
津田修吾「玄関で靴を脱ぐ」
「電車内では通話を控える」
「いただきますと言う」
など、日本では当たり前のルールでも、外国人にとっては驚くことが少なくありません。
「なぜ日本にはこのような習慣があるの?」
「外国人に日本文化をわかりやすく説明したい」
と感じる方も多いでしょう。
この記事では、日本にしかないルールや習慣、しきたり・マナーとの違い、それらが生まれた背景をわかりやすく解説します。
日本文化への理解を深めたい方や、外国人をおもてなしする機会がある方はぜひ参考にしてください。
- 日本にしかないルールや習慣の特徴
- しきたり/マナーとの違い
- 外国人が驚く日本独自のルール15選
- 日本ならではの習慣が生まれた背景
- 外国人へ日本文化を伝えるポイント
日本にしかないルールとは?しきたり・マナーとの違い

日本には、法律で決められたルールだけでなく、歴史や文化、生活習慣の中で自然に根付いた独自のルールがあります。
ここでは、以下について解説します。
・しきたりとは何か
・マナーとの違い
・日本のルールに共通する考え方

しきたりとは歴史や文化に根付いた習慣のこと
しきたりとは、日本の歴史的・文化的に根付いた習慣を指します。
古くからある習慣が人々へ浸透しルール化されたもので、私たち日本人は生まれてから自然に受け入れてきたものが多いです。そのため日本人同士で「これは日本のしきたりだから」といった説明をすることはほぼありません。
たとえば「家では靴を脱ぐ」「毎日湯船につかる」といった日本のしきたりの目的や成り立ちを、わざわざ日本人に説明する機会はあまりないでしょう。
一方で、外国人にとっては初めて触れる習慣も多く、日本にしかないルールとして新鮮に感じられることがあります。

マナーとは相手や周囲に配慮するための作法
マナーとは、相手に敬意を示し、周囲の人が気持ちよく過ごせるように配慮するための作法や振る舞いを指します。 また、マナーには人としての常識的な行動やモラルも含まれており、「他人に迷惑をかけない」「相手に敬意を示す」といった考え方が基本です。
日本では、この考え方が日常生活にも根付いており、公共交通機関では通話を控える、順番を守って並ぶ、静かに行動するといったマナーが大切にされています。

日本のルールには「周囲への配慮」が反映されている
日本にしかないルールや習慣の多くには、「周囲との調和を大切にする」という価値観が反映されています。
例えば、時間を守ることや、ゴミを細かく分別すること、公共の場では静かに過ごすことなどは、自分の都合よりも周囲への配慮を優先する考え方から生まれたものです。
国や地域によって価値観は異なりますが、日本では「みんなが気持ちよく過ごせること」を大切にする文化が根付いています。そのため、一見すると細かなルールに感じられるものでも、その背景には相手への思いやりや協調性があります。

