面子を重んじる中国人とのビジネスにおいて「あなたは特別です」という印象がとても重要になります。
特に中国人の接待は失礼のないビジネスマナーでの対応はもちろん、より格別な接遇での接待が成功へと導くポイント。
本記事では、日本で行う際のビジネス接待マナーと、中国人の接待におすすめしたい特別感のある日本文化体験での接待事例を紹介します。
中国人との接待で気をつけるべきポイントや、中国人接待のビジネスマナーもあわせて案内しますので、中国人の接待が決まったら読んでおいて損はない内容になっていますよ。
ぜひこの記事を読んで、中国人とのビジネス接待を成功させるヒントを掴んでみてくださいね。
中国人接待で気をつけたいポイント
中国人をビジネス接待をする時に、気をつけるべきポイントについて紹介します。
中国人のお客様の「面子」を立てること
中国人とビジネスをする上で最も重要といわれているのは「相手の面子を立てること」。
どんな状態でも、面子を立てることを徹底しましょう。
日本人の大切な習慣である「空気を読む」と同じような感覚で、中国人の習慣に「面子を立てる」があります。
日本語の「面子」はプライドといったような感覚ですが、中国においては、もっと奥の深いもの。
自己価値とは面子の核であり、面子は本質的に他人の心の中で持つ自己の価値や、地位に対する関心の高さから生まれるものと考えられています。
なので、面子を潰されるというのは、ただプライドに傷をつけるというだけではなく、自分の存在価値そのものを潰されるというくらい、重要な価値観なのです。
中国人は謝らないとか、中国人はお金が好きだ、と言われる背景にもこの面子が存在します。
お金があれば面子をより立てることができますし、人が集まります。そして謝るというのは面子が損なわれてしまうと考えるからなのです。
なので、謝罪やお断りするときも、必ず相手の面子が立つように考慮しなければなりません。
客人としておもてなしをし、接待を企画するのなら、必ず相手の面子を敬うような対応をします。
このように中国人接待とは、面子を軸に接待を考えていくことが重要になるのです。
面子が大切なので、酔い潰れた先方の上司を介抱するのはもってのほかです。
もしもそんなシーンになってしまったら、必ず相手の企業の部下の人にこっそり頼みましょう。
参照:SIJIHIVE LOCAKIZATION「中国人の「面子」は日本人の「空気」?!」https://www.thesijihive.com/post/understanding-the-concept-of-face-in-china(閲覧2023年5月2日)
百度百科(中国版Wikipedia)「面子」https://baike.baidu.com/item/%E9%9D%A2%E5%AD%90/14579?fr=aladdin(閲覧2023年5月2日)
食べることについての中国人の価値観
民以食为天(ミンイーシーウェイティエン)”ということわざがあり、「人にとって食べることは最も大切だ」という意味があり、漢書には「王以民為天、民以食為天」(王は民を以って天と為し、民は食を以って天と為す)」という言葉があります。
中国では、共に食卓を囲むことで親睦を深めることがもっとも重要とされており、家族でも友達でもビジネスでも会食はとても重要です。
中国ではお皿に少し残すことがマナーとされる。と言われ、接待の際には多めに頼んで残すという習慣がありました。
習近平国家主席の食べ残し禁止令によって、少しずつ変化してきた現在の中国接待事情で、変化が中国国内でも変化が訪れています。
なので、一概にかならず残すとも言えませんが、その背景には「食べきれないほど贅沢に客人をもてなす」という意味が含まれているからです。
中国人にとって、食はかなり重要な文化です。
日本で中国人をおもてなしする時に、中国は食べ残すほどたくさん注文すると聞いたからといって、と多めに注文する必要はなく、それよりも「特別なんだ」と感じていただく方が重要とされます。
参照:「第2回 中国人の“食”に対するこだわりとは=段文凝」毎日新聞 2017/9/13 https://mainichi.jp/articles/20170908/org/00m/070/002000d (閲覧2023年5月2日)
国土交通省 中国について https://www.mlit.go.jp/common/000116954.pd(閲覧2023年5月2日)
中国人が喜ぶお店の選び方
お店を選ぶ時や接待内容を考える時には、場所や内容にも特別感がある場を用意することがおすすめです。
中国人は基本的に接待を受ける際、接待をしてくれる相手が自分をどのように評価しているのか、という判断基準にする傾向があります。
お店の格、個室なのか、料理の質、値段、注文された料理の内容や準備されたお酒など、接待内容のすべてに自分の価値を見出そうとします。
