お隣韓国の大切なビジネスパートナーの来日には、せっかくなので喜んでいただけるのような接待を企画したいものですよね。
日本のお隣の国、韓国は近いからこそ、気になるマナーや習慣の違いがあり、ビジネスにおいても知っておくことはとても大切なポイントになります。
今回は、韓国人とのビジネスの際、気になるマナーについて知っておきたい基礎知識を紹介します。
韓国人接待をする時に、ぴったりな方法についても案内しますので、韓国人接待が決まった人に耳寄りな情報ですよ。
ぜひ本記事を参考にして、大成功の韓国人接待を企画してみてくださいね。
韓国のビジネスマナーについて
韓国では儒教の教えが浸透しているため、目上の方や年齢が上の方を敬い、家族や血縁をとても大切にします。
なので、ビジネスマナーの中にその影響があり、知っておくことは大切です。
こちらでは、韓国のビジネスマナーの中で、最も重要視されるマナーを中心に紹介します。
挨拶・握手
韓国の挨拶は、主にお辞儀と握手です。
年配の方はお辞儀が主流ですが、最近では握手が一般的な挨拶のマナーとして定着しているようです。
儒教国家である韓国では、初対面で年齢を尋ねられることがあります。
これは、年上の場合言葉遣いや態度を変えなければならないという背景があるからです。
なので、突然聞かれても気にしないで正確に答えましょう。
そして、握手をするのが韓国の挨拶の方法です。この時、目上の人から先に手を差し出します。
女性や目上の人に対して、先に手を差し出すことは控えます。女性は、目上の人以外には先に差し出すのが習慣となります。
握手は右手で行い、格上や年上の人と握手をする時は、左手を右手の肘より少し上に添えるか、胸の辺りに左手を添えます。
胸のあたりに左手を添えるのは、格上や年上の人へのお辞儀の際もマナーになるので覚えておくと上品ですよね。
握り方はアメリカ人のような硬く強い握り方ではなく、優しく握るのがマナーとなっているので、混同しないようにしましょう。
参照:韓国なんでも情報サイト「習慣とマナー」( 閲覧日2023年5月10日)
名刺交換
韓国のビジネスシーンでも、日本同様名刺交換はとても重要になります。
なので、韓国人とのレセプションや親睦会があるのなら、必ず多めに名刺を準備しておくことをお勧めします。
名刺交換をしたら、あとから名前を間違えるといったような失礼の無いように、かならず役職と名前の読み方を確認して覚えておきましょう。
韓国人の名前は、漢字表記でも日本人にとって難しい読み方や発音が多くあるので注意が必要です。
交換のタイミングでお伺いすれば、シンプルで失礼がありません。
また、メールは主流な連絡方法ですが、日本で主流のSNS「LINE」のような、韓国のSNS「kakaotalk」が主流ツールになっています。
日本における「LINE」のようにビジネスでも使用されているので、アカウントを作って名刺に記載しておくと相手に親切ですよ。
kakaotalk:https://www.kakaotalk.jp
上下関係
韓国では、上下関係がとても厳しいので、必ず役職を確認するのが習慣になっています。
韓国人とのビジネスでとても重要なポイントなので、役職の上下は必ず間違えないようにしましょう。
そして、相手を呼ぶ際には、かならず「任(ニム)」を付けます。
「任(ニム)」は日本の「様(さま)」になるので大切ですよね。なので、相手を呼ぶ際に【肩書き+任】または【名字+肩書き+任】と呼びましょう。
名刺交換の時に役職を確認すればスムーズですよ。
接待文化
韓国では、企画内容や提案が他のものより優れていたとしても、現行の方が親しい関係だからという理由で断られることが多いと言われています。
韓国人とのビジネスにおいて信頼関係がとても重要で、それを築き上げるための接待会食や接待宴会が頻繁に行われます。
なので、接待文化は日本よりも重要なので、失礼のない接待企画が必要になります。
失礼のない態度とは、接待の内容から目上の人に対してのマナーや態度が特に重要視されるようです。
韓国人接待で気をつけるべきポイント
こちらでは、韓国人の接待シーンのビジネスマナーについて紹介します。
では実際に、韓国人を接待する時に気をつけるポイントには、一体どんな部分があるのでしょう?
