海外の経営者も学ぶ日本のホスピタリティ体験事例3選

モテナス代表
モテナス代表

オリンピックの東京開催誘致のためにプレゼンテーションで世界に強烈な印象を与えた言葉、それが“お・も・て・な・し”。

近年ではこの日本のおもてなし文化を学びたいと思い日本でやってくる海外の経営者が増えているそうです。

日本のホスピタリティがなぜすごいのか、そして海外から学びに来る事例と接待方法を紹介したいと思います。

日本のホスピタリティとは

「おもてなし」の語源と由来

「おもてなし」とは「もてなし」に「お」を付けたもので、語源はものを「持って成し遂げる」から来ており、お客様に応対する扱い待遇のことを指します。

もう一つ意味としては“裏表なし”と文字通り表裏がない心でお客様を迎えることと、二つの意味を合わせたものが一般的“おもてなし”の語源とされます。

「おもてなし」の基本的な考え方を生んだのは茶道で有名な千利休です。

それは千利休の残した「利休七則」に記されてます。

「無駄を省くため相手の気持ちを考え、本質を見極めた上相手を想いやり、ゆとりをもって、備えを怠らず、全てのお客様に気を配りなさい」と記されています。

客人を思いやる気持ちと日本古来の素敵な考え方です。

海外の「ホスピタリティ」との違いはあるのか

海外駐在員が見た外国人が驚く日本のホスピタリティについてご興味のある方はこちらの記事も参考にしてください。

参考記事:【海外駐在員からみたおもてなし!】外国人が驚く日本のホスピタリティとは

「おもてなし」と「ホスピタリティ」よく使われるこの二つの言葉の意味が似ていると感じている方は多いと思います。

では「ホスピタリティ」とはなにかを見ていきましょう。

「ホスピタリティ」という言葉の意味は、「接客・接遇の場面だけで発揮されるものではなく、人と人、人とモノ、人と社会、人と自然などの関わりにおいて具現化されるもの」とされています。

少し意味合いが広すぎて分かりにくい部分もありますが、「もてなしもホスピタリティのことである」とも定義してもよいでしょう。

すなわち「ホスピタリティ」と「おもてなし」は広義においては同意義と考えてよいではないでしょうか。

一方、狭義においては日本の「おもてなし」には、目に見えないところに気を配るのが特徴です。

つまり海外の「ホスピタリティ」は、相手を敬う点においては同じですが、相手が見える範囲でかつ相手に伝わり易い気配りを意味します。

例えば、日本のトイレは世界一綺麗と言われております。

海外においてもホスピタリティのある施設では何処もトイレは綺麗ですが、日本においてではトイレを素手で掃除したりします。

素手の方が丁寧な掃除ができると考えているからです。

つまり素手で洗うことによりお客様からは分かりませんが、お客様に誠意と心ある接客を目に見えないところでおもてなしを行います。

また、石田三成が羽柴秀吉に出した三献茶は、日本のおもてなし文化を示す良い事例です。

秀吉が鷹狩り後に休息するためによったお寺で、少年の三成が、大きめのお茶碗でぬるめの茶を出し、次に普通の大きさのお茶碗で少し熱めのお茶を出し、最後に小さいお茶碗で熱いお茶を出しました。

