座禅の歴史|鎌倉時代に伝わり、現代の若者・外国人に注目されるまで

座禅の歴史|鎌倉時代に伝わり、現代の若者・外国人に注目されるまで

 

モテナス代表
モテナス代表

「座禅」が、若者や外国人からも注目されていることを知っていますか?

座禅は鎌倉時代、中国から日本へ伝わり、700年以上も受け継がれている修行です。

今回は座禅の歴史を深掘りしながら「座禅ってなに?」「座禅が注目される理由って?」といった疑問にも答えていきます。

座禅に興味がある方はもちろん、外国人の接待につかえる話題が欲しい、という方もぜひ読んでみてください。

※座禅の正式表記は「坐禅」ですが、当記事では認知度の高さから「座禅」の表記を使用しています

座禅の起源は中国?インド?

座禅の起源は中国?インド?

それでは、座禅がどこで生まれたのかをみていきましょう。

座禅とは|仏教「禅宗」の修行のひとつ

座禅の歴史をみる前に、まず「座禅とは何か」について詳しく知っておきましょう。

座禅とは、仏教の宗派の1つである「禅宗」の修行として用いられます。

座禅は「座=すわる」「禅=心を落ち着かせて考える」という意味。

正しい姿勢で座りながら、精神統一をおこなう修行が「座禅」です。

座禅と混同されやすいのが「瞑想」ですが、座禅と瞑想は目的が違うので、覚えておくと会話の話題としても面白いですよ。

座禅は修行が目的なのに対し、瞑想は「心の状態を改善・安定させる」ことを目的としています。

少し分かりにくい違いかもしれませんが、座禅はメンタルの改善を目的とするのではなく、あくまでも禅宗の修行としておこなわれるものだと思っておきましょう。

【禅宗】インドの僧侶により中国で生まれる

それでは、座禅を修行としている仏教の「禅宗」はどこで生まれたのかをみていきましょう。

禅宗は、インド生まれの僧侶「達磨大師(だるまだいし)」によって生まれたとされています。

達磨大師は5世紀ごろ、南インドにあった国の王子として生まれました。

そして自身の親にあたる国王を亡くした後に出家し、40年ほどインドで修行を積みます。

その中で、お釈迦さまが悟りを得たとされる修行「座禅」もおこなっていたそうです。

転機となったのは、師が亡くなったときのこと。

師から遺言を授かり「中国で正しい仏教を伝える」ことを頼まれるのです。

この遺言に従って達磨大師はインドから中国へ3年かけて移動し、中国の地で禅宗を生みだしました。

達磨大師が禅宗を成立させる中で、壁へ向かっておこなう座禅「面壁座禅」を9年も組んでいた、という伝説は仏教界では有名な話。

それほどまでに、達磨大師は座禅を大切にしていたということですね。

達磨大師の死後は、中国の弟子たちにより、禅宗は継承されていくこととなるのです。
参考サイト:「達磨大師 | 【公式】黄檗宗 少林山達磨寺 daruma.or.jp

鎌倉時代~江戸時代|座禅の伝来と盛隆期

鎌倉時代~江戸時代|座禅の伝来と盛隆期

達磨大師によって中国で成立した禅宗は、鎌倉時代のころに日本へ伝わります。

その時代の中国(宋)へ日本人僧侶が修行へ行き、帰国した後に禅宗を日本へ広めました。

それでは、鎌倉時代〜江戸時代における座禅や仏教の広まりをみていきましょう。

宗派・座禅の形式が多様化する

禅宗は中国で修業をした僧侶によって日本で広められましたが、その中で宗派や座禅の形式が多様化します。

  • 曹洞宗(そうとうしゅう)
    …座禅は壁に向かって座りおこなう。悟りは求めず「修行をおこなう」ということを大切にする宗派。
  • 臨済宗(りんざいしゅう)
    …道場の内側に向かって座り、座禅をおこなう。問いに対して自分の見解を出し、師匠と問答をおこなうことが特徴の宗派。
  • 黄檗宗(おうばくしゅう)
    …念仏を唱えてから座禅をおこなう。来日した中国の僧侶によって広められた宗派で、念仏の言葉が古来の中国のものであることも特徴。
    参考サイト:「坐禅の歴史~「坐禅」を知る 第2回 seikeidenron.jp

