

古くから日本に伝わる、日本の年中行事。
年中行事とは、1年の中で毎年おこなわれる伝統的なお祭り・行事を指します。
たとえばお正月の初詣。そして七草がゆを食べたり、成人式をおこなったり、と1月から年中行事がつづきますが、どれも外国人にとっては珍しいものばかり。
今回は、そんな日本の年中行事を月ごとに詳しく解説!成り立ちや海外との違いも交えながら説明していきます。
外国人に英語で説明するときの例文も紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
代表的な日本の年中行事

それでは、日本の代表的な年中行事を一覧でみていきましょう。
日付 | 名称 | ひとこと |
---|---|---|
1月 | 初詣 | 1年ではじめて神社・お寺でお参りをし、新年の幸せを祈願すること |
書初め | 新年の抱負・目標を毛筆する行事 | |
七草がゆ | 七草のおかゆを食べ、無病息災を願う | |
鏡開き | お正月に飾った鏡餅を食べ、無病息災を願う | |
成人式 ※地域により時期は異なる | 新成人を祝う式典 | |
2月 | 節分 | 豆をまき、厄除けをする |
3月 | ひな祭り | 女の子の健康と成長を願い、ひな人形をかざる |
春のお彼岸 | ぼた餅を食べ、邪気を払う | |
4月 | お花見 | 桜の花を観賞する |
5月 | 端午の節句(こどもの日) | 男の子の健康と成長を願い、鯉のぼりや五月人形を飾る |
ゴールデンウィーク | 春の大型連休 | |
6月 | 衣替え | 冬服から夏服へ移行する風習 |
夏至の日 | 1年で最も昼が長い日とされる | |
7月 | 七夕 | 天の川を渡り出会う織姫と彦星にちなみ、願い事を書いた短冊を飾る |
暑中見舞い | 夏におこなう、季節の挨拶・便り | |
8月 | お盆 ※地域により時期は異なる | 先祖の霊を迎え、供養する期間 |
9月 | 十五夜 | 中秋の名月を鑑賞する |
秋のお彼岸 | おはぎを食べ、邪気を払う | |
10月 | 紅葉狩り | 紅葉を鑑賞すること |
11月 | 七五三 | 3歳・5歳・7歳の子どもの成長を祝う ※男児は3歳・5歳、女児は3歳・7歳で祝う |
12月 | 冬至 | 1年で最も夜が長い日とされ、ゆず湯に入ったりカボチャを食べる |
お歳暮 ※地域により時期は異なる | その年お世話になった人へ感謝を伝えるために贈る品物 | |
年越しそば | 長寿や健康を願い、大晦日にそばを食べる |
上記は代表的な日本の年中行事ですが、月ごとに必ず行事がありますね。季節を感じる行事や、子どもの成長をお祝いする行事がたくさんあることがわかります。
では、日本の伝統的な年中行事を月ごとに詳しく紹介していきます。
1月の日本の行事
日付 | 名称 | ひとこと |
---|---|---|
1月1日~15日 | 初詣 | 1年ではじめて神社・お寺でお参りをし、新年の幸せを祈願すること |
1月2日 | 書初め | 新年の抱負・目標を毛筆する行事 |
1月7日 | 七草がゆ | 七草のおかゆを食べ、無病息災を願う |
1月11日 | 鏡開き | お正月に飾った鏡餅を食べ、無病息災を願う |
1月の第2月曜日 ※地域により異なる | 成人式 | 新成人を祝う式典 |
新年のはじまり、1月。古来から日本人にとって大切な時期で、伝統行事の宝庫ともいえるでしょう。
日本の1月のはじまりは、神社への初詣から。さらに書き初め、七草がゆ、鏡開きと、その年の健康や幸せを願っておこなわれる行事がつづきます。
とくに欧米には新年の年中行事が少ないので、日本の新年の年中行事の多さに驚く外国人は多いですよ。

