巡るプランは、お湯の成分や効能をより深く理解しながら入浴できる、贅沢で学びのある体験です。

同じ温泉でも、硫黄泉・炭酸泉・塩化物泉など泉質によって、感じ方や体への働き、入り方のコツが大きく変わります。プロの解説を聞きながら湯に浸かる時間は、まるで温泉の世界を旅しているような豊かさがあります。

温泉の知識が深まることで、入浴の楽しみはぐっと広がり、ゲスト一人ひとりに寄り添った特別な温泉巡りをお楽しみいただけます。

湯上がりに楽しむ利き酒体験

日本酒の利酒体験

温泉でゆっくりと体が温まったあとは、その土地ならではの地酒を味わう「湯上がり利き酒」がおすすめです。

温泉と酒蔵が近くにある地域も多く、湯上がりの穏やかな時間に日本酒を楽しむ体験は、旅先だからこそ味わえる特別なひとときです。温泉で体が温まり、味覚が繊細になった状態で飲む日本酒は、香りや旨みがより豊かに感じられます。酒蔵での利き酒やペアリングの解説を聞きながら味わう時間は、まるで地酒の世界を旅しているような奥深さがあります。

温泉と日本酒という、ふたつの土地の恵みを一度に楽しめる、上質で心地よい文化体験です。

自然の中で出会う秘湯トレッキング

白馬鑓温泉の温泉と夕日を眺める人

山道を歩き、自然の奥に湧く温泉を目指す秘湯トレッキングは、日本ならではの特別な体験です。北海道の森の野湯や東北の渓谷の源泉、上高地周辺の自然道を歩いて白骨温泉に向かうルートなど、地域ごとに異なる魅力があります。

川の音や風の匂いに包まれながら入る温泉は、人工的な施設では味わえない静けさと開放感があり、歩いてきた時間そのものが温泉の心地よさを引き立ててくれます

プロガイドが同行することで、安全に自然を楽しみながら温泉へ向かうことができ、旅そのものが温泉文化を味わう体験になります。

世界と比べてこそ分かる「日本の温泉のおもてなし」

海を眺めながら温泉でリラックス

世界の温泉を見ていくと、どの国にもその土地らしい魅力があります。自然の中で気ままに楽しむ温泉、家族でにぎやかに過ごす温泉、旅人同士が交流する温泉など、文化や気候によって形はさまざまです。その中で、日本の温泉が特に印象深いのは、お湯そのものだけでなく、過ごし方や心配りまで含めて体験として整っていることです。

静かに湯に浸かる時間、清潔を大切にする入浴マナー、過ごす人が互いに気持ちよくいられるようにという思いやり。こうした細やかな配慮こそ、日本の温泉文化を支えてきたおもてなしの心です。

世界と比べることで、日本の温泉が「癒しの場所」でありながら「心を整える文化」でもあることが、より鮮明に見えてきます。訪れる人をそっと受け入れ、静かな時間へと導いてくれるそれが、日本の温泉の大きな魅力です。

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