
津田修吾だるまは「縁起物」として有名ですが、それを外国人のゲストに手渡すとき、意味まで説明できますか。
日本文化に慣れている立場だからこそ、「本当にこの体験でよいのか」「誤解を生まないか」と迷う場面は少なくありません。相手に失礼がなく、かつ印象に残る日本文化体験を選ぶのは、意外と難しいものです。
本記事では、だるまを単なる縁起物としてではなく、日本人の価値観や考え方を“体験として伝えられる文化”として整理します。由来や目入れ、色の意味を、外国人にも説明しやすい判断軸として解説するため、接待や研修の準備にそのまま活用できます。
これまで外国人向けの文化体験を数多く設計してきた視点から、「何を押さえれば失敗しないか」だけを、わかりやすくまとめました。特別な知識がなくても、読み進めるだけで使いどころが見えてきます。
だるまの由来と歴史

だるまは現在、願掛けや縁起物として知られていますが、その背景には、日本人が大切にしてきた考え方や振る舞いの積み重ねがあります。外国人向けの接待や研修で紹介する際には、由来を年表的に説明するだけでなく、なぜこの形や習慣が受け継がれてきたのかを言葉にできることが重要です。
ここでは、だるまの由来と歴史を「日本人の価値観がどのように形になったのか」という視点で整理します。

達磨大師と禅の思想
だるまの起源は、禅宗の祖とされる達磨大師にさかのぼります。達磨大師は、長い年月にわたり坐禅を続けた人物として伝えられ、その姿は、結果よりも内面を整え続ける姿勢を象徴しています。
この思想の影響から、だるまは手足を省いた形で表現されるようになりました。重要なのは形そのものではなく、考えを保ち続ける生活の姿勢が重視されてきた点です。だるまは、完成された存在ではなく、努力や修養の途中にある状態をあらわしています。

起き上がり小法師と再起の象徴
だるまが倒れても起き上がる構造は、起き上がり小法師の影響を受けています。この仕組みは単なる玩具的な工夫ではなく、困難に直面したあとに立て直す態度を視覚的に示すためのものです。
日本社会では、失敗を避けることよりも、やり直し続ける姿勢が評価されてきました。だるまは、その考え方を日常の中で思い出すための存在として用いられてきたのです。縁起が良いとされる理由も、幸運を保証するからではなく、継続する意思を支える象徴である点にあります。
高崎だるまが全国に広がった背景
現在主流となっている高崎だるまは、群馬県を中心に広まりました。江戸時代、地域の暮らしを支えるために作られ、農民や商人にとって身近な存在として定着していきます。高崎だるまが全国に広まった理由の一つは、目入れという分かりやすい手順があったことです。
願いを立て、一定期間取り組み、節目で振り返るという流れを、だるま一体で表現できました。この背景を踏まえると、だるまは単なる工芸品ではなく、日本人の考え方や意思決定の進め方を映し出す文化的な役割として説明できるようになります。
だるまの「意味」とは何か|七転び八起きの本当の解釈

だるまの意味は、「転んでも起き上がる縁起物」という説明だけでは十分ではありません。接待や研修の場で求められるのは、なぜその姿が日本人に受け入れられてきたのか、そしてどのような考え方を象徴しているのかを、具体的に伝えることです。
だるまは、成功や幸運を保証する存在ではありません。途中でつまずくことを想定したうえで、それでも前に進もうとする姿勢を表しています。この考え方は、日本人の仕事観や学びの捉え方と深く結びついています。