そして、1月の第2月曜日におこなわれる成人式も日本特有の年中行事。※地域により時期は異なる
海外にも成人をお祝いする国はありますが、ほとんどが成人を迎えた個人に対してのお祝い。日本のように、すべての新成人を祝い式典はおこなわれません。
また成人式では華やかな振袖や袴を着る人も多く、外国人からは「日本らしい」と感じられる行事でしょう。
2月の日本の行事
日付 | 名称 | ひとこと |
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2月3日ごろ ※年により異なる | 節分 | 立春前日に豆をまき、厄除け・福を願う行事 |
2月の年中行事といえば、2月3日ごろの節分です。
2月3日ごろは立春の前日にあたり、旧暦では冬から春に変わる立春を「1年の初めの節目」としていました。本来は立春だけではなく、立夏・立秋・立冬すべての前日を節分といい、季節の分かれ目を意味します。そこから現代では、2月3日ごろの立春の前日だけが「節分」として受け継がれたというわけです。
立春前日の節分では「鬼は外、福は内!」といいながら豆をまき、厄払いをします。その年の厄を払い、新しい年への準備をする行事ですね。

また近年では、恵方巻を食べる文化も広まっています。恵方巻を食べる理由は諸説ありますが、その年の恵方(縁起の良い方角)を向きながら、1本を食べきると願いが叶うとされていますよね。もちろん、黙って食べきるのもルールです。(参考:節分とは?何をする?由来や食べ物、地域ごとの違いは【専門家監修】|ベネッセ教育情報)

ちなみに立春と旧正月(春節)は混同されがちですが、この2つは意味や日付が違います。
詳しい説明は省きますが「立春と旧正月は違う」ということだけ頭に入れておきましょう。
というのも、現代でもアジアの国では旧正月を盛大にお祝いする文化が強いです。アジアの方に説明する際に混同して説明してしまわないよう、注意してくださいね。

3月の日本の行事
日付 | 名称 | ひとこと |
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3月3日 | ひな祭り | ひな人形を飾り、女の子の健康と成長を願う |
春分の日を中日とした、前後それぞれ3日 | 春のお彼岸 | ぼた餅を食べて、先祖の供養と邪気を払う |
3月の年中行事といえば、ひな祭り。女の子の健康と幸せを願う行事として、平安時代ごろに始まったとされています。
現代では女の子の無病息災を願って「ひな人形」を飾ることが一般的ですが、当時は災厄を託した人形を川や海に流していたのだそう。ちなみに地域によっては「流し雛」として、当時のひな祭りに近い風習が残っている場所もあります。
平安時代のころ、人形は「ひいな」と呼ばれており上流の少女の間で「ひいな(お人形)遊び」が流行していました。そこから長い年月をかけ、現代のひな祭りへと進化したのです。(参考:人形辞典:ひな祭りの歴史)

そして、春分の日を真ん中とした前後それぞれ三日間にあたるのが「お彼岸」です。
お彼岸は先祖の供養をする期間。宗派や地域により供養の仕方はさまざまですが、基本的にはお墓参りをしたり、仏壇に「ぼた餅」「おはぎ」を供えます。
ちなみに、ぼた餅はおはぎと同じ和菓子。しかし食べる時期が違い、春に食べるのは「ぼた餅」です。これは、春に咲く牡丹の花にちなんでいます。一方で「おはぎ」は秋に食べる和菓子で、秋に咲く萩の花にちなんだ呼び方です。
また、9月の秋分の日には「秋のお彼岸」もあります。基本的には3月の「春のお彼岸」と同じ行事ですが、お供えする和菓子の呼び方が「おはぎ」になるので、豆知識として覚えておくと面白いですね。
4月の日本の行事
日付 | 名称 | ひとこと |
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4月上旬ごろ | お花見 | 桜の花の美しさを鑑賞する行事 |
4月の年中行事といえば、お花見ですよね。
桜の花の開花にあわせた行事なので、時期は地域によって違います。沖縄では2月ごろ、北海道~東北では5月上旬ごろまで桜を鑑賞できることも。
現代では桜を鑑賞することが定着していますが、お花見がはじまったとされる奈良時代では「お花見=梅の花を観賞する」ことでした。そこから平安時代になると、桜の花をお花見することが主流へと変わります。宴をしたり、歌を詠み合ってお花見を楽しんでいたそうですよ。
現代でも、宴をするのは古くから変わらない風習。桜の花の美しさは、時代を越えてもなお日本人の心を癒してくれる存在なのですね。