日本では、高額な接待をすること自体がモラルハザードとされていますが、相手が中国人で超重要な商談相手や人物であれば、接待予算との兼ね合いをみつつも、なるべく有名店での会食を用意しましょう。
静かなお店よりも、賑やかで人気のあるお店を好む傾向にあります。とにかくキラキラしていてゴージャスな感じがあるお店がおすすめ。
そして、お店が有名であるかどうかも気にする人が多くいます。
ちょっと隠れ家的なお店や食通だけが知っている穴場のレストランといった、知る人ぞ知るという感じで、認知度があまり高くないお店への案内は、よほど親しくなってからにしておきましょう。
多くの割合で「有名店で接待された」というステータスに好印象を受ける人が多いので、中国人接待にはなるべく有名店での接待をおすすめします。
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支払いについて
そして支払いは必ず割り勘ではなく、招待した方が会計を済ませます。
食事の際の支払い方法で、人間関係が続くかどうかが決まると言われるほど、ケチ臭いという雰囲気がとにかく嫌悪され、大きく振る舞う気前の良さが好かれるのです。
そして交互のやり取りによって、お互いの中が深くなるという考えがあるので、ご馳走になったり接待を受ければ、必ず同等のお返しをします。
中国からの客人に対しては、「人を招くのなら、例えその時自分の手元が寂しくても、ケチってはいけない」と言われ、ケチはとにかく嫌悪されます。
ビジネスの上でもケチは信頼できる相手ではない、と判断されることが多いので気をつけましょう。
中国人接待は「とにかく贅沢ならいい」というわけではなく「自分のために無理をしてくれたんだな」「そこまで大切に思っているんだな」と思ってもらえることが重要なポイントです。
参照:中国の宴席で「酒を飲む」より重要なこと https://xtech.nikkei.com/dm/article/COLUMN/20111215/202643/(閲覧日2023年5月2日)
中国人接待で重要なお酒
中国人の接待でお酒はとても重要な役割を担います。
中国人は乾杯をしたら必ず飲み干すと言われていますが、最近のベンチャー企業の30代〜40代の社長や重役でしたら、従来ほどそこまで重要視している雰囲気はありません。
ですが、伝統のある会社や中国の習慣や文化を重んじる社長や重役の間では、今もその習慣が残っている場合があるので、状況をみながら判断していきましょう。
乾杯はとにかく相手と腹を割って、楽しくお互いを知り合うための行為。
陽気に乾杯を何度も進める中国人もやはりいらっしゃいます。
お酒が飲めないのであれば、一口でもいいのでグラスを飲む方が雰囲気を壊しませんが、どうしても難しいようなら先に健康上の理由があってどうしても飲めない。と伝えます。
乾杯する時のグラスの高さも、身分によって変わります。手の高さも相手より少し下にしながら乾杯をするのが礼儀とされ、部下は上司達よりしたから乾杯に参加します。
そしてお酒がかなり入るので、帰りのタクシーの用意も必ず手配しておきましょう。
中国人接待のビジネスマナー
接待会食の席には、商談の場に登場しないような重役の上司が出席することもあり、本当の商談は会食接待で起こると言われています。
なので、商談で一度決定したことも接待の後に変更される場合もよくあるのです。
ここでは中国人接待のためのビジネスマナーについて紹介します。
時間厳守
中国のビジネス接待では時間に対するマナーが非常に重要です。
早すぎても遅すぎても失礼に値するので、かならず約束の時間は守りましょう。
接待をする側でしたら、絶対に遅刻はしないように。印象がかなり悪いです。
中国では、ビジネス接待にかかる時間が予想以上にかかることがよくあります。
特に、ビジネスパートナーとの初めての会合や重要な契約の交渉では、時間に余裕を持って会合に臨むことが大切。
余裕を持ったスケジュールを組むことで、思わぬトラブルにも対応できます。
そして、時間の合図を読むというのも大切なビジネススキル。
例えばホストが席に着く、あるいはテーブルに乾杯するなどの合図です。先方が時間の合図を出すまで、会合を開始しないことが一般的です。
このような合図を待つことで、相手との信頼関係を築くことができます。
座席について
中国のビジネス接待では、座席の配置にもマナーがあります。
中国の文化では、ホストとゲストの座席の位置が非常に重要です。
ホストは、ゲストよりも優れた位置に座る必要があります。通常、ホストはテーブルの中央に座り、ゲストはホストの周りに座ります。
中国の伝統的な座席の配置には、日本と同じく上座と下座という概念があります。
上座は最も重要な座席であり、一般的に北側に位置します。下座は南側に位置し、上座よりも低い位置にあります。