このように、相手(お客様)の状況をよく観察し、誠意と心ある接客をすることは、実はいつ何時にもおもてなしができるように事前の準備が大切です。

ここに海外におけるホスピタリティと日本のおもてなしの違いがあります。

海外の経営者は日本のホスピタリティを学びたい

日本のホスピタリティはすばらしい

日本ではホスピタリティの精神が、社会に溢れています。

例えば、ひとつ百円の商品を売るファーストフード店であっても、星がひとつも付かない、小さなビジネスホテルでも接客はすばらしいと外国人は言います。

デパートで買い物すれば、何重にも商品を包装してくれる上に、雨が降っていれば雨除けカバーまで付けてくれる。

至れり尽くせりで、かゆいところに手が届くサービスのオンパードです。

言葉遣いも敬語をきれいに使い、とても丁寧です。

日本のホスピタリティを我が国にも

こういった日本のすばらしいホスピタリティを学びたいという外国人が多く、近年ではそういった人たちを対象とした体験が日本でできるようです。

日本で学んだホスピタリティを自分の国でもやってみてビジネスにつなげたいという経営者が増えてきているようです。

ホスピタリティ体験事例3選

外国人経営者たちのための料理教室

外国人が喜ぶおもてなしエピソードについてご興味のある方はこちらの記事も参考にしてください。

参考記事:【日本の感動ホスピタリティ!】外国人が喜ぶおもてなしエピソード9選

料理を通して本当の日本文化体験を求める外国人エグゼクティブ料理教室というものです。

海外で広まる日本食・日本酒ブームを背景に、外国人経営者たちは、日本食、日本酒、そして日本文化を学びたいというニーズがあります。

外国人経営者の方々が、日本の文化や食文化を“観光客”レベルではなくよりリアルな形で体験し、自分のビジネスにも活かしたいとのニーズが顕在化してきていると考えられます。

そして料理体験を通じて日本流の“ホスピタリティ”を学べるのです。

このような高まる日本食体験のニーズに対して、日本人の幹部・スタッフが料理教室体験を通じて外国人エグゼクティブと日本の文化体験を共有し、説明することで、日本人に対する理解やおもてなしの心を伝えることができます。

グローバル企業の幹部間のコミュニケション改善に最適だそうです。

お寺で学ぶ日本のホスピタリティ

外国人企業経営者及び幹部を対象に、日本のおもてなしの基礎を知りたい方に歴史ある日本のお寺で日本のホスピタリティ学ぶというものです。

日本人が心の支えとして利用してきた由緒あるお寺にて、座禅の組み方を習い、精神統一を行います。

裏千家の本物の茶道を通し、住職から日本人のおもてなしの心や考え方や礼儀を学びます。

寺院内で座禅をすることにより、少しの緊張とリラックスによって精神統一を図り、日本人が行ってきた精神鍛錬や修行を知ることができます。

茶道も寺院内にてご住職がお茶をたて、代々使われてきた茶道具を用い、ご住職と茶道や日本人の心についてお話しができます。

旅館で学ぶ日本のホスピタリティ

旅館はホテルと違い、女将さんが挨拶にきたり、食事を運び布団を敷いたりといった細やかなサービスを受けられる特徴があります。

困ったことがあるときも相談しやすく、アットホームで丁寧な接客は「おもてなしの心」を期待する外国人旅行者にとって、魅力的に映るのでしょう。

こういった日本のホスピタリティを旅館で学ぶ研修もあります。

旅館が行っている心遣いは、接客業・サービス業に従事する人々にとって、学ぶべきところがたくさんあります。

旅館で感じる接客の心を学び、世界で通用する接客サービスに活用したいと思う外国人企業経営者が学びに来るそうです。

旅館では、古い家屋を大切に使用したり和食を提供したりするなど、お客様に対して「日本の良さ」を伝えています。

お客様一人一人に「安らかな時間を過ごしてもらう」というおもてなし精神が、旅館には根付いているのです。

宿泊してくれた人に対して、不便さを感じさせずリラックスしてほしいという心遣いを徹底しているのも旅館の特徴です。

女将さんが部屋や施設の説明をしてくれたり、料理の好みや食べられないものを聞いてメニューを変えてくれたりといった、宿泊客に合わせたサービスは、人の心を感じる暖かい心遣いとして、外国人にも伝わるでしょう。

まとめ

日本のお客様に対するおもてなし文化は、世界で類をみないきめ細かい気持ちの行き届いたサービスをどんなお店やレストランでも受けることができます。

このおもてなしのサービスはマニュアルで表層的なことを学ぶことも可能ですが、

サービス精神の根本は日本の歴史的文化に根付いたものなので、本来のおもてなし文化を知るには、日本人の考え方や礼儀を理解する必要があります。

このような日本のホスピタリティ体験では、その日本人のサービスの心の基に触れることができ、自分のビジネスに活かしたいという外国人経営者に人気なのです。

経営者が語るホスピタリティについてご興味のある方はこちらの動画も参考にしてください。

参考動画:https://youtu.be/5ds7kuE8qiQ