食事のマナー
韓国は日本のお隣の国ですが、食事のマナーに関しては、お互いにびっくりすることが多いシーンがよくあります。
例えば、韓国で座敷席のような床席で食べる時は、女性は立膝をたて、男性はあぐらを描くことが礼儀とされています。
女性の立膝は、現在ではスカートの場合が多く流石に見かけることはありませんが、男性のあぐらは自然な食事の姿勢とされています。
また、日本のマナーと真逆なものの代表例は、お茶碗や小皿などを手に持って食べること。
日本人としては必ず手にもって食べることがマナーとされているので、お互い不思議な気分になりますよね。
また、目上の人が食べ始めたら、自分も食べることができますし、目上の人が食べ終えたら、決して途中でも食事は中止しましょう。残すことはマナー違反にはなりません。
お酒のマナー
上下関係の厳しい韓国では、お酒や煙草についてのルールも上下の関係によって変わってきます。
例えば、年長者とお酒を飲む際には、格下や年下のものは、お酒を飲む姿を見られないように、横を向き、左手で口元を隠して飲みます。
目上の人にお酒を注ぐ時は、左手を瓶のそこや右手の肘あたりに添えるか、胸元に添えましょう。また、目上の人からお酒を注がれる時はコップを右手で持ち、左手を添えます。
最近では感覚的に薄らいできましたが、日本とは違い、女性がむやみに男性にお酌することは良しとされていません。
乾杯の際は、格上や年上の人から順に、グラスの高さが違います。格下の人は重なるグラスが最も下の位置で乾杯をしましょう。ちなみに韓国語の乾杯は「乾杯(コンペ)」。
このように、お酒の席では儒教の教えが強く残っているので、韓国式にマナーを合わせて挑みましょう。
お勧め参考記事:日本のマナーは海外からどう見える?外国人に伝えたい日本の礼儀作法・習慣について
参照:KONEST韓国が始まる、韓国が広がる。「韓国の飲酒文化」閲覧日2023年5月10日)
レストランの選び方
韓国人を日本で接待する時に、会食が多いのではないでしょうか?
韓国人に人気の和食といえば、高級とんかつ料理や串焼きに焼き鳥といった、お肉料理がやはり人気なんだとか。
そして、日本の肉料理が楽しめるとして、案外すき焼きも人気があります。食べ方や味付けも全く違うので、話題になりますよね。
そして高級すき焼き料理店は、座敷などの個室のお店も多いのでおすすめです。
懐石料理のように少量が少しづつ出てくるよりも、たくさんの料理が出てくるほうが豪華なイメージがあるそうです。
なので、居酒屋は韓国人観光客のお気に入りスポットとして、人気があり、接待会食や飲み会の会場としてセッティングするのもいいですよ。
高級居酒屋なら、個室もありますし料理もお酒も豊富なので、会食接待にもおすすめです。
ちなみに、中国人と同様に割り勘は御法度なので注意しましょう。
お勧め関連記事:外国人接待におすすめしたい東京のレストラン・居酒屋17選
参照:ソウルメイト韓国語学校 「韓国で人気の日本食トップ5を紹介」(閲覧日2023年5月10日)
韓国人接待におすすめの方法とは?
韓国人を接待する時に、おすすめの方法について紹介します。
具体的な接待方法から、訪日韓国人の接待にふさわしい日本文化体験での接待方法のアイデアを案内します。
会食接待
韓国人とビジネスをする上で、一緒に食事をすることはとても重要とされています。
接待会食は、親睦を深める目的として日本と同じように頻繁におこなわれています。
企画の斬新さよりも、信頼の方が重視されることが多い韓国企業。より親密な関係を築くためにも接待会食はしっかり企画しましょう。
よって会食接待は、韓国人とのビジネスを円滑に進めていくためには、多くの関係者と盛んに会食や宴会での接待を企画していく必要があります。
その際には、接待のマナーはとても重視されるので、日本人だからという理由だけで曖昧にすることはなく、目上の人に敬意を払う行動で振る舞うことはとても重要になります。
また、韓国人接待の場では、ゲストからの希望が出ることもあるので、柔軟に対応していきましょう。
参照:コリアワールドタイムズ 「中国朝鮮族経営者が語る韓国人と日本人の金銭・信用・接待の認識違い」閲覧2023年5月10日)
お土産
韓国は日本同様、お土産文化が根強くあります。
お近づきの印として、手土産の習慣もありますし、より親睦を深める目的のギフトもあります。
韓国は家族を大切にする国民でもあるので、相手のご家族にもプレゼントを贈ることはとても喜ばれます。
グループや社内へのお土産を渡す場合は、必ず上司と部下で品物を変えます。
クッキーなどを、たくさんお渡しして分けていただく時にも、上司の方への贈り物は少し格上のものをお渡しします。
このように、上下関係や家族関係を大切にした贈り物で、より好印象を抱いていただける傾向にあります。