再起・継続・未完成を前提に進む姿勢
だるまは、倒されても自然と起き上がる形をしています。これは「失敗しない」という意味ではなく、一度止まっても、立て直して進み直すことを当然とする考え方を示しています。日本文化における「七転び八起き」は、常に順調であることよりも、やり直しながら続けることに価値を置く発想です。
だるまは、最初から完成した存在ではありません。途中段階のまま置かれ、時間をかけて意味が重なっていく存在として扱われてきました。この点は、成果よりも積み重ねを重視する日本的な感覚を説明する際に重要な視点になります。
日本人が共有してきた価値観
だるまに重ねられてきた考え方は、個人の願い事に限られません。地域社会や仕事の場面でも、だるまは次のような姿勢と結びついてきました。
- 一度で結果を出そうとしない考え方
- 続ける意思を、形として外に示す態度
- 途中経過を受け入れながら前に進む構え
これらは、日本人が長い時間をかけて身につけてきた行動の型でもあります。だるまは、そうした姿勢を目に見える形で共有するための象徴として使われてきました。
仕事や学びへのつながり
このだるまの意味は、現代の仕事や学びの場面とも自然につながります。特に、目標設定やチームでの取り組みにおいて、だるまは象徴的な役割を果たします。
| 観点 | だるまが示す考え方 |
|---|---|
| 目標 | 最初から完成を求めない |
| 取り組み | 途中経過を前提に進める |
| 失敗 | 途中経過として受け入れる |
| 成長 | 継続の中で形づくられる |
このように説明することで、だるまは「縁起物」ではなく、日本人の思考様式を体験的に理解するための文化的象徴として伝えることができます。接待や研修の場では、「日本では、結果よりも“続ける姿勢”そのものを大切にする」という文脈を補足することで、だるまの意味はより深く共有されます。

だるまの目入れの意味|願掛けではなく「意思表明」の行為

だるまの目入れは、「願いを叶えてもらうための儀式」と説明されることが多いものです。しかし接待や研修の場で外国人に紹介する場合、その説明だけでは十分とは言えません。
目入れは本来、自分の目標や決意を言葉にし、それを「形として外に出す」ための慣習と捉えると、日本文化としての背景が伝えやすくなります。

片目と両目に込められた意味
だるまが最初から完成した姿で描かれていないのは、偶然ではありません。片目を入れることは「目標を定めたことを周囲に示す段階」、両目が入る状態は「一定の取り組みを積み重ね、一つの節目を迎えた状態」を表しています。
| 状態 | 意味の捉え方 |
|---|---|
| 片目のだるま | 目標・決意を外に示した段階 |
| 両目のだるま | 行動を続け、一つの区切りを迎えた状態 |
重要なのは、最初に「完成していない姿」をあえて掲げることです。未完成を前提に進む姿勢は、日本人が長く共有してきた価値観の一つと言えます。
目に見えるかたちで「決意」を示す文化
目入れは、心の中で決めるだけの習慣ではありません。決意を言葉にし、手を動かして形に残すことで、日常の中に置くという特徴があります。
このような考え方は、日本文化のさまざまな場面に共通しています。
- 書道で言葉を書くことで、気持ちや考えを整理する
- だるまを置くことで、日々その目標を視界に入れる
- 結果だけでなく、取り組み続ける過程を重視する
目入れは、「始めたことを忘れないための仕掛け」であり、自分自身に対する継続の約束を形にしたものだと言えます。
外国人にどう説明すれば伝わるか
外国人に説明する際は、「願いが叶う」という表現に頼るよりも、なぜその習慣が生まれ、どう使われてきたのかを伝える方が理解されやすくなります。
たとえば、次のように整理できます。
- 目入れは、願いを他者に託すための儀式ではない
- 自分の目標を言葉にし、形として残すための慣習
- 未完成の状態を肯定し、続けることを重視する考え方
このように説明すると、だるまは単なる縁起物ではなく、意思決定や目標との向き合い方を示す日本文化の一例として位置づけることができます。
接待や研修の場でも、「なぜ最初は片目なのか」「なぜ完成していない姿を飾るのか」を説明できれば、だるま体験は意味のある日本文化体験として成立します。