5月の日本の行事
日付 | 名称 | ひとこと |
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5月5日 | 端午の節句(こどもの日) | 男の子の健康と成長を願い、鯉のぼりや五月人形を飾る |
5月上旬ごろ | ゴールデンウィーク | 春の大型連休で、日本独自のバカンスウィーク |
5月の伝統的な年中行事といえば、端午の節句(こどもの日)。もともとは中国から日本へ伝わり、奈良時代以降に定着したとされています。(参考:「端午の節句」の意味や由来、祝い方やマナーをまとめてご紹介)
現代では、端午の節句は「こどもの日」と祝日にも制定。鯉のぼりや五月人形を飾って男の子の健やかな成長を願う日です。柏餅を食べたり、菖蒲湯(しょうぶゆ)に入る方もいますよね。
その中でも外国人の目に留まるのが、鯉のぼり。色とりどりの見た目が人気で、訪日外国人のお土産に小さな鯉のぼりが選ばれることも多いです。
端午の節句に鯉のぼりを飾る理由は、中国の「鯉が激流を登り龍になる」という伝説から。男の子たちに困難を乗り越えて成功してほしいという願いが込められているのです。とくに町人文化が栄えた江戸時代ごろは、端午の節句の日になると町全体で鯉のぼりが飾られていたそうですよ。
外国人の方が鯉のぼりに興味を示した際には、こういった意味やエピソードも伝えてみると面白いかもしれませんね。

また、ゴールデンウィークも日本独自の行事。5月3日の憲法記念日、4日のみどりの日、そして5日のこどもの日と祝日が連なる大型連休です。少し前の4月29日にある昭和の日、そして土日や振替休日などが重なると1週間ほどの連休になる年もありますよね。
「ゴールデンウィーク」という名称の由来は諸説ありますが、有力なのは映画会社の宣伝文句という説。連休が重なるこの時期に映画を公開することで大ヒットを記録したことから「輝かしい週間=ゴールデンウィーク」と命名されたのだとか。(参考:ゴールデンウィークは映画会社の宣伝文句だった⁉ 今年はシルバーウィークも5連休!日本気象協会)
ゴールデンウィークは昭和ごろに生まれたとされ年中行事としては歴史が浅いですが、休暇の少ない日本人にとって貴重なバカンスウイークです。
6月の日本の行事
日付 | 名称 | ひとこと |
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6月1日 | 衣替え | 気候の移り変わりに合わせ、冬服から夏服へと移行する習慣 |
6月21日か22日 | 夏至の日 | 1年で最も昼が長い日で、半夏生餅(はんげしょうもち)やタコを食べる ※地域により異なる |
制服を採用している学校や会社などでは、6月1日に衣替えがあります。
実は衣替えは、平安時代から受け継がれている文化。海外では季節が変わらない国もあり、衣類を入れ替える習慣がない国も多いです。四季がある日本らしい年中行事といえるでしょう。
そして6月21日、もしくは22日は夏至の日。※年により異なる
夏至は「ミッドサマー」ともいわれ海外でも見られる行事ですが、国によって祝い方が違います。たとえばスウェーデンでは花の冠をつけてフォークダンスをしたり、蒸留酒や新じゃがなどの飲食を楽しみます。
一方で日本の夏至では、半夏生餅(はんげしょうもち)やタコを食べる習慣があります。※地域により異なる
これは夏至と田植えの時期が重なることから、収穫した麦で作った半夏生餅を食べたり、豊作を祈ってタコを食べるようになったのだとか。豊作とタコの関係性は「タコのように作物が根を張りますように」という意味があるそうですよ。(参考:【夏至とは】2024年はいつ?意味・風習・食べ物は?二十四節気や冬至まで徹底解説 |じゃらんニュース)
近年では、夏至の日におこなうキャンドルナイトも広まっており、変化をしつづけている年中行事でもあります。(参考:夏至(げし)ってどんな日? 2024年の夏至はいつ? 夏至の日に食べるものとは? | 東京ガス ウチコト)
7月の日本の行事
日付 | 名称 | ひとこと |
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7月7日 | 七夕 | 天の川を渡り出会う織姫と彦星にちなみ、願い事を書いた短冊を飾る |
7月7日ごろ~8月6日ごろ | 暑中見舞い | 夏におこなう、季節の挨拶・便り |
7月の年中行事でまず挙げられるのが、七夕。
織り姫と彦星が天の川を渡って出会う日とされ、笹の葉へ願い事を書いた短冊を飾る風習です。学校や商業施設などでも笹の葉が飾られたり、地域によっては盛大な七夕祭りがおこなわれる場所もあります。日本人なら年齢問わず、なじみの深い年中行事でしょう。