韓国人接待での日本文化体験
特にご年配の方に多いのですが、第二次世界大戦の影響により、現在でも韓国では反日感情を抱く人々が多く存在するのも現実です。
一方、1998年に「日本の大衆文化解禁の方針」が発表されて以来、若い世代を中心に日本のポップカルチャーを中心に楽しまれている傾向があります。
なので、他の外国人への接待と同じ感覚を持って日本伝統文化を全面に押し出した接待は、あまり喜ばれる傾向にはありません。
ですが、来日韓国人の接待であれば日本文化体験は喜ばれる傾向にあります。
日韓での共通の文化もありますし、比較的新しい日本文化体験もあるので、先方の様子を確認しながら企画していきましょう。
以下、韓国人の接待におすすめの日本文化体験について5選、ご紹介します。
参照:訪日ラボ 「訪日韓国人観光客の特徴」(閲覧2023年5月10日)
Newsweek 「反日と日本好きの二極化が進む韓国」(閲覧2023年5月10日)
ウィキペディア 「韓国での日本大衆文化の流入制限」(閲覧2023年5月10日)
書道パフォーマンス
韓国にも存在する書道での日本文化体験は、アジア圏全体の文化としてのおもてなしができます。
韓国にももちろん書はあり、漢字もあります。
なので書道をキーワードにすればお互いの文化を尊重できますし親しみやすく、祝賀会や懇親会の場で書道パフォーマンスを企画するのはおすすめです。
お互いの今後のビジネスへの展望や願いを込めた文字を、金屏風や大きな和紙に書道家が力一杯に書いていただくことで、より親近感がわきますよね。
日本文化でありながら、アジアの大切な文字の文化。共にじっくり味わっていけばお互いの距離感が縮まっていくようなおもてなしになりますよ。
お勧め関連記事:書道で日本文化体験!外国人に人気の漢字パフォーマンスは?
空手
テコンドーは朝鮮半島の古武術や中国武術、そして日本の松濤館流空手を起源とする韓国の国技です。
なので空手は、韓国のテコンドーにもとてもよく似ているため、お互いの文化を共有する感覚でたのしむことができます。
武道の接待は、ゴルフ接待のように体を共に動かしながら親睦を深める側面があります。
せっかくなので日本文化と韓国文化をお互いに共有し、親睦を深めたい!と考える時の接待に一つのアイデアとしておすすめですよ。
お勧め関連記事:【空手が外国人に人気の理由】日本精神を学ぶチームビルディング事例
参照:オリンピック公式サイト 「テコンドー競技の起源|韓国発祥の武術」(参照2023年5月10日)
ジャパニーズウィスキー
ジャパニーズウィスキーが世界で人気を博してきたのは、ここ20年と言われています。
ウィスキーは元々、欧米の酒文化だったので日本古来の文化ではありません。
なので、ご年配の韓国人にも喜ばれる日本文化体験とも言えるでしょう。
ゆっくりと落ち着いた雰囲気のオーセンティックバーを貸切にして、極上のジャパニーズウィスキーを堪能していただく。
そんな、「新しい」日本文化でのおもてなしは、韓国人のご年配の方へおすすめですよ。
お勧め関連記事:日本らしい外国人接待 海外で大人気ジャパニーズウィスキー体験とお酒文化の違い
温泉
韓国にも銭湯や温泉といった文化があるので、韓国人にも親しみやすい日本文化体験としておすすめです。
温泉に入って、ゆっくりと親睦を深めるのも、お風呂文化がにている日本と韓国だからこそ、自然にできる接待方法。
特に日本の温泉旅館のおもてなしは、韓国の人にも好評で人気があります。
ですが、銭湯や温泉でのマナーが随所違うので、事前に説明できるといいですよね。
参照:韓国の銭湯を120%楽しむためのすべて 筆者Yujin Kim(閲覧日2023年5月10日)
中日新聞 もっとしりたい韓国の魅力 筆者 朴美姫(閲覧日2023年5月10日)
観光案内接待
ビジネスで来日された人の接待として、やはりお勧めなのが観光案内接待です。
東京の名所を一緒に回ることでお互いの親密さも増しますし、東京という場を楽しんでもらえるのが魅力のポイントです。
韓国と日本のにているポイントや違うポイントを一緒に体験できるので、親睦を深めるのにとても最適な接待方法ともいえるでしょう。
お勧め関連記事:外国人接待にぴったりな東京観光!エリア別おすすめスポットを紹介
まとめ
韓国は日本の隣国であり、共通した文化が多い国ですが、やはり文化や習慣に違いがあります。
韓国人との接待において、大切に気配りするポイントは、やはり上下関係の大切さと、信頼関係を築くこと。
接待のマナーは特に重要なので、事前にしっかりとチェックしておくことをお勧めします。
素敵な接待を企画して、お互いに大切な文化や習慣を尊重しながら、よきパートナーへと発展させていきましょう!
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