一口に「禅宗」といっても座禅の仕方は異なり、考え方も違うことがわかります。

上記の宗派は鎌倉時代には日本に存在していたとされ、現代も大切に受け継がれています。

座禅の里「永平寺」が建てられる

西暦1244年、越前(今の福井県)に永平寺という寺が建てられました。

▼福井県に現存する「永平寺」
福井県に現存する「永平寺」
画像引用元:「大本山永平寺|おすすめの観光スポット|【公式】福井県 観光/旅行サイト | ふくいドットコム fuku-e.com

永平寺は座禅の修行をする目的として建てられたお寺で、現代でも国内外問わず、多くの人々が訪れる場所です。

まさに「座禅の里」といえるお寺ですね。

この永平寺を建てたのは中国で修行を積んだ「道元禅師(どうげんぜんじ)」という僧侶。

道元禅師は日本に帰国した後、座禅のあり方から作法までを「お釈迦さまがおこなった形式」に正した人物としても知られています。

「座禅」という修行を大切にし、後世に受け継ぐために永平寺が建てられたことがわかりますね。
参考サイト:「【公式サイト】大本山永平寺ホームページ daihonzan-eiheiji.com

永平寺が建てられてから少し時代は経ちますが、禅宗には以下のようなお寺も現存しています。

  • 東福寺(とうふくじ):1255年開創
    …臨済宗(りんざいしゅう)東福寺派の大本山。建設に約19年が費やされ、火災などにより数回被災するも、復興し現存している。なお、臨済宗には14の大本山がある。

  • 萬福寺(まんぷくじ):1661年開創
    …黄檗宗(おうばくしゅう)の総本山。古来の中国様式を取り入れた建物は、国の重要文化財にも指定されている。

いずれのお寺も数百年の歴史を誇り、禅宗や座禅を現代まで大切に受け継いでいます。

徳川幕府により、仏教の威力が強まる

江戸時代になると「寺壇制度(じだんせいど)」によって禅宗を含む、仏教の威力が強まります。

寺壇制度とは、家族の葬祭を1つのお寺にお願いする専属契約のようなものです。

もともとは公家や武家などの財力がある人々のみおこなっていましたが、江戸時代では大衆もおこなうようになり、国民全体で経済的にお寺を支えていくようになります。

さらに、お寺は江戸幕府から戸籍管理を任されるようにもなりました。

現代でいう「身分証」や「転出届」といったものも、お寺が発行していたそうですよ。
参考サイト:「寺請制度とは?その目的と制度の由来を解説 | 家系図作成の家樹-Kaju- ka-ju.co.jp

こうして、お寺は江戸時代において重要な役目を担う場所となり、仏教の威力も強まるとともに「座禅」を後世へ受け継ぐことにもなりました。

明治時代~現代|逆境を乗り越え、若者・海外へも広まる

明治時代~現代|逆境を乗り越え、若者・海外へも広まる

鎌倉時代から江戸時代まで大切に受け継がれてきた「座禅」ですが、明治時代には衰退の危機も訪れます。

それでは、明治時代に起こった危機と現代における座禅の立ち位置をみていきましょう。

明治維新による仏教衰退の危機

明治時代になると仏教、そして座禅は衰退の危機に直面します。

「廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)」という、仏教を排除するできごとが起こったのです。