また、7月の小暑(しょうしょ)~8月の立秋前日までに出されるのが暑中見舞いの便り。厳しい暑さの季節、健康で無事に過ごしてほしいという思いを伝える季節の挨拶で、もともとは直接相手を訪ねて品物を渡していたようです。それが郵便制度の発達とともに、現代のようなはがき・便りを送る習慣へと変化しました。(参考:暑中見舞いの時期はいつからいつまで?基本マナーや書き方をイラスト・例文付きで解説 |じゃらんニュース)
形はかわっても夏の暑さの中で相手を気遣う、古き良き日本の精神が感じられますね。
8月の日本の行事
日付 | 名称 | ひとこと |
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8月13日~16日 ※地域により異なる | お盆 | 先祖の霊を迎え、供養する行事 |
8月の行事は、お盆。 ※地域により時期は異なる
先祖の霊を迎えて供養をする行事で、日本には古来から夏に祖先を祀る習慣があったとされています。そこへ仏教が伝来し、仏教にも夏に先祖を供養する行事があったことからお盆が定着したといわれています。つまり日本の祖霊信仰と仏教が融合して生まれた行事だといえるでしょう。
お盆の期間は、家族や親族で家に集まり先祖の霊を迎えるのが日本の習わしです。
さらにお盆の時期には、花火大会や盆踊りといった夏祭りが日本各地でおこなわれます。
浴衣を着てお祭りに出かけることも、日本らしい夏の行事ですよね。
9月の日本の行事
日付 | 名称 | ひとこと |
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9月上旬~10月上旬ごろ ※年により異なる | お月見 | 美しい月を鑑賞しながら、お月見団子を食べる行事 |
秋分の日を中日とした、前後それぞれ3日 | 秋のお彼岸 | おはぎを食べて、先祖を敬う行事 |
9月といえば、お月見の季節。1年で最も美しく満月が見えるとされる十五夜に、お月見団子とススキを供える行事です。
もともとは平安時代ごろに中国から伝わった、貴族たちが月を鑑賞し団子を食べる行事でした。そこから庶民へも広まり、作物の豊作を感謝したり祈る行事へと変化したようです。
さらに秋分の日を真ん中とした、前後それぞれ3日は秋のお彼岸。春のお彼岸と同じく、先祖を敬いお墓参りをしたり「ぼた餅」や「おはぎ」をお供えします。
春のお彼岸と違う点は、お供えする和菓子がぼた餅ではなく「おはぎ」と呼ばれること。基本的には2つとも同じ和菓子ですが、秋に咲く「萩の花」にちなんで「おはぎ」と呼ばれます。
10月の日本の行事
日付 | 名称 | ひとこと |
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10月中旬ごろ~11月下旬ごろ ※地域により異なる | 紅葉狩り | 美しい紅葉を鑑賞しに行くこと |
10月の日本の年中行事といえば、紅葉狩りです。
紅葉狩りとは、山や森を訪れ紅葉を楽しむことを指します。「狩り」といいますが、実際に紅葉を獲ることはしません。というのも、古くは野山に入り自然のものを探すことは「狩り」とされていました。きのこ狩りや潮干狩りなどがわかりやすいでしょう。
「大自然の中で季節の恵みを探す」ということから、紅葉狩りといわれるようになったとされています。
海外では紅葉というと、黄色から茶色になるだけ。日本のもみじのような真っ赤な紅葉は珍しく、外国人をも美しさで魅了します。
11月の日本の行事
日付 | 名称 | ひとこと |
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11月15日 | 七五三 | 3歳・5歳の男児、3歳・7歳の女児をお祝いする行事 |
11月の年中行事として挙げられるのが、七五三。
3歳・5歳・7歳の年になった子どもたちが無事に成長していることへの感謝、そしてこれからも健やかに育つよう神様に挨拶をする行事です。
神社で着物を着て千歳飴とともに写真撮影をしたり、写真館で記念撮影をする家族もいますよね。
実はもともと七五三は、それぞれ別々の3つの行事でした。
- 3歳:髪置きの儀
…髪を伸ばし始める儀式 - 5歳:袴着の儀
…男の子が袴を着用し始める儀式 - 7歳:帯解きの儀
…女の子が大人と同じ帯を結び始める儀式
※すべて数え年でおこなっていた
この3つの行事をまとめて「七五三」と呼ぶようになったのです。(参考:七五三はいつ祝うの?参拝や撮影にふさわしい年齢と2024年オススメの時期 | きものレンタリエのきもの豆知識)
3つの儀式の内容を見てみると子どもの成長を祝うとともに、子どもから大人への仲間入りを歓迎する行事にも感じられますね。
またこの3つの行事の名残りとして、男の子は3歳・5歳で、女の子は3歳・7歳でお祝いをします。