外国人が驚く日本にしかないルール・習慣15選

日本では当たり前でも、外国人にとっては驚くルールや習慣が数多くあります。
ここでは、日本ならではのルールや習慣、その背景にある文化や価値観を紹介します。
玄関で靴を脱ぐ
まず日本のしきたりとして挙げられるのが、玄関で靴を脱ぐこと。このしきたりが生まれた理由は、日本の気候が関係しているとされています。※諸説あり
湿度の高い日本では、靴の中で足が蒸れるのを防ぐ意味もあり「玄関で靴を脱ぐ」という文化が生まれたようです。
また、玄関と室内の段差にあたる「上がり框(かまち)」を結界と見て外界を歩いた靴は脱ぐようになったという説や、日本には座布団や布団といった床へ座る・寝る文化があるため汚れのついた履物を脱ぐ文化ができた、ともされています。
使わない部屋のドアを閉める
日本では部屋を出るとき、その部屋のドアを閉める人が多いのが特徴です。とくにトイレは、使用後にドアを閉めるのが当たり前になっています。
一方、海外では逆です。使わない部屋はドアを開けておく、という国が多数あります。ドアが閉まっていると「使用中」と受け取られる国もあるため、外国人が退出後にドアを閉めなくても文化の違いだと思っておきましょう。
湯船に毎日浸かる
日本のお風呂文化は、実は海外では見られない独特のしきたりがたくさんあります。
とくに毎日湯船につかる習慣のある国はほぼ無く、日本特有の文化といえるでしょう。
また、温泉や銭湯の利用方法に戸惑う外国人も少なくありません。
食事前後に「いただきます」「ごちそうさま」を言う
命を分けてくれた生き物たちと、目の前にある食事に関わったすべての人々に感謝をする「いただきます」と「ごちそうさま」。
海外にも食事前後にあいさつやお祈りをする文化はありますが、日本の「いただきます」「ごちそうさま」を直訳できる言葉はありません。日本人の思想が強く反映されたしきたりでもあります。
外国人の中には、アニメなどを通して「いただきます、ごちそうさまを知っている」という人もいますが、意味までは知らない方が多いです。
言葉に込められた意味まで伝えることで、日本文化への理解をより深めてもらえるでしょう。
お茶は砂糖を加えずに飲む
近年、海外でジワジワと人気が高まっているのが、緑茶です。
緑茶の中でも「抹茶」の知名度は高く、海外のスーパーマーケットやカフェで抹茶ラテや抹茶味のスイーツが売られていることも珍しくありません。
一方で、日本人が思う「お茶」と、外国人が思う「お茶」では、砂糖やミルクを入れるかどうかに大きな違いがあります。
海外にも紅茶などのお茶類はありますが、砂糖やミルクを加えて飲む地域も多くあります。抹茶などの日本茶も砂糖が加えられた甘い味で売られていることが多いため、お茶をストレートで飲むことに慣れていない外国人も少なくありません。
お椀を持って食べる
日本では、食事の時にお椀を持って食べるしきたりがあります。
大皿や平皿であっても片手を添えるのがマナーとなっています。子どものころ食事中に「手を出しなさい」と注意された経験がある方もいるでしょう。
しかし海外ではお椀を持ちあげることや、食器に手を添えることがNGとされる国も多くあります。
同じアジア圏であっても食事のマナーは異なるため、外国人と食事をする際は、相手の国の食事マナーにも配慮するとよいでしょう。
箸の使い方に決まりがある
箸の使い方には、日本独自の文化が詰まっています。日本には箸のNGマナーが多く、海外ではあまり見られないしきたりもあります。
たとえば「拾い箸」や「立て箸」がわかりやすく、この2つは葬儀や供養を連想させるため、日本ではNGとなる箸の使い方です。
- 拾い箸…箸から箸へ食べ物を引き渡すこと。葬儀のお骨拾いを連想させるため避けられています。
- 立て箸…箸を料理に突き立てること。お供えの食事を連想させるため避けられています。
このように、箸のNGマナーには、日本人の宗教観や慣習が深く関わっています。
お辞儀をする
実は外国人にとって、難しい日本のマナーの一つがお辞儀です。
西洋ではお辞儀の文化がない国も多く、アジア圏であっても日本ほど頻繁にお辞儀をする国は多くありません。
一方で、在住歴が長い外国人の中には、思わずお辞儀をしてしまう人も多いのが面白いところです。とくに初対面の人と挨拶する時に自然と会釈をしてしまうこともあるようです。
日本で生活するうえでお辞儀は欠かせないマナーの一つといえるでしょう。
