国賓接遇とは? 国賓・公賓・要人の違い | 来日時のおもてなし事例3選


外務省には外国人賓客をおもてなしする、招へいプログラムがあります。
このプログラムは国家を上げての接遇対応のおもてなしが行われ、お出迎えする外国人超重要人物には「国賓」「公賓」「要人」が該当します。
今回は、国賓、公賓、要人のわかりやすい解説と超重要人物への接遇についてお届けします。
• 国賓、公賓、要人の方についての知識がしりたい。
• 日本親善の目的で日本を楽しんでいただく場合の具体的な方法とは?。
• 大切なお客様に対して失礼のないような接遇での日本体験のご提供方法とは?
この記事をよめば、「国賓、公賓、要人」の違いがわかり、外国人超重要人物に向けた接遇についてより深い理解を得られますよ。
モテナス日本が、実際に外国人超重要人物に対してご案内した、日本文化体験3事例もおとどけします。
是非参考にしてみてくださいね。
国賓、公賓、要人
国賓とは?
国賓(こくひん)とは、政府が公式招待をする外国人賓客の中で、最も礼儀を接遇する賓客です。
各国の国家元首である、「国王」「大統領」が該当し、公式招待は10年に一度とされています。
国賓の招待目的とは、日本と被招聘国との友好親善関係の増進を図ること。
国家最高レベルの接遇おむかえするので、歓迎行事を宮内庁が受け皇居宮殿前で行い、宮中晩餐会がひらかれます。
そして東京を去る際には陛下が国賓のもとに訪れ、ご挨拶をなされます。
国賓の招聘、接遇は閣議において決定され、最近では年に1〜2名。
来日の費用は一定程度負担し、本人と随行者最大10人分の宿泊、警備、移動、の費用3泊4日(京都迎賓館にいく際は一泊追加)で、予算はおおよそ2500万円とされています。
公賓とは?
公賓とは国賓と同じく政府が公式に招待する外国人客で、「皇太子」「王族」「首相」「副大統領」、又はこれに準ずるものです。
国賓は宮内庁でしたが、公賓は外務省が仕切ります。
歓迎行事は迎賓館で行われ、晩餐会ではなく宮中での午餐会が開催されますが、天皇陛下の会見もあり、皇太子の場合は宮中午餐会があります。
公賓の場合も、国賓と同じく、滞在日数は3泊4日(京都迎賓館にいく際は一泊追加)。
国賓と同じく、随員と駐日大使夫妻の国内滞在費を政府が負担しますが、公賓の場合は8人までです。
歓迎行事は総理大臣官邸か迎賓館で行い、総理大臣以下閣僚が出席されます。
要人とは ?
要人とは 、社会に重大な影響が及ぶ立場や、要職に就いている人物を指します。
そして、それらの地位にあった人と、その家族、組織の実質的支配者、それに該当する法人もこれにあたります。
外国要人に該当する役職一覧
• 外国の元首および過去外国元首であった者
• 内閣総理大臣とその他の国務大臣、副大臣に相当する職種
• 衆議院議長、衆議院副議長、参議院議長、副議長に相当する職種
• 最高裁判所の裁判官
• 中央銀行の役員
• 特命全権大使 公使、特派大使、政府代表
• 統合幕僚長、陸上幕僚長 副長、海上幕僚長 副長、航空幕僚長 副長
• 予算について国家の議決を経、または承認を受けなければならない法人の役員
に当たる人物になります。
外務省 外国人招へいプログラム
外国人招へいプログラムとは?
外務省では、国賓客の国公賓等招へい以外にも、重要外国人に対した招へいプログラムを行なっています。
招聘(しょうへい)とは、「人を丁重な態度で招くこと」を指しますので、やはり心を込めた接遇の態度で客人をおもてなしをします。
では、外務省は、どのような相手に対してどういった目的を持って、招へいプログラムを実施しているのでしょう?
外務省の招聘プログラムの目的とは?
日本の各種政策や文化・社会などの様々な分野で、諸外国の重要人物や機関に理解を深めてもらうことが目的。
諸外国と我が国関係者との人脈を通じて、外交政策の円滑な推進を図り、中長期的には親日家・知日家層の育成・底上げすることを目指します。
外務省の外国人重要人物へのおもてなしは、国家間の交渉の推進,安全保障の強化,政策協調等に役立てることを目標とした接遇になります。
国賓・公賓招へいプログラム
国賓・公賓招へいプログラムの目的は、日本と相手国との友好親善関係の増進を図ることを目的としています。
そのため、まさに国を挙げての最高のおもてなしとなる豪華なものとなります。
最近では、記憶に残るほど豪華な国賓のおもてなしに、元アメリカ大統領のトランプ氏のおもてなしには、賛否両論ありましたが至れり尽くせりのおもてなしでした。
公式実務訪問賓客, 実務訪問賓客, 外務省賓客招へいプログラム
交渉の推進,安全保障の強化,政策協調等に役立てることを目的としています。
国賓招へいとは違い、よりビジネスライクな交渉をするのが重要な目的となるので、安全保障や経済連携をスムーズに進めるためのおもてなしが用意されます。
よって、天皇陛下との会見や、宮中晩餐会などは開催されず会食が用意されます。
閣僚級招へいプログラム
諸外国の政治決定や世論の成形に大きな影響力のある閣僚レベルの人物、に向けた招聘プログラムになります。
内容は日本の要人との会談や、関係期間の視察を行うことで日本への理解を深め、相手国で発信していただくことが目的とされます。
戦略的実務者招へいプログラム
諸外国の政・経・官・学等の各界や国際機関で、一定の指導的立場に就いている方または将来活躍が期待されている方に向けて招へいします。
外務本省や他の政府機関関係者によるブリーフィング・意見交換,民間有識者等との懇談,日本文化体験,地方視察等をしていただきます。
超重要人物(VVIP)への接遇について
接遇とは?
接遇とは、お客様個人に寄り添い、心地の良い時間と空間をご用意する技術を指します。
目の前のお客様に対して「どのように対応していくのか?」というマニュアルが「接客」なら、接遇は「相手や状況に合わせて臨機応変に対応」する力です。
例えば、子連れでレストランに食事に行くとします。
店員が笑顔で“いらっしゃいませ”と声をかけ、人数を伺い 「お席にご案内致します」と、「対応できるテーブルへ順に案内する」という店員の対応は接客。
そこに「接遇を考えた接客」と考えるなら、「現状況で案内できるテーブル」というだけではなく、「子連れ客がリラックスして食事ができる、対応可能な席に案内する」といった判断を付け足すことが求められます。
「お子様に高い椅子をお持ち致しましょうか?」の一言や、「お子様にも楽しんでいただけるようお子様自身に笑顔で話しかける」などの判断が状況をみて即座にできること。
そのような、お客様に寄り添った対応をすることで、より安心してお食事の時間をご提供することです。
このように、「相手にとって心地の良い対応ができるかどうか」瞬時に相手の状況にぴったりなきめ細かいサービスを即座に見極め提供することは接遇になります。
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日本親善のための具体的な方法
ではどのようにして、超重要人物へ日本親善を目的にしたおもてなしをご用意すればいいのでしょうか?
