
海外から大切なお客様を迎える際、「日本らしさが伝わる体験を用意したいが、どんなプログラムが最適かわからない」
「形式的な観光ではなく、記憶に残る時間を届けたい」そんなお悩みを抱えるご担当者様も多いのではないでしょうか。
今回は、海外から来日されたゲストの皆様をお迎えし、日本の伝統工芸に触れるお箸作り体験を実施した事例をご紹介します。この体験は、単なるものづくりではなく、東京三味線をはじめとする日本の伝統工芸に息づく精神性「技を受け継ぎ、素材を無駄にせず、静かに手を動かす姿勢」に触れていただくことを目的としたプログラムです。
限られた滞在時間の中でも、日本文化の奥行きや価値観を自然に感じていただけるよう、体験の設計や進行には細やかな工夫を重ねました。このレポートでは、当日の流れやお客様の反応とともに、印象に残る体験となった理由をご紹介します。
お客様のご要望とその背景
今回のお客様からのご要望は、海外から来日されるお客様をお迎えするにあたり、「日本らしさが伝わり、かつ印象に残る体験を用意したい」というものでした。
限られた滞在時間の中で、観光や視察だけでは伝えきれない日本文化の奥行きや価値観を、体験を通して感じてもらいたい。
さらに、国籍や文化背景が異なる方々にも、言葉に頼りすぎず自然に没入できるプログラムが求められていました。
そこでご提案したのが、伝統工芸の技法を生かしたお箸作り体験です。日本の暮らしに欠かせない道具でありながら、素材や作り手の精神性が色濃く反映される箸は、日本文化を体感する入り口として最適な存在です。
当日のスケジュール
- 13:00|オープニング
講師紹介、参加者自己紹介、アイスブレイク - 13:15|レクチャー
伝統工芸の背景や素材にまつわるストーリーの解説 - 13:30|制作体験(やすりがけ)
最終工程からスタートし、職人による個別指導 - 14:15|艶出し・仕上げ
磨き・検品・仕上げ作業 - 15:00|クロージング
完成品の活用についてトーク、記念撮影
短時間ながらも、集中と静けさを大切にした流れで構成しました。
体験詳細

今回の箸作り体験は、東京三味線をはじめとする日本の伝統工芸に共通する考え方をベースに構成されています。それは、技術を受け継ぐことだけでなく、素材を無駄にせず、最後まで使い切る姿勢、そして静かに手を動かし続ける時間そのものを大切にするという精神です。
使用した木材「パープルハート」は、三味線の制作過程で生まれる端材。本来であれば役目を終え、廃棄されてしまう素材に、形を変えて新たな命を吹き込みます。仕上げに使用する砥石の粉や椿油も、すべて自然由来のもの。自然と共に生き、無駄なく循環させるという、日本文化ならではの価値観を体験を通してお伝えしました。
作業が始まると、会場には徐々に静けさが広がります。最初は「単純な作業ではないか」と感じていた方も、次第に無言で手を動かし、自分自身と向き合う濃密な時間となりました。
制作の途中では、日本独自の職人文化である「師弟関係」を感じていただけるよう、進捗を確認してもらう際に「お願いします」「ありがとうございました」と日本語で声をかけることを提案しました。短い言葉ながらも、そこに込められた敬意が、職人と参加者の間に温かな関係性を生み出していきました。
参加者の反応と成果


仕上げの工程で椿油を塗ると、箸の色味が一気に深まりました。職人から「合格」を告げられた瞬間、参加者の表情には自然と笑顔が広がります。
「素晴らしいお土産になった」そんな声とともに、「この箸でスパゲッティを食べたい」と話す方もおり、日本文化を特別な体験としてではなく、自分の日常へ持ち帰れるものとして受け取っていただけたことが印象的でした。
今回の体験で得られたのは、完成品だけではありません。職人の人柄や仕事への向き合い方を通じて、気・根気・やる気といった、日本人が大切にしてきた精神性に触れることで、表面的な日本体験を超えた深い文化理解につながりました。この時間があったからこそ、日本文化を「知る」のではなく、「感じる」体験として持ち帰っていただけたように感じています。
モテナス日本だからできること
モテナス日本が大切にしているのは、体験内容そのものだけでなく、その場に流れる時間や空気を含めて設計することです。
体験に向け、事前に職人へのインタビューを行い、長い年月をかけて技術を受け継いできた背景や、仕事に向き合う姿勢について丁寧に理解を深めました。そこには、江戸時代から続く技術への誇りと、言葉数は少なくとも確かな温かさを持つ、日本の職人らしい人柄がありました。
当日は、その人柄や想いが自然と参加者に伝わるよう、必要以上に説明を加えるのではなく、空気や間を大切にしながら橋渡しを行いました。その結果、参加者の皆様には、日本文化に「もう一歩踏み込む」感覚を持っていただけたのではないかと感じています。
事前のヒアリングから当日の進行まで、同じ担当者が一貫してサポート。テンプレート通りに進めるのではなく、その瞬間の反応や集中度を見ながら、柔軟に対応できる体制もモテナス日本ならではの強みです。
ゼロから創る、他にはない日本文化体験
モテナス日本のチームビルディングは、あらかじめ決められた型にはめるものではありません。一社ごとの背景や想いに寄り添い、ゼロベースで体験を設計することを大切にしています。
「外国人の上司をもてなしたいが、何をすればよいかわからない」そんな漠然としたご相談からでも構いません。訪日の目的、ゲストの国籍や関係性、限られた時間の中で何を届けたいのか。丁寧なヒアリングを重ねながら、数多くの選択肢の中から最適な体験を組み立てていきます。
日本文化の本質に触れることで、言葉や肩書きを超えた理解が生まれ、チームの距離は静かに縮まっていきます。それは、表面的な体験では得られない、深い信頼関係の土台となるものです。モテナス日本は、日本文化を単なるコンテンツとして提供するのではなく、想いをかたちにし、記憶に残る体験として仕立て上げるパートナーでありたいと考えています。

私たちは日本独自のおもてなし文化を世界の人々に広めるために日夜努力しています。外国人ゲストの接待・おもてなしに関するご相談もお気軽にお問い合わせください。