また、日本人のお辞儀文化は「礼節がある」「上品」と外国人からポジティブに受け取られることもあります。日本文化に関心がある外国人には、お辞儀のいいや使い方まで伝えると理解が深まるでしょう。
謙遜を美徳とする
日本には謙遜が美徳とされるしきたりがあり、自分や自分の身内を下げて表現する、なにごとも謙虚に対応することが社会全体で求められています。
謙遜は日本の奥ゆかしさが詰まったしきたりです。一方で、外国人からは「なぜ、自分や自分の大切な人を過小評価するのだろう?」と不思議に思われることもあります。
また、贈り物を渡すときに「ちょっとしたものですが」や「つまらないものですが」という言葉を添えることがあります。外国人からすると「なぜつまらないものを選んだのか」と疑問に感じることもあるようです。
そのため、外国人に日本の謙遜文化を伝える際は、どのような表現が誤解につながりやすいのかも説明しておくとよいでしょう。「謙虚さは日本の美徳の一つ」と伝えることで、日本文化への理解も深まりやすくなります。
宗教観が海外と大きく異なる
外国人と話していると宗教観の話題になることがあります。
日本人でも人それぞれ宗教観は違いますが、多くの人は「信仰する宗教はない」と考えているようです。その一方で、神社への参拝といった宗教的な儀式をおこなう人は60%以上いるとされています。(参考:日本人の宗教観、海外と違うけど変じゃない?米メディアが探る日本人の心根 – NewSphere)
こうした背景から、日本人には八百万の神を信仰する「神道」の考え方が根付いていると伝えると、理解してもらいやすいでしょう。日本のしきたりや思想には、神道の影響が強く反映されています。
海外には、宗教が生活や文化に深く根付いている国も少なくありません。宗教について聞かれた際は、「無宗教」と答えるだけでなく、神道の考え方や日本の文化との関わりもあわせて説明すると、より理解してもらいやすくなるでしょう。
電車内で通話を控える
日本では、電車やバスなどの公共交通機関で通話を控えることがマナーとされています。
海外では電車内で会話や通話をすることが一般的な国もありますが、日本では周囲の人が静かに過ごせるよう配慮する意識が強くあります。
特に通勤時間帯の電車内では、多くの人が同じ空間で過ごすため、大きな声での通話は迷惑と受け取られやすいです。
電車内で通話を控えるルールには、「周囲に迷惑をかけない」という日本のマナー意識が表れています。
チップを渡さない
海外では、レストランやホテル、タクシーなどでチップを渡す文化がある国も少なくありません。
一方、日本では基本的にチップを渡す必要はありません。丁寧な接客やサービスは料金に含まれていると考えられており、チップを渡そうとしても断られることがあります。
外国人にとっては「良いサービスを受けたのにチップを渡さなくてよいのか」と驚くポイントです。
日本では、チップを渡さなくても質の高いサービスを受けられることが一般的な常識とされています。
ゴミを細かく分別する
日本では、ゴミを細かく分別して出すルールがあります。
燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ゴミ、プラスチック、ビン、缶、ペットボトルなど、自治体によって分別方法や収集日が細かく決められています。
海外ではここまで細かく分けない地域もあるため、日本で生活を始めた外国人が戸惑いやすい習慣の一つです。
ゴミを細かく分別するルールは、街の清潔さや環境への配慮を大切にする日本の習慣です。
食べ歩きを控える
日本では、歩きながら食べることを控える場面があります。
観光地や屋台では食べ歩きを楽しめる場所もありますが、一般的な道路や公共交通機関では、食べながら歩く行為が好まれないことも少なくありません。
食べ物をこぼしたり、ゴミが出たりすることで周囲に迷惑をかける可能性があるためです。
食べ歩きを控える習慣には、街をきれいに保ち、周囲へ配慮する日本のマナーが反映されています。
時間をきっちり守る
日本では、待ち合わせや仕事、公共交通機関などで時間を守ることが重視されます。
電車が定刻どおり運行されることが多く、数分の遅れでもお詫びのアナウンスが流れるほど、時間に正確な国として知られています。 ビジネスでは約束の時間より少し早めに到着することが望ましいとされる場面もあり、時間を守ることが相手への礼儀や信頼につながると考えられています。
海外では数分程度の遅れが許容される国もあるため、日本の時間に対する意識の高さに驚く外国人も少なくありません。
外国人が面白いと感じる日本ならではの習慣