だるまの色の意味|願いを言語化する象徴体系

だるまの色は、単なる装飾や好みの問題ではありません。色は「どんな願い・意思を外に示すのか」を言語化するための象徴として使われてきました。そのため、接待や研修の場では「なぜこの色を選んだのか」を説明できることが大切です。
赤・白・黒・金・青・緑・ピンクの意味
代表的な色と意味は、次のように整理できます。
| 色 | 主な意味 | 説明のポイント |
|---|---|---|
| 赤 | 再起・健康・厄除け | 困難から立ち上がる意思を示す色 |
| 白 | 原点・新しい始まり | ゼロからの再出発を象徴 |
| 黒 | 決断・守る覚悟 | 責任や覚悟を引き受ける姿勢 |
| 金 | 目標達成・成果 | 結果に向けた集中と達成意識 |
| 青 | 学び・成長 | 継続的な努力や知的成長 |
| 緑 | 調和・安定 | 人間関係や組織の安定 |
| ピンク | 思いやり・縁 | 関係性を育てる意思 |
重要なのは、色が「運を呼ぶ力」ではなく、願いや意思の種類を可視化するための記号として使われている点です。
色は「運気」ではなく「願いの種類」を示す
だるまの色は、「どの運気が上がるか」を占うものではありません。自分が何を大切にし、どんな方向に進みたいのかを明確にするための選択です。
たとえば、 赤は「成功するから選ぶ」のではなく、 再起や継続に向き合う覚悟を示す色として選ばれます。この考え方で説明すると、外国人にも「色=価値観の表明」として理解してもらいやすくなります。
組織・チームでの使い分けという視点
だるまの色は、個人だけでなく組織やチームでも活用できます。
- 青:学びや育成を目的とした研修
- 緑:多国籍メンバーの関係構築
- 金:プロジェクトの達成目標共有
- 赤:困難な局面からの再スタート
このように色を選ぶことで、言葉にしにくい組織の意図や価値観を、視覚的に共有できます。接待や研修の場では、「この色は、今回の目的を象徴しています」と説明できるかどうかが、だるまを文化体験として成立させる大きな分かれ目になります。
だるまは「縁起物」だけでは足りない|接待・研修で選ばれる理由

だるまは日本では古くから縁起物として親しまれてきました。しかし、外国人向けの接待や研修の場では、「縁起がよいから」という説明だけでは体験として成立しにくいのが実情です。
大切なゲストを迎える場面では、「なぜこの文化を選んだのか」「その体験を通して何を感じ取ってほしいのか」を言葉で説明できること自体が、配慮や敬意として受け取られます。
だるまは、「目標を言葉にする」「形に残す」「継続を前提に扱う」といった一連の流れを通じて、日本人の価値観を具体的に伝えられる文化です。その点を整理して説明できてこそ、接待や研修で選ばれる存在になります。

なぜ「意味が説明できる体験」が必要なのか
外国人接待や研修では、文化そのものよりも「その時間を通して、どんな考え方に触れてもらうのか」が重視されます。意味づけが曖昧なままの体験は、「珍しいものを見た」「日本らしい時間だった」という印象で終わってしまいがちです。一方で、だるまは具体的な振る舞いと意味を結びつけて説明できる文化です。
- 目入れ:目標を声に出し、だるまに向き合って手を動かす
- 起き上がる形:倒れても自然に戻る様子を目で確認する
- 片目の状態:達成前の状態をあえて残しておく
こうした一つひとつの動作や状態を言葉で補足することで、
体験は単なる見学ではなく、価値観を共有する時間へと変わります。
だるまがビジネス文脈に合う理由
だるまが接待や研修と相性がよい理由は、日本人が大切にしてきた考え方と、ビジネスの在り方が重なる点にあります。
| だるまに込められた考え | ビジネス・研修での意味 |
|---|---|
| 七転び八起き | 失敗を前提に挑戦を続ける姿勢 |
| 片目から始める | 目標を明確にし、行動を始める |
| 未完成で進む | 完璧を待たず、継続する |
結果ではなく、姿勢やプロセスを重んじる文化である点が、だるまをビジネス文脈でも説明しやすい存在にしています。そのため、だるまは「日本らしさ」を象徴するだけでなく、価値観を共有するための日本文化体験として活用しやすいのです。
体験して初めて分かる、だるまという文化

だるまは、由来や意味を知識として理解するだけでは、その価値が十分に伝わりません。自分で考え、手を動かし、意思を外に示すプロセスを通して初めて、日本人が共有してきた価値観が立ち上がる文化です。接待や研修の文脈でだるまが選ばれる理由も、この「体験を通じた理解」にあります。

絵付けと目入れが生む内省と対話
だるまの絵付けや目入れは、単なる作業ではありません。自分は何を目指しているのか、どこに向かおうとしているのかを言葉にし、それを手の動きとして表す時間です。色や表情を選び、筆を持ち、最後に目を入れるまでの過程で、参加者は自然と自分自身の考えを整理していきます。
その途中で生まれる沈黙や言葉のやり取りが、参加者同士の理解や共有を深めていきます。
接待・研修での活用イメージ
だるま体験は、外国人ゲストにとっても理解しやすい構造を持っています。それは「願う文化」ではなく、目標を言語化し、それを目に見える形で示す日本的な考え方として説明できるためです。
接待や研修の場では、次のような気付きが自然に生まれます。
- なぜ日本では、結果よりも取り組む姿勢や継続が重視されるのか
- なぜ完成を急がず、途中の状態を受け入れながら進むのか
- 個人の考えを、場に共有すること自体に意味があるのはなぜか
これらは説明だけでは伝えにくい内容ですが、だるま体験を通じることで、無理なく共有できます。

「見る文化」から「関わる文化」へ
多くの日本文化体験は「見る」ことで終わりがちです。一方、だるまは関わることで意味が生まれる文化です。
以下の比較を見ると、その違いが分かりやすくなります。
| 観点 | 見るだけの体験 | だるま体験 |
|---|---|---|
| 参加度 | 低い | 高い |
| 記憶への残り方 | 一時的 | 判断や決意と結びつき長く残る |
| 説明のしやすさ | 難しい | 意味を言語化しやすい |
だるまは、完成品を眺める文化ではありません。自分の意思を込め、未完成のまま進み続ける姿勢を体感する文化です。だからこそ、接待や研修といった重要な場面でも、安心して提案できる体験となります。
モテナス日本のだるま体験

だるまは、意味を知るだけでは文化体験として十分とは言えません。自分の手で関わり、考え、形に残すプロセスを通して初めて、「なぜこの形なのか」「なぜこの習慣が続いてきたのか」が理解される文化です。
外国人を迎える接待や研修の場では、説明を聞くだけの体験よりも、参加し、判断し、形を残した体験のほうが記憶に残りやすくなります。モテナス日本では、だるまの意味が自然に伝わるよう、参加・内省・対話が生まれる流れを重視して体験を設計しています。
職人の現場で「自分のだるま」に向き合う体験
体験は、だるまが生まれる制作現場を訪れるところから始まります。職人の仕事を間近で見ながら、形や表情、色に込められた背景を聞くことで、だるまは「完成品」ではなく、考え方や思想を映した制作物として理解されていきます。
そのうえで、参加者自身が絵づけや目入れを行います。どんな表情にするか、どの部分に目を入れるかを考える時間は、自分が何を目指しているのかを整理する時間でもあります。
完成しただるまは、単なる記念品ではありません。「なぜこの表情なのか」「なぜこのだるまになったのか」を説明できる存在として、体験後も手元に残ります。

だるまゆかりの場を訪れ、目入れを「区切りの時間」として体験する
目入れ体験は、だるまにゆかりのある寺院など、意味のある場所で行われることもあります。静かな空間で由来や歴史に触れたあとに目を入れることで、その一筆は単なる作業ではなく、自分の意思を外に示す区切りの時間として受け取られます。
想いを言葉にし、その後に目を入れるという流れを踏むことで、だるまは「願いを託す物」ではなく、自分の決意を形として残す象徴へと変わります。
これは宗教的な儀礼を体験することが目的ではありません。場所・背景・手順が結びつくことで意味が深まるという、日本文化の特徴を体感してもらうための設計です。

体験価値を高めるには

だるまは、由来や意味を知るだけでは十分に伝わる文化ではありません。「どの場面で、何を体験し、何を共有するのか」まで整理されて初めて、接待や研修の場で意味を持ちます。
背景を聞かないまま目入れをしたり、説明のないまま制作現場を見学したりすると、体験は単なるイベントで終わってしまいます。一方で、意味を理解したうえで目標を言葉にし、筆を入れ、その時間を場で共有する流れがあれば、だるまは日本人の価値観を自然に伝えられる文化体験へと変わります。
参加者の国籍や立場、目的によって、適切な説明や体験の組み立て方は異なります。その調整まで含めて設計できる専門家と組むことで、「この場面なら、こう進めればよい」という判断がしやすくなり、失敗しない日本文化体験につながります。

・元プロボクサー 柔道有段者 アームレスリング選手
・元飲食店5店舗の代表取締役であり、飲食業界の総合コンサルタント、広告クリエイター
・独自の視点と挑戦を続ける姿勢で、SEOやWebマーケティングに関する記事を執筆しLPのコンバージョン率UP
・海外でのビジネス経験を持ち、国際的な視点からもアプローチ
・現在、山奥で狩猟生活|Web戦略・SEO・LP制作・チャットボット構築支援を行う
・生成AI×プロ編集でSEO記事制作を推進。勝てるキーワードから集客導線を設計。
・構成設計からHTML入稿、効果測定まで伴走。