年長者や地位の高い人の座席: 年長者や地位の高い人は、一般的に上座に座ることができます。彼らがいない場合は、ホストが上座に座ります。
ビジネス接待では、ビジネスの関係性に基づいて座席を配置することが重要です。
重要なクライアントやパートナーは、ホストに近い位置に座り、相手方の社長や上級幹部は、自社の社長や上級幹部と同じ席に座ることが望ましいです。
参照:沪江沪江网hujiang 「接待礼仪」https://www.hujiang.com/zhichang_s/jiedailiyi/(閲覧日2023年5月2日)
お酒について
中国人接待において、お酒は重要な価値があります。
お酒を飲みながらコミュニケーションを深め、信頼関係を築くという文化があるからです。
お酒を注ぐ際には、相手のグラスが空になる前に注ぐようにしましょう。また、グラスが空になった際には、相手が注文する前に自分からすぐに注文すると、相手に不快な思いを与えることがあります。
中国では乾杯の際に「干杯(ganbei)」と言います。しかし、干杯は相手と同じ量を一気飲みすることを意味するので、相手が弱いと思われる場合は、相手に迷惑をかけないように小さな量で乾杯しましょう。
飲む量については、相手に合わせるようにしましょう。また、相手が酔っ払いそうになった場合は、自分が先に席を立って退席するなど、上手に対処しましょう。
また、乾杯をするたび飲むというのはかなりの量になるので、自分のアルコール許容量を認識しながら挑みましょう。
近年では乾杯の度に飲み干す必要はない、と言われているので状況をみながら判断してみることをお勧めします。
以上のように、中国人とのビジネス接待でお酒を出す際には、相手のことを考慮して、細かなマナーに気を配ることが大切です。
煙草のマナー
中国でも禁煙の傾向が強化されていますが、愛煙家が結構多い傾向にあります。
なので、接待をする時に、相手が愛煙家なら喫煙ができるお店を選ぶか、喫煙場所があるお店を選びましょう。
喫煙者同士なら喫煙の招待を受けた場合は、断ることは失礼になります。
しかし、自分は吸わないのであれば自分が禁煙者であることを伝え、丁重にお断りすることができます。
中国では、自分がたばこを吸う際には、火を点ける前に自分のたばこを相手に差し出すのがマナーです。
また、相手がたばこを吸う際には、反対にたばこを差し出されるため、自分のたばこは出さずに受け取るようにしましょう。
中国人へのお土産
中国には、日本同様お土産文化があります。
日本に来日されている中国人に喜んでもらえそうなお土産がおすすめです。
お土産だけではなく、企業の記念品やイメージの品などを贈るシーンもありますよね。
その際に、中国人に贈り物で送ってはいけないタブーな品があるので注意しましょう。
こちらでは、中国人に贈ってはいけないタブーなアイテムについて紹介します。
置き時計・掛け時計
時計は中国語で「鐘」、チョンと発音します。
「時計を贈る」は「送鐘(ソンチョン)」で、同じ発音なのが、人の死を看取る「送終(ソンチョン)」。
なので、置き時計や掛け時計は、死を弔うというイメージがあるので絶対に贈り物にしないアイテム。
記念品として時計は日本ではよくあるので、うっかり送ってしまわないようにここでも注意は必要です。
ハンカチ
日本には素敵なハンカチやハンドタオルがあるので、日本人同士でもちょっとした贈り物に選ぶことが多いハンカチ。
軽いお土産として選んでしまいそうですが、ハンカチは悲しみを連想させると言われているので、贈り物としてふさわしくないと考えられています。
靴下
ビジネスの間であまり贈ることはないかもしれませんが、靴下もタブーなアイテムの一つです。
日本らしいモチーフや足指靴下など、日本外国人に人気の靴下は多くありますが、靴下には「厄介払い」という意味があるので控えましょう。
財布
中国人は基本的に財布をプレゼントすることがありません。財布は財力の源という考え方があるので、財布は自分で選びます。
そして、財政管理ができていないというようなメッセージにもなるので、財布の贈り物は避けた方が無難です。
傘
傘を送るということは「私から離れてほしい」という意味になります。
傘は中国語で「サン」と発音されます。なので、散「サン」と同じ発音になり、別れをイメージさせるものとして贈り物には選ばれません。
緑や白の帽子
中国では明の時代に、妻に浮気された人は緑の色の服屋帽子をかぶるという法律があったため、現在でも緑色の帽子は浮気された人という意味の名残があります。
そして、白い帽子は死装束を思い起こし、死者をイメージするので白い帽子はあまりよろこばれません。
どちらも会社の記念品だとしても贈ることはさけましょう。
中国人接待にふさわしい特別感のある日本文化体験接待事例
中国人接待をより効果的に成功させる、日本文化体験をオーダーメイドする接待方法。
こちらでは、特別感のある接待に日本文化体験をご用意する方法について紹介します。