やはりまず、日本文化をテーマにしたイベントの企画になります。
日本文化には深い哲学、美学があり、これらは日本独自のものです。
伝統的な日本文化を体験していただくことで、私たちの日本という国をより深く理解、発見していただけるのです。
国賓招聘でも、茶道や相撲鑑賞など、日本文化体験でのおもてなしが数多く実施されています。
おすすめ関連記事:【超富裕層インバウンド】おもてなしのポイントとVIPのタイプ別イベント事例17選
スケジュール管理
日本親善のために来日されている人物のほとんどは、スケジュールがタイトな日程になっています。
ランチタイムや夕飯の会食などに日本文化体験を組み込むことは有意義な時間となり、その後のコミュニケーションの円滑さを期待することができるからです。
またガラパーティーや親善パーティーなどのイベントの企画も重要になります。
大人数にも対応できる日本文化エンターテイメントをご用意することで、忘れられないパーティーになることでしょう。
また、突然の予定変更なども起こりうるので、キャンセルにも寛容に対応できることが求められます。
企画の時点で、不意の予定変更への可能性も考えておきましょう。
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配慮すること
そしてお相手の方の個人的な要望や、タブーなどにも迅速に対応する力が必要になります。
宗教的な関係で、お酒や食べ物に制限のある方に対しては事前に情報を仕入れ、対応しましょう。
食事に関しては、宗教以外にも個人的な思想や哲学においてベジタリアンの方もいらっしゃいますし、健康上の理由で控えている食品がある人もいます。
国際プロトコール
国際プロトコールは、政府の招聘プログラムの際に採用される国際マナープロトコールになります。
たとえ政府要人への対応ではなくても、重要な外国人客へのおもてなしを企画する際には、国際プロトコールに則った対応がもとめられます。
国際プロトコールはとても細かく全てを認知するのは難しいかもしれませんが、最低限のルールを知っておくことは大切になるので、事前に調べておくことはおすすめですよ。
おすすめ関連記事:【大切なお客さまをもてなす国際プロトコール】国際マナー5原則とQAによる注意事項20選
超重要人物への接遇事例
では実際に、どのようにして超重要人物などの大切なお客様を日本で接遇するのでしょう?
企業にとっての超重要外国人のお客様が御来日は、国の国賓級に値するおもてなしをしていきたいと考えるのではないでしょうか?
特に超重要人物となると、プライバシーを確保しながら、短い滞在の中で特別な体験をご用意差し上げたいなど、何かと制限の多いご要望にも常に対応していかなければなりません。
そしてよりスムーズな関係を築いていくために、日本をより楽しんでいただけるようなプランが大切になります。
そんなときは、お客様にあわせたオーダーメイドの日本文化体験プランでこころをこめたおもてなし接遇をおすすめします。
外国人の多くが訪日した際、やはり日本を存分に楽しみたい、体験したいと考えていますし、日本にはすばらしい文化が多くあります。
これらを題材にしての特別な日本文化体験で接待を行えば、より円滑なコミュニケーションが期待できるのです。
しかし、日本伝統芸能の鑑賞にはたくさんのルールがあるため、寛ぎながらの鑑賞を外国人のお客様にご提供するのはなかなかむずかしいですよね。
オーダーメイドプランなら、お客様に寄り添った接遇をとことん現実にいたします。
これまでの常識を飛び越えて、より日本体験を味わっていただきましょう。
ここではモテナス日本が実際に行った接遇事例を3つご案内致します。
接遇事例1 サプライズな演出 忍者体験
とある王族のご家族が、プライベートで訪日されました。
そのとき、弊社がお手伝いさせていただいたときのおはなしです。
「サプライズやエンターテインメントがお好きな大切なお客様に、日本ならでは記憶に残るサプライズの詰まった感動をあじわっていただきたい」
と、大使館の方からご相談をいただきました。
ご家族での訪日ということもあり、プライベートのご旅行でしたので、ご家族さま全員のこころに残る日本を体験していただく、忍者によるサプライズショーを企画。
モテナス日本の恵比寿にある隠れ家、「高級サロンチェルシーン ザ リゾート」にお車でお客様が到着された瞬間、突然忍者がとびだして、おもてなしはスタートしました。
突然の忍者の登場にお客様は「まさかこのタイミングで!!」と大はしゃぎ。
興奮も冷めぬまま、忍者の格好に着替えていただいて、すっかり忍者気分です。
プライベート空間の美しい日本庭園で、本物の忍者による忍術指導は手裏剣や剣術。
実際に忍者に指導してもらい、忍者になっていただきました。
そして間近で観る迫真の忍者ショー!
とことん忍者づくしでご家族のみなさまも大満足のご様子。
王族の方でも家族旅行は、日常をはなれて家族と過ごす大切な時間ですよね。
どのようなご身分の方でものびのびと自由に日本を楽しんでいただける体験でした。
接遇事例2 歌舞伎鑑賞をしながら本格フレンチ体験
時折、お仕事のお忙しいお客様が自由に日本を体験していただける時間というのは限られています。
「せめてランチの間に日本らしい体験をお届けしたい」と,日本接待担当者の方からご相談がありました。
それからご担当者様と弊社の綿密なうちあわせによってモテナス日本がご提案させていただいたのは、日本情緒あふれる素敵なプライベート空間での、本格フレンチと極上のワインをたのしみながらゆっくりと歌舞伎鑑賞。
歌舞伎は本来飲食禁止で公演日スケジュールも決まっています。
そこで、人気の高い歌舞伎をランチタイムにご体験していただくプランです。
ゆったりプライベート空間で日本伝統体験しながら、優雅においしいお食事をゆったりと召し上がっていただく。
メインイベントでは歌舞伎役者になりきって化粧を施し見切っていただきました。
フィナーレには鏡獅子を披露。
鏡獅子の迫力ある演舞に感動していただき、最後は歌舞伎役者と一緒に、記念撮影を思う存分に楽しんでいただきました。
お忙しいお客様の限られた時間、ご担当者様との綿密なうちあわせによって、成功した接遇事例になります。
接遇事例3 日本出張になれた本社社長に特別な日本体験
「日本に何度も来られている本社社長を、マンネリ化しない日本らしい特別な接待をご用意したい」
と、とある会社のご担当様から相談をいただきました。
何度も日本に来られて、何度も日本で接待を受けているのなら、通常の日本体験ではご満足いただけないでしょう。
社長様は日中大変お忙しく、お疲れも多いそうでしたので、慣れない外国での移動を極力さけ、ご宿泊されているホテルの一室を和風に装飾して,プライベート空間をご用意致しました。
そして、そこに芸者を用意し、芸者遊びの通訳に長けている通訳者を手配。
日本の伝統芸能についての通訳を、専門的知識がある通訳者にしてもらうことによって、よりストレスなく日本文化を体験していただけます。
最後に芸者と一緒に記念撮影された社長様の満面の笑みで、プライベートな空間で一目を気にすることなく、言葉の壁もこえて思う存分たのしんでいただけました。
まとめ
「遇」という字のなかには「もてなす」という意味が含まれており、「接して、もてなす」で「接遇」となります。
接遇とは、一人一人に接して、おもてなしをする心配りや、お相手に合わせた接し方ができること。
ただ、「相手に合わせた丁寧な接客」というより、「自分に寄り添ってくれたんだな」「心地が良いな」という気持ちは、「この出会いがあってよかった!」と感じさせてくれます。
その場だけの対応ではなく、お客様に寄りそったおもてなし。
お客様のこころに残り、思い出すたびにあたたかくなるような時間や体験は、次の出会いをつむいでゆけるでしょう。
文化も地位も異なる重要なお客様をお招きする際、大切なのはこころのこもった接遇になるのではないでしょうか?
大切な方ならなおさら、一緒にいられる限られた時間をかけがえのないものにしたいです。
お迎えするわたしたちができることは、お相手に寄り添い、立場を理解して、居心地のいい体験や空間を察して差し上げること。
それは、日本古来よりわたしたちに受け継がれるおもてなしの心です。
一期一会を大切にしていきましょう。
参考記事:【大切なお客様】極上のサービスと外国人にも喜ばれる最高のおもてなし

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