12月の日本の行事
日付 | 名称 | ひとこと |
---|---|---|
12月21日ごろ ※年により異なる | 冬至 | 1年で最も夜が長い日で、ゆず湯に入ったりカボチャを食べ、寒さへの準備をする |
12月初旬~12月25日ごろ ※地域により時期は異なる | お歳暮 | その年にお世話になった人へ品物を贈る習慣 |
12月31日 | 年越しそば | 長寿や健康を願い、大晦日に食べるそば |
12月は21日頃に冬至を迎えます。
冬至は1年で最も夜が長い日とされ、寒さも厳しくなります。そこで冬至では柚子風呂に入ったり、かぼちゃを食べるのが古くからの習わし。柚子やかぼちゃには風邪予防につながる栄養素が豊富なため、冬を健康で乗り越えるために適した食材なのです。
さらにこの時期、お世話になった方へ贈るのがお歳暮。地域により時期にやや違いはありますが、12月の初旬~12月25日ごろに贈られることが多いです。日本ではお歳暮を取引先へ贈ることも一般的ですが、欧米では取引先へ贈り物をする習慣はありません。クリスマスカードを送るなど似た習慣はありますが、日本のお歳暮文化に驚く外国人も多いですよ。
また、大晦日に食べる年越しそばも日本らしい年中行事。
年の瀬にそばを食べる理由は「細くて長いそばのように、健康で長生きできますように」という願いが込められています。そしてそばは麺が切れやすいことから、厄を断ち切るという意味も込められています。
英語で日本の伝統行事を紹介

