オーストラリア人は接待がない?!気をつけるべきビジネスマナーと会食について

Mayumi Folio
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接待がないと言われるオーストラリア。

とは言っても、来日されたのなら何かおもてなししたいのが日本人ですよね。

オーストラリア人が来日された時、オーストラリアのビジネスマナーを理解しておくことは大切です。

とてもスマートな対応ができ丁重にお迎えできますし、心伝わるおもてなしになります。

本記事では、オーストラリア人とのコミュケーションのポイントと、オーストラリアのビジネスマナーについての紹介です。

また、オーストラリアの特別なお客様向け日本文化体験接待企画についても、ご紹介しますので是非参考にしてみてくださいね。

オーストラリアのビジネスマナー

平等という言葉を尊重し、体現しているオーストラリアのビジネスマナー。

オーストラリアのビジネスマナーを知ることで、より円滑なビジネスを進めることができます。

こちらでは、失礼のない対応ができるオーストラリアのビジネスマナーについて紹介します。

オーストラリア人の価値観、メイトシップとは?

オーストラリアのビジネススタイルには、この「メイトシップ」という考えが重要です。

「メイトシップ」とは、友情、忠誠心、平等を意味し、オーストラリアの文化に内在するものです。

「mateship(メイトシップ)」は一般的に友人に適用されますが、この価値観は通常、従業員とリーダーの関係にも浸透しており、その結果、より協力的でリラックスしたワークスタイルになっています。

平等主義的な社会であるオーストラリアの職場では、上下関係はあまり重視されていません。

誰もがファーストネームで呼ばれ、多くの上司はオープンで、部下が容易にコミニケーションできます。

このような平等主義的な考え方は、従業員に職場での発言権を与え、よりリラックスしたマネジメントやコミュニケーションスタイルを実現することになります。

これは、「メイトシップ」という平等主義的な概念に由来しています。

オーストラリアのビジネススタイルがとてもリラックスしているのは、このメイトシップの価値観からなのです。

時間厳守と効率性

オーストラリア人は日本人に比べると、少し時間にルーズな国民性と言われています。

ですが、ビジネスの場面では時間は案外正確です。

特に初対面の場合、遅れることはかなりのマイナスイメージになるので、時間厳守が大切になります。

しかし、プライベートや仕事の後の待ち合わせには、大体15分ぐらい遅れることが主流といわれているので、相手が遅刻してきても大目に見てあげましょう。

そしてオーストラリア人は、効率性をとても好む人が多いのが特徴ともいわれます。

ですが、オーストラリアのビジネス文化では、トップマネジメントが部下に相談するのが一般的。

このようにとても協調的であるため、意思決定は通常より遅くなり、プロジェクトに時間がかかることもありますが、基本的にオーストラリア人には効率よく時間厳守が求められます。

何事もストレートに

オーストラリア人とのビジネスでの取引や、本題についての曖昧な表現や前置きは避け、交渉はあまり習慣的ではなく単刀直入に行いましょう。

回りくどい言い方や、結論が遠くなるようなやりとりは嫌悪されることが多いので、何事もストレートに進めます。

会議などで率直な意見を交わすことが多いので、「個人的に責められた…。」と考えることはやめましょう。

彼らはディスカッションをすることへの恐れがあまりないとも言われ、率直に意見を交わすのです。

あくまで仕事は仕事というスタンスが一般的です。

オーストラリア人との仕事には、協調性をしっかり持って、自分の意見はしっかり主張しながらも謙虚な態度で挑みましょう!

苗字ではなく名前で呼ぶ

ビジネスシーンでも結構早い段階から、オーストラリア人は苗字ではなく名前やニックネームで呼び合います。

ですが、初対面では、Mr.やMrs,Ms.やSirの後に、苗字をつけて呼びますが、かなり早い段階でファーストネームやニックネームで役職を超えて呼び合います。

日本人からすると、仕事上の相手を呼ぶ時に、苗字から名前へと切り替えるタイミングがとても難しいですが、状況をみながら判断していくことをおすすめします。

政治家でも医者でも弁護士でも教授でも「先生」とは呼ばず、名前で呼ぶほどファーストネームが一般的。

なので、いつまでも苗字で呼ぶことは、なんて冷たいんだろう…と感じるそうです。

オーストラリア人には親近感を深めるためにも、必ず名前で呼び合うようにしましょう。

自慢話はタブー

オーストラリア人にとって、とても大切な概念の一つに「平等」という言葉があります。

だからなのでしょうか、自己アピールは大切ですが「自慢」や「誇張」といった話題はかなりタブー。

もちろんどこの国でもそうですが、特にオーストラリア人の間では、学歴や年収、ステイタスなど「ちょっとした自慢」話はかなり嫌われるので控えましょう。

どのくらい敏感かというと、自己紹介の時にも役職をアピールすることは控えるほど。これは自慢と捉えられてしまうからです。

役職や肩書きは一緒に働き出してから判明してくるそうです。

肩書きや役職が重要という考えはなく、大切なのはどんな立場の人でも評価を得ることはそれぞれの能力や日々の行動という認識が一般的です。

オーストラリア人は、肩書きなどによって、相手への対応を変えたりするのも嫌がられます。

なので、お客様とお迎えする時は、どんな肩書きの相手にもしっかりした接遇を大切にしていきましょう。

参照:Cultural Atlas「Business Culture

オーストラリア人のビジネスコミュケーションの取り方

オーストラリアには接待がないといわれています。

では、一体どんな方法でビジネスコミュニケーションを取っているのでしょう?

こちらでは、オーストラリア人と接待文化について、ご紹介します。

オーストラリアには接待はない

オーストラリアのビジネスシーンでは、接待がありません。

取引先と取引中に食事会や飲み会を行うことは、賄賂として受け取られるので注意が必要です。

仮にディナーを一緒に過ごしたとしても、仕事には何の影響もないと言われています。

接待や会食は経費で一切落ちないため、どこの会社も接待という場を企画しないのが通常です。

もし、一緒にビジネスランチやディナーで食事を一緒にするのなら、ほとんどの場合、会計は別々で支払います。

プレゼントに関しても同様で、プライベートでの付きあいではない取引相手からの贈り物は、賄賂として受け取られてしまいます。

なので、受け取り拒否をされることもあり、その後の関係が悪くなることもあるので気をつけましょう。

ですが、外国人の場合、自国の小さなお土産をさりげなくプレゼントすることはあるので、初対面の時にちょっとしたセンスの良い贈り物を準備しておくといいですよね。

参照:「オーストラリアで働く際に知るべきオーストラリア人のビジネスカルチャーTOP5

コーヒーブレイク

オーストラリアでは、コーヒーは重要なビジネスポイントです。

より気軽ですし、世界共通で毎日のコーヒーブレイクは大切な時間。

ビジネスランチミーティングよりも、地元のカフェでコーヒーを飲みながらキャッチアップやクイックミーティングをするのがオーストラリアでは一般的。

オーストラリアでは、コーヒーは単なるエネルギー補給の手段ではなく、より社交的なものとして捉えられているのです。

しかし、コーヒーを飲みながら会って、楽しいおしゃべりと時間を過ごしたからといって、最終的に一緒にビジネスをすることになるとは限らないことに注意が必要です。

これはオーストラリア人以外の人が戸惑うかもしれません…。

オーストラリア人の飲みに行く時

オーストラリア人は、基本的に仕事が終わった後、飲みに行ったり食事をしたりする時には、話の流れで仕事の話になることはありますが、基本的に仕事の話をしません。

オーストラリアでは、仕事帰りに同僚たちと「Shout」とよばれる、ビールの奢り合いがあります。

イギリスの「Round」と同じ文化ですが、支払いを順番にするので自分の番になったら必ず奢ります。

もし、自分が支払う番なのに奢らなければ相当気まずくなるので注意が必要です。

そして、勤務時間外に開催されるビジネスイベントでは、アルコールが提供されることが一般的です。

希望しない場合は、飲酒を義務付けられることはありませんので、お酒が飲めなければ断っても大丈夫ですよ。

会食は契約が成立してから

オーストラリアのビジネスでは、仕事に個人的な親しさを持ち込むことはないと言われています。

オーストラリアの取引相手をどうしても接待をするのなら、契約が成立した後や、プロジェクトがうまく行った後など、仕事が終わった後が一般的。

相手によってはプロジェクト成立後に一緒に食事でも、と誘う場合はほとんど割り勘になるので、あまり高額なお店へ案内することは避けましょう。

基本的に誘った側が、レストランの料金を奢ると言う場合が多いのですが、友人同士や仲間の間では自分の分は自分で支払います。

日本なら、素敵な居酒屋や美味しい日本食レストランなど日本人同士の同僚と行くようなお店を選ぶ感覚がいいと思います。

おすすめ関連記事;外国人接待におすすめしたい東京のレストラン・居酒屋17選

オーストラリアでの贈り物文化

オーストラリアのビジネス文化では、贈り物をする習慣はありませんが、贈り物は非常に喜ばれます。

贈答品は、贈収賄を目的としたものと思われないようにすることが重要です。

例えば、パートナーの決断を待っている間に贈るプレゼントは、不適切と思われます。

一方、取引の成立や交渉の終了時に贈られるものは、お祝いとみなされます。

政府系組織の従業員への贈答品は、金額が低い場合のみ認められることがあり、事前に人事部や財務部に申告する必要がある場合があります。

オーストラリア人に贈り物をする時は、このようにタイミングをみて贈りましょう!

参照:Polyglot「8 Things You Should Know About Australia’s Business Culture

口や鼻から出る音をとにかく嫌がる

これはビジネスマナーではありませんが、重要なマナーなので紹介します。

ほとんどの国で、ゲップや鼻をすするといった生理現象を、他人の前で平然とするのはマナー違反ですが、オーストラリア人は特にこの口や鼻から出る音を嫌悪します。

日本の麺類の食べ方に一番ビックリするのはオーストラリア人だと言われるほど、口から出る音に対して敏感なのです。

ゲップや大きな咳、鼻をすする音は絶対にオーストラリア人の前では出さないようにしましょう。

なので大きな音がでてもいいので、必ず鼻を噛みましょう。啜るのは本当に嫌がられてしまいます!

オーストラリア人に好まれる日本観光の動向

では、オーストラリア人が日本観光をする時、どのような傾向にあるのでしょう?

個人的に親しくなったオーストラリア人を日本で案内する時の参考になるような内容になっています。

オーストラリアの観光シーズン

オーストラリア人の観光シーズンは12月から2月なので、ビジネスで来日していただくのなら、3月から11月がベストです。

特にオーストラリアの夏は日本の冬にあたるので、日本の冬を楽しみたいオーストラリア人が多く来日するそうです。

北半球と南半球なので季節が真逆ということもあり、来日していただくタイミングなどに配慮するのもビジネスが円滑に進む方法です。

モノ消費より断然コト消費

オーストラリア人観光客の傾向として、個人的に旅行を手配して、日本らしいことを求め日本各地を周遊する人が多くみられます。

買い物にはあまり興味はなく、コト消費への動向が見られ、体験型の観光に人気です。

日本文化体験とは、訪日外国人に日本文化を直接体験していただくタイプの観光。

着物を着て街を散策するなど、観光に日本文化を掛け合わせるタイプのものから、寿司作りや芸者体験などワークショップ型の体験までその数は様々にあります。

大体所要時間は1時間前後のものが多く、観光の予定に組み込みやすいのも人気です。

このような観点からも、オーストラリア人接待には、日本を体験できるような日本文化体験はおすすめですよ。

日本全国周遊が人気

オーストラリア人観光客の傾向として、個人での旅行客が多い傾向にあります。

日本全国の観光地へ、団体での行動より自由に旅行スケジュールを組み立てて、自由に自分の好きな土地を訪れる人が多いようです。

傾向として、相手のわからない不安定な情報よりも、ソースがしっかりした情報を元に絵旅行を計画するのも特徴です。

なのでもし、オーストラリア人の知り合いや仕事仲間が「日本観光をしたい!」と考えているのならおすすめの情報を積極的に提供してあげれば喜んでいただけますよ。

参照:inbound insight インバウンド対策総合支援サービス「「日本ならでは」を重視!データから分かる訪日オーストラリア人の特徴

買い物は日用品が人気

オーストラリア人の日本での買い物動向として、日用品を買い求める人が多い傾向にあります。

コンビニや百円均一、ドラックストアなど日本人が日常的に利用しているようなお店が人気。

買われているモノも、化粧品や健康アイテム、そしてお菓子に百円便利グッツに人気が集まっています。

なので、オーストラリア人に気軽なお土産を考えるのなら、使ってみて便利だったものや美味しかったお菓子などを贈ると喜んでいただけるでしょう。

また、「日本文化」を感じるものが好まれる傾向があるので、日本らしさ溢れるような伝統工芸品や、職人技に感動できるような日本らしいお土産もいいですよね。

オーストラリア人と親しくなったら、日本の良品をぜひお土産にしてみましょう!

参照:参照サイト:訪日ラボ「データでわかる訪日オーストラリア人観光客

特別なオーストラリア人のお客様におすすめの日本文化体験

接待文化のないオーストラリア人ですが、大切なお客様が来日されれば、おもてなしするシーンはありますよね。

また、プロジェクト成功の祝賀会や研修、チームビルディングなど、日本文化体験をオーストラリア人にご用意するタイミングは多くあります。

こちらではそんなシチュエーションにぴったりな、オーストラリア人に特に喜ばれる日本文化体験を紹介します。

東京観光案内

オーストラリア人は、対等な立場がとても心地が良く感じる国民と言われています。

なので、やはりいちばんおすすめなのは、日本の観光案内をして差し上げること。

一緒にあるいて、同じものを見聞きし感動しながら時間を過ごすことで、お互いの理解も深まり信頼できるパートナー関係を構築する時間を作ってくれます。

もちろん、なるべく割り勘、もしくは交互に奢り会いましょう。

平等な親睦を深めた方ががより親密な関係になりますよ。

東京には食べ歩きスポットが多く、気軽に美味しいものを食べながら散策できます。

なので、ゆっくりと親睦を深めるためにとても最適な企画になるでしょう。

おすすめ関連記事:外国人接待にぴったりな東京観光!エリア別おすすめスポットを紹介

日本舞踊体験

日本舞踊は着物をきた仕草の美しさを、歌舞伎と能をルーツにして生まれた日本の舞踊です。

オーストラリア人におすすめしたいのは、こちらの日本舞踊体験。

日本舞踊体験は、実際に日本舞踊のお師匠様から踊りの手解きを受けます。

和楽器の音色に合わせて扇子や着物(体験では浴衣)を実際に身につけ、和室でお稽古をつけていただくので、日本文化を丸ごと味わえます。

日本らしさに特化した日本文化体験をご案内すれば、とびきりの忘れられない時間になるでしょう。

おすすめ関連記事:外国人が喜ぶ日本舞踊と着付け体験|日本伝統文化の着物でおもてなし事例【大人気!】

寿司ワークショップ

寿司ワークショップは、実際にお寿司を外国人が握る体験です。

本物の寿司職人から寿司の握り方を学びます。

板前の衣装も着用して本格的に寿司を握るので、外国人からかなり人気のある日本文化体験の一つです。

オーストラリア人も他の外国人と同じように、日本で美味しいお寿司を食べてみたいと考える人は多いので、実際自分で寿司を握るというアイデアはかなり感動してくれるのだとか。

ランチタイムやディナータイムと掛け合わせることができるので、スケジュール調整もしやすいこともおすすめのポイントです。

大袈裟な接待ではなく、たのしんでいただけるような会食プロジェクトなら喜んでいただけそうですよね。

プロジェクトのタイミングを見計らって、美味しいお寿司をにぎっていただきましょう!

忍者エンターテイメント

楽しいコトが大好きなオーストラリア人には、忍者のエンターテイメントもおすすめです。

忍者エンターテイメントは、本物の忍者の末裔によるアクロバティックなショーが楽しめます。

こちらは、大人数のパーティーやレセプション、プロジェクト成功の祝賀会など華やかな場に、ぴったりです。

会場のどこから忍者が出てくるのかわからない!といった演出や、忍者と侍のバトルなど、臨場感溢れる本格的なショーに大変盛り上がりを見せますよ。

おすすめ関連記事:【忍者を英語で説明】 NINJA体験お勧め5選

酒蔵体験

オーストラリア人の多くは、やはりワインやビールを好むそうです。

日本酒とワインは製造方法や地域性など、近いものがあり、日本酒を好むオーストラリア人も多くいらっしゃいます。

日本でしか体験できない日本酒体験といえば、やはり酒蔵見学ではないでしょうか?

赴きや風情ある老舗の酒蔵を実際に訪れて、美味しい日本酒ができる工程を学びながら、出来立てのお酒をいただく。

そんな特別な体験は忘れられない時間となってくれるでしょう。

また、団体のお客様に人気なのは、酒蔵を貸切にしたパーティーです。

祝賀会や成功会などおめでたい席にもぴったりの企画になりますよ。

おすすめ関連記事:外国人と日本酒の楽しみ方 | 簡単な英語で酒蔵体験

日本文化体験でのチームビルディングと研修

日本文化体験をキーワードにした、チームビルディングは多くの外国企業から注目を浴びています。

その理由には、日本文化の多くには深い哲学があり、その所作によって思想を学ぶという側面があるからです。

チームビルディングは、チーム全体で同じことを取り込むことによって、ビジネスシーンでよりチームの力が発揮できるような研修をすることです。

ここに日本文化をとりいれることで、他にはない特別な経験をご提供することができるのです。

華道、茶道、武道、寿司、太鼓など内容は多岐に渡るので、チームやビジネス内容に通じる日本文化からチームビルディングを企画することができます。

接待は難しいけれど、やはりチームワークを強くしたいと考える時にぴったりな企画ですよ。

おすすめ関連記事:日本文化|外国人向け研修・チームビルディングおすすめ6選:華道・茶道・空手・相撲・寿司・太鼓の紹介!

まとめ

オーストラリア人とのビジネスで一番大切なのは、笑顔とはっきりとした挨拶と言われています。

「平等」と「謙虚」がキーワードといってもいいほど、オーストラリア人の特徴的な国民性。

仕事の内容や能力だけで信頼関係を作り上げるという、とても気持ちがいい国民性のオーストラリア人とのビジネスでは、プロジェクトを円滑に回すための接待という状況があまりないかもしれません。

ですが、プロジェクトが成功した後に一緒に盛り上がれるような企画は、過ごした時間をより充実させてくれることでしょう。