日本文化体験が中国人接待におすすめの理由
中国人の面子を保ち、特別感のある接待方法を探しているのなら、日本文化体験の接待企画がおすすめです。
なぜなら、相手に合わせてプランをオーダーメイドできるので、相手の面子を立てることができる「特別感」が満載の接待企画になるからです。
そして、中国人の多くが好む賑やかで豪華な内容や、あなたが特別だからこそ味わえるという体験を用意することができます。
こちらでは、モテナス日本が今まで多くの中国人富豪層接待のために企画してきた日本文化体験での接待内容を詳しくご紹介します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
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面子を立てるプロの芸者で中国人接待
日本の芸者は接客のプロ。やはり中国人接待でも人気がある日本文化体験です。
中国人の富豪層に人気が高い理由として、やはり美しい芸者の魅力と、日本舞踊を堪能できるという部分が挙げられます。
一昔前は芸者といえば、男性から人気があるというイメージでしたが、現在は女性からも大変人気のある日本文化です。
芸者の接待はやはり特別感があるので、中国人の大切なお客様に特別な接遇でのおもてなしをご用意できます。
芸者は面子を立てることにも熟練しているので、安心して接待の場を任せることができますよ。
お誕生日パーティーや還暦のお祝いなどにも人気があります。
お勧め関連記事:[一見さんお断り 芸者遊び体験]外国人の大切なお客様をオーダーメイドで接待 事例4選
VIP中国人に人気の個室で歌舞伎鑑賞
VIPや富豪層の中国人にお勧めしたいのは、歌舞伎体験です。
モテナス日本で人気のある歌舞伎体験は、個室で歌舞伎鑑賞をしながら食事をしていただくプランです。
歌舞伎は普段御園座などに赴いて、鑑賞する日本の伝統芸能。そんな格式高い歌舞伎を鑑賞しながら食事をするということは、やはり特別感があります。
中国人の大切なお客様の重要な接待の場であるのなら、やはり格式高い雰囲気を特別に体験できるというVIP感をお届けすることは重要です。
なので、歌舞伎をオーダーメイドした接待は、中国人の超重要人物にお勧めしたい内容ですよ。
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中国人の女性に人気の豪華な大奥風着物着付け体験
日本の伝統民族衣装である着物を着てみたいと考える外国人は多くいます。
特に中国からの観光客の間で、着物を着ての記念撮影ができるフォトスタジオは人気の観光体験です。
そんな着物体験を、富豪層の中国人接待に着物体験をご用意するのなら、普段ではなかなかできない着物を選びましょう。
モテナス日本の大奥風の着物や花魁の着物など、豪華絢爛な着物を体験していただくプランは、富豪層中国人の女性から大変人気をいただいております。
みなさま、高価な着物を身につけて、まるでお姫様になったようにはしゃいでいただけますよ。
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華やかな演出がよろこばれる忍者で歓迎会接待
忍者とエンターティンメントの組み合わせによるショーでのおもてなしは、祝賀会にぴったりな企画です。
なぜなら忍者は日本のアイコン的存在であり、憧れる人が多い日本のイメージです。
忍者のエンターテイメントでは、忍者のアクロバティックな演出に、最先端の光と音のエフェクトが加わることで、華やかなショーを楽しんでいただけます。
認知度がある忍者と華やかなショーの組み合わせは団体のお客様への接待や歓迎会に祝賀会など、華やかな場をもりあげてくれますよ。
忍者での特別接待は会場全体を盛り上げたい時におすすめです。
お勧め関連記事:【忍者を英語で説明】 NINJA体験お勧め5選
まとめ
今回は中国人の接待をする時のポイントについてご紹介しました。
中国人は面子を大切にする誇り高い国民性があります。
大切な客人なら、名前を覚え、好みを知り、そしていつもそれぞれに対しての「特別」を忘れない気持ちが大切です。
相手が自分にとってどのくらい特別で大切なのかを表現できる場としても重要な役割を担う接待。
どんなビジネスも人柄や人間関係が重要になるといわれる中国人との親睦を深めるために、失礼のない細かい配慮が必要ですよね。モテナス日本では、オーダーメイドの日本文化体験をご用意させていただいております。
中国からの特別なお客様に、ぴったりな特別感のある接待企画の相談を、いつでも承っておりますので、お気軽にご相談くださいませ。
私たちは日本独自のおもてなし文化を世界の人々に広めるために日夜努力しています。外国人ゲストの接待・おもてなしに関するご相談もお気軽にお問い合わせください。