日本には、外国人が「日本らしい」「面白い」と感じる習慣も数多くあります。
ここでは、日本ならではの伝統やサービス、価値観が感じられる習慣を紹介します。

正月にお年玉をもらう
日本の正月に欠かせないのが、お年玉。日本の子どもたちにとっては正月のメインイベントともいえるでしょう。
お年玉は、年末に神様へ祈りを捧げる意味でおそなえした「お餅」が由来だといわれています。年末におそなえしたお餅は、神様が帰られるタイミングの正月にお下がりとして配られており、年の最初に賜る(たまわる)ものという意味で「年賜(としたま)」となったとされています。
また、現代のお金を渡す「お年玉」の文化が生まれたのは昭和の高度経済成長のころ。戦前まではお金ではなくお餅が配られていたそうです。
このように、お年玉は古くからの日本の宗教観が反映されたしきたりの一つです。海外ではあまり見られない文化として、外国人にとっても興味深い習慣といえるでしょう。
鶴は縁起が良いものとされている
日本では「鶴=縁起がいい鳥」とされています。入院した方の回復を祈ったり、平和を祈る意味で千羽鶴が折られることもあります。
これは、鶴が古くから長寿の象徴とされていることが由来の一つです。長寿や健康への祈りが込められた、日本ならではの文化といえるでしょう。
一方で、海外では鶴が日本と異なる印象をもたれる場合もあります。たとえば、北欧方面では「死を運ぶ鳥」とされ、ケルト神話では殺戮を好む神とともに描かれることから、不吉な鳥の象徴とされることもあります。
このように、鶴に対するイメージは国や文化によって大きく異なります。
成人式がある
日本の成人式も、海外ではあまり見られないしきたりの一つです。
海外にも成人をお祝いする習慣はありますが、ほとんどの国では成人した誕生日を祝うのが一般的です。日本のように、新成人全員を一斉に祝う文化はあまり見られません。
日本で初めて成人式がおこなわれたのは、第2次世界大戦が終わった直後の1946年のこと。終戦後の世の中を盛り上げようと、新成人たちを祝福するためにおこなわれた「青年祭」(1946年11月22日開催)が発祥だとされています。(参考:成人式って日本だけ?成人式のルーツとは? | 京都さがの館)
歴史は比較的新しいものの、新成人全員を対象に式典を行う文化は世界的にも珍しいといえるでしょう。
雨の日にビニールカバーをかけてもらえる
日本では、雨の日に買い物をするとショッピング袋の上から雨除けのカバーをかけてもらえることがあります。
これは「雨で買ったものが汚れないように」「買い物袋が濡れないように」といった、お店側の気遣いやおもてなしが反映された日本らしいサービスです。
海外では、雨の日にこのようなサービスを行うお店はあまり見られません。日本では、お店の紙袋をラッピングの一部として扱うこともあり、紙袋まで丁寧に扱う文化があります。
雨の日の買い物という何気ない場面にも、日本人の細やかな気配りやおもてなしの精神が表れています。
飲食店のおしぼり・水が無料
日本の接客の良さは世界的にも有名ですが、飲食店で無料のおしぼり・水が提供されることも外国人に驚かれます。
海外では、おしぼりのサービス自体が高級店以外ではほぼ見られません。水も有料で注文するという国が多くあります。
そのため日本の飲食店で席に着くなり、おしぼり・水が運ばれてくることに驚く外国人も少なくありません。
おもてなし精神が生んだ、日本らしい文化といえるでしょう。
日本にしかないルールに関するFAQ

ここでは、日本にしかないルールや習慣について、外国人からよく寄せられる質問にお答えします。
日本で絶対にしてはいけないルールは?
日本で特に避けたいのは、周囲に迷惑をかける行動です。
たとえば、神社仏閣の立入禁止エリアに入る、撮影禁止の場所で写真を撮る、公共施設を汚したままにするといった行為は避けましょう。
日本のおかしな習慣は?
日本人には当たり前でも、外国人には珍しく映る習慣が数多くあります。
たとえば、レジで現金をトレーに置くことや、温泉でタオルを湯船に入れないことなども、日本ならではの習慣です。
日本の独特なルールは?
日本独自のルールには、礼儀や調和を重視する考え方が反映されています。
たとえば、エスカレーターでは地域ごとに立つ位置に慣習があることや、宅配便の再配達を減らすよう協力する意識が広まっていることなども、日本ならではの特徴です。こうしたルールは、お互いが気持ちよく生活するための配慮から生まれています。
日本にしかない常識とは?
日本にしかない常識とは、相手や周囲への思いやりを行動で示すことです。
たとえば、エレベーターでは降りる人を優先することや、人前で鼻をかむことを控えることなどは、多くの日本人が意識しているマナーです。このような小さな気遣いが、日本文化ならではの「思いやり」の表れといえるでしょう。
まとめ:日本にしかないルールを知ると文化理解が深まる

日本にしかないルールや習慣は、日本人が大切にしてきた「思いやり」や「周囲との調和」といった価値観から生まれた、日本文化の一つです。一見すると不思議に感じる習慣でも、その背景を知ることで文化への理解が深まり、日本ならではの魅力をより身近に感じられるでしょう。
外国人を迎える企業や団体にとっても、日本独自の文化や習慣を正しく伝えることは、より満足度の高い体験につながります。
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