廃仏毀釈については人により見解が違いますが、当時の薩摩藩にあった妙円寺という寺院のサイトから内容を抜粋してみました。

「あくまで、神社内における神仏習合を一掃し、天皇の神権的権威のもとに神道の国教化をはかるためのものでした。しかし、この政策を発端として、明治まで身分が低く、僧侶の下に置かれていた神官(神主・宮司)達が便乗し、全国各地で寺院の仏堂や仏像、仏具、経典、仏画、絵巻物などを破壊し、焼き払い、土地や財産をも剥奪する活動が引き起こされました。」
引用元:「廃仏毀釈|法智山 妙円寺 | 法智山 妙円寺 myoenji.jp

つまり、明治時代の初期に数々の寺や仏像が破壊されるといった「仏教の破壊活動」がおこなわれてしまったのです。

そこから数年間この弾圧はつづきますが、僧侶たちの信念の甲斐もあり、仏教禁止令は解かれることとなります。

こうして仏教とともに「座禅」も復興し、現代まで大切に継承されていきます。

若者たちから「リラックス効果」が支持される

現代において、座禅は若者からも支持されています。

とくに20代からの人気が高く、座禅で心を整えることで悩み・ストレスを癒したいと感じる若者が多いようです。
参考サイト:「座禅・断食・山伏…若者が修行するわけ 寺で体験が人気:朝日新聞デジタル asahi.com

この記事の前半で「座禅と瞑想の違い」を説明しましたが、本来、座禅には心を整える目的はなく「修行」が目的。

とはいえ座禅で心を無にすることで、結果としてリラックス効果やストレス軽減の効果が期待できるともされています。
参考サイト:「總持寺 世界禅Challenge zen-in-one.jp

SNSや仕事などを通して、多すぎる情報・人間関係に疲れてしまいがちな現代人にこそ、心を無にする座禅は支持されるのかもしれません。

また座禅体験だけでなく、精進料理や写経といった、僧侶と同じ「修行」の体験プランを用意する寺も多く、これが非常に人気だそうです。

▼曹洞宗の大本山「總持寺(そうしじ)」による、座禅イベントの様子
曹洞宗の大本山「總持寺(そうしじ)」による、座禅イベントの様子
画像引用元:「總持寺 世界禅Challenge zen-in-one.jp

かつては「修行」としておこなわれていた「座禅」が、イベントや体験プランといったかたちで気軽に参加できるのは、現代の特徴といえます。

興味をもった人たちが気軽に体験できることで、鎌倉時代から続く「座禅」を未来へ受け継いでいく1歩になるでしょう。

海外の著名人・セレブたちも注目する存在に

座禅は、海外の著名人やセレブにも注目されています。

たとえばアップルの創設者であるスティーブ・ジョブズも、生涯、座禅をおこなっていたことで有名です。

実は、ジョブズ氏は20歳のときにはじめてアメリカで座禅道場の門を叩くのですが、これが日本人僧侶が開いた座禅道場だったというから驚きです。
参考サイト:「スティーブ・ジョブズと禅 – 表千家茶道教室薫風会 omotesenke-kunpukai.com

また旧ツイッター(現:X)の創業者エヴァン・ウィリアムズなど、海外のトップ経営者たちが座禅を学んだり、ライフスタイルに取り入れています。

このような著名人・セレブたちの影響もあり、海外における座禅への注目度も高まってきています。

700年以上も、人々の心を整えてきた「座禅」

700年以上も、人々の心を整えてきた「座禅」

座禅は、700年以上も日本で受け継がれてきました。

そして現代では若者や外国人たちからも支持され、時代が変わっても座禅が人々の心を整えてくれることは変わりません。

また数百年という歴史のあるお寺でおこなう座禅は、若者や外国人にとって非日常を味わうことができ、思い出に残る時間になるでしょう。

モテナス日本では「お寺を貸し切っての座禅体験」「通訳付きの座禅体験」などをオーダーメイドでご提案が可能です。

もちろん、お客様の年代・性別、目的などにあわせてアレンジも可能なので、ぜひお気軽にご相談ください。

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