ここからは、英語で日本の行事を伝えるときに役立つ例文を紹介します。
英語の例文|1月の日本の行事
まずは1月の年中行事を英語で説明してみましょう。
- お正月になると、日本人は神社やお寺に参り、家族の幸せや健康を祈願するのが一般的です
-
At New Year’s, Japanese people usually visit shrines and temples to pray for their family’s happiness and health.
- 日本のお正月は故郷に帰り家族とゆっくり過ごします
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Japanese New Year’s is time to go back to their hometown and spend a relaxing time with their family.
- 日本では成人たちを祝う式典「成人式」がおこなわれます
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In Japan, a ceremony called “Seijin-shiki” (Coming-of-Age Ceremony) is held to celebrate young adults.
英語の例文|2月の日本の行事
つぎに、2月の日本の年中行事を英文で説明してみましょう。
- 節分は厄除けの行事で、「鬼は外、福は内(悪魔は外に、幸運が入りますように)」と叫びながら豆まきをします
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Setsubun is an event to ward off evil spirits, and people throw beans while shouting, “Oni wa soto, fuku wa uchi” (“Devils out, happiness in”).
- 節分の日には、その年の吉の方角に向かって太巻き寿司を一本黙って食べます
-
People eat a single sushi roll in silence, facing the direction of the year’s good luck at Setsubun day.
英語の例文|3月の日本の行事
3月の年中行事は、英語で下記のように説明できます。
- ひな祭りは、女の子の幸せと健康を祝い、家に雛人形を飾る日です
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Hinamatsuri is a day of celebration for girls, celebrating the happiness and health of their daughters and decorating their houses with Hina dolls.
- この日は、ちらし寿司やはまぐり、白酒、ひなあられなど、特別な食事を楽しむことができます
-
You can enjoy special meals such as chirashi-zushi (scattered Sushi), hamaguri (clams), Shirozake (sweet white sake) and hina-arare (sweetened rice-flour cakes for offering at the Dolls’ Festival) at this day.
- お彼岸の期間は、先祖を供養するためにお墓参りをしたり「ぼた餅」と呼ばれる和菓子をお供えします
-
During the Ohigan period, people in Japan visit their ancestors’ graves to pay respects and offer a traditional sweet called “botamochi”.
英語の例文|4月の日本の行事
つづいて、4月の年中行事を英語で説明してみましょう。
- 4月は桜が満開になり、日本人はお花見を楽しみます
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In April, cherry blossoms are in full bloom and Japanese people enjoy cherry blossom viewing.
- 日本では4月から新年度が始まります
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Japanese new fiscal year starts in April.
英語の例文|5月の日本の行事
つぎに、5月の年中行事を説明する英文を紹介します。
- こどもの日はもともと男の子の成長をお祝いする日でしたが、今では性別に関係なく、すべての子どもの幸せをお祝いする日になっています
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“Kodomo no Hi” was originally a day to celebrate the growth of boys, but now it has become a day to celebrate the happiness of all children, regardless of gender.
- 男の子のいる家庭では、子供の成長を願って「鯉のぼり」という大きな魚の飾りを家の外側に飾るのが特徴です
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Families with boys decorate the outside of their houses with large fish decorations called “koinobori” to wish for the growth of their children.
- 日本では、4月末から5月初めにかけて「ゴールデンウィーク」と呼ばれる1週間の長期休暇があります
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In Japan, there is a week-long vacation called “Golden Week” from the end of April to the beginning of May.
英語の例文|6月の日本の行事
6月の年中行事を紹介する英文もみていきましょう。
- 6月になると、日本人は古くからの着物の習慣に則って、冬服から夏服に衣替えをします
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In June, Japanese people change their clothes from winter to summer in accordance with the ancient custom of kimono.
- 日本では夏至の日に、お餅やタコを食べます
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In Japan, people eat mochi and octopus on the summer solstice.
英語の例文|7月の日本の行事
つづいて、7月の年中行事を説明する英文の紹介です。
- 七夕伝説では、恋人同士の彦星(ベガ星)と織り姫(アルタ星)は、天の川の橋を渡って1年に1度だけ会えるといわれています
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In the Tanabata legend, it is said that the stars HIKOBOSHI (Vega) and ORIHIME (Alta), two lovers, can meet only once a year across the Milky Way bridge.
- 願い事を紙に書いて、竹につるすのが一般的です
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It is common to write your wish on a piece of paper and hang it on a bamboo.
英語の例文|8月の日本の行事
8月の日本の年中行事は、以下のように英語で説明ができます。
- お盆には先祖の霊が家族のもとに帰ってくると信じられており、家族で穏やかな時間を過ごします
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OBON is believed that the spirits of their ancestors come back to their family, and they spend a peaceful time together.
- お盆の時期には、花火大会や盆踊りなど日本各地で夏祭りが行われます
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During the Obon season, summer festivals are held all over Japan, including fireworks displays and Bon dances.
英語の例文|9月の日本の行事
つづいて、9月の年中行事を説明する英文をみていきましょう。
- 9月はお月見をする時期です
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September is the month of Otsukimi (the moon-viewing festival).
- お月見の日は、お団子とススキをお月様にお供えします
-
On the day of Otsukimi, people offer rice dumplings and pampas grass to the moon.
英語の例文|10月の日本の行事
10月の年中行事を説明する英文を紹介します。
- 紅葉狩りは葉を刈るのではなく、秋の気持ちのいい日に山や森を訪れて紅葉を楽しむことです
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Fall foliage hunting is not about raking leaves, but about visiting mountains and forests on a nice autumn day to enjoy the changing leaves.
- 日本では赤く色づくモミジの紅葉も見ることができます
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In Japan, you can also see maple leaves turning a vibrant red in autumn.
英語の例文|11月の日本の行事
つづいて、11月の年中行事を英語で説明してみましょう。
- 七五三は、3歳・5歳・7歳になった子どもたちが無事に成長したことに感謝し、これからも元気に育ってほしいと神様にご挨拶する祭事です
-
Shichi-Go-San is a festival for children who have reached the ages of three, five, and seven years old to express their gratitude for their safe growth and greet the gods for their continued healthy growth.
- 七五三の時期には、着物を着て千歳飴を持った子どもたちが神社に集まります
-
During the Shichi-Go-San (Seven-Five-Three) Festival, children wearing kimonos and carrying chitose candy gather at the shrine.
英語の例文|12月の日本の行事
それでは、12月の年中行事を説明する英文もみてみましょう。
- 冬至には柚子湯に入り、かぼちゃを食べて冬を乗り越えることが、古くからの日本の伝統的な行事です
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On the winter solstice, it has long been a tradition to take a yuzu bath and eat pumpkin, which is a traditional Japanese event to get over the winter.
- 日本では、その年お世話になった人へ感謝を込めて「お歳暮」という贈り物をします
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In Japan, people give gifts called “oseibo” at the end of the year to show appreciation to those who have helped them throughout the year.
- 大晦日の夜は年越しそばを食べ、一年の煩悩を払って清々しい気持ちで新年を迎えます
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On the night of New Year’s Eve, Japanese eat New Year’s Eve soba (buckwheat noodles) to rid ourselves of the worries of the past year and welcome the New Year with a refreshed mind.
【番外編】日本で進化した海外行事

最後に、日本で独自に進化した海外生まれの行事を紹介します。
日本文化にとけこんでいる海外生まれの行事はたくさんありますよね。たとえば、バレンタインデーやクリスマスなどは、海外から日本へ伝わった行事。現代では、日本でも一大イベントになっています。
しかし海外から伝わった行事の中には、日本の中で独自に変化をしたものも少なくありません。
外国人からも驚かれる、日本で進化した海外行事をみていきましょう。
海外生まれの日本の行事|2月 バレンタインデー
日本独自の変化をした行事としてまず挙げられるのが、バレンタインデーです。
日本のバレンタインデーは、女性から男性へチョコレートを渡す日。
一方で海外のバレンタインは男性から女性へ贈り物をしたり、恋人同士でディナーをしたりといった過ごし方が一般的です。贈り物も花束であったり、香水や旅行券などを贈る人もいるなどチョコレートに限りません。
日本のバレンタインデーにチョコレートを贈る文化が、チョコレート会社の戦略として広まったのは有名な話。さらに近年では「義理チョコ」「友チョコ」といった渡し方も増えており、日本独自のバレンタインスタイルといえるでしょう。
海外生まれの日本の行事|3月 ホワイトデー
3月のホワイトデーも日本独自の行事です。
ホワイトデーは海外にはないので、正確には日本生まれの行事。しかしバレンタインデーに付随して生まれた行事なので、海外行事から派生した文化といえるでしょう。
ホワイトデーは、男性から女性へ贈り物をする日です。ホワイトデーがどのように生まれたかは諸説ありますが、日本のお菓子会社の戦略だったという説が濃厚。
また日本生まれのホワイトデーは、韓国や中国にも広まっています。アジアを中心にホワイトデーの知名度もジワジワ広まりつつあるのです。
海外生まれの日本の行事|10月 ハロウィン
10月にあるハロウィンは、若者を中心に日本でも定番となっている行事。
この日には死者の魂が帰ってくると考えられており、故人を偲んだり仮装をして交流をする日だったそうです。日本でいうと「お盆」に近い感覚でしょう。
海外のハロウィンは仮装だけでなく、お墓の前で食事をしたり楽器の演奏がおこなわれる地域もあります。
その中で日本のハロウィンに強く影響を与えたのは、アメリカのハロウィン。アメリカでは仮装をして近所の家にお菓子をもらいに行ったり、パレードをおこなったりします。日本では「ハロウィン=仮装をする日」という印象が強いですよね。
海外生まれの日本の行事|12月 クリスマス
最後に、海外生まれの日本の行事といえばクリスマスです。
とくに日本ではクリスマス・イブが一大イベント。カップルや友人同士で高級なディナーを楽しんだり、チキンを食べることも主流です。
一方で海外のクリスマスは「家族で過ごす休暇」という位置づけ。イギリスではレストランやお店も完全休業するなど、いわば、日本の年末~お正月のような存在ですね。
またクリスマスツリーへのこだわりが強い国も多く、本物のモミの木を伐りに行ったり、スーパーで売られている光景も珍しくありません。
日本の精神・美意識が詰まった年中行事

日本の年中行事には、古き良き日本の精神・美意識が詰まっています。
季節の美しさを感じたり、誰かの健康を祈ったり、先祖への敬意を示したり…。年中行事がおこなわれる意味を知ることで、日本人の思想や文化を深く知ることができますね。
そして外国人にも、日本の年中行事を知ってもらうことで日本文化への関心・理解を深めてもらうキッカケになるでしょう。会話をする際にはお相手の外国人の年中行事や文化も聞いてみると話がはずむだけでなく、お互いの思想・文化の違いを理解することにも繋がりますね。
モテナス日本では、より深く日本文化を理解してもらうために伝統文化の体験企画などもおこなっています。通訳の手配はもちろん、企画内容をオーダーメイドすることができるので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

私たちは日本独自のおもてなし文化を世界の人々に広めるために日夜努力しています。外国人ゲストの接待・おもてなしに関するご相談もお気軽にお